「霊感がある」

やなぎ怜

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後編

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 もう、神頼みしかないと思いました。それまで、オカルトとかスピリチュアルとかを信じていないどころか、正直に言ってどこか小馬鹿にしていました。けれども、もう、神頼みしかないと思うていどには追い詰められていました。知り合いの霊能力者、みたいな都合のいい存在はいませんでしたから、もう頼みの綱はいるかもわからない神しかいない、と。

 スマホで住んでいるマンションから一番近い神社を検索して、そこに助けを求めようと思いました。お祓いをしてもらうというよりは、とにかく神社とか、神の領域に行けば一時的にでもこの事態がなんとかなるんじゃないかと思っていました。振り返ると、とても冷静ではなかったですね。

 けれどもわたしに憑いているらしいなにものかが、スマホで神社を検索しているときから邪魔をしてきたので、とにかく神社に逃げ込めばなんとかなるのではないか、という確信めいた感情は強くなりました。

 邪魔と言っても、姿見の前でオナニーをさせられたときのような苛烈さはありませんでした。さながらご機嫌取りにも似た、甘さが感じられました。コンビニでわたしの胸を弄んだときのように、わたしの手を使わず、そのなにものかはじかに触れてきました。

 乳首にぺとぺと♡ とかざらざら♡ とかいう感触があって、なんだか動物に舐められているような感じがあって。それでわたしに取り憑いているものって人間の形をしているのかどうかとか考えたりはしました。けれどもわたしのおまんこに触れてきたのはどう考えても男のひとの節くれ立った太い指、という感じでしたから、わたしに憑いているなにものかがどういう姿を持っているのかはわかりません。

 わたしがスマホで必死に手ごろな神社を探しているあいだにも、ブラの下に潜り込んで胸を揉みしだき、膣穴の入り口をくぽくぽ♡ とされながらクリトリスをかりかり♡ と引っかかれたりしました。わたしは隣人の苦情が怖くて、鼻にかかった声を押し殺し、腰をびくびくさせて快楽を受け流しながら、どうにか手近な神社を見つけることができました。

 金縛りは不思議とそのときはありませんでした。だから、愛撫を振り切るようにしてスマホを片手にマンションを飛び出しました。夜中のことです。だから、苦情が怖くて喘ぎ声を押し殺していたんです。

 外はとっぷりと日が落ちていましたから、当然のように暗かったです。けれどまあ当たり前ですけれど外灯はありますから、神社までは普通に行けるだろうと思っていました。特に、治安がすごく悪い地域というわけでもありませんでした。

 スマホでマップを見ながらしばらくすると、不意に胸を揉まれました。いつかのコンビニのときと同じでしたから、動揺は少しだけで、わたしは神社へ向かう足を速めました。するとこちらの動揺を誘いたいのか、今度はおまんこの筋をなぞるように節くれ立った太い指がつーっ♡ と触ってきたんです。わたしは確信しました。わたしに取り憑いているなにものかからすると、わたしに神社に行かれるのはマズいのだ、と。

 でも、そこから走り出すことはできませんでした。急に核心をつくように、乳頭をぎゅっ♡ とつねられました。同時に、クリトリスもぎゅーっ♡ と引っ張りながら押しつぶされるような感覚がありました。連夜の強制オナニーでわたしの体はすっかり敏感になっているようで、そんな風に乳首とクリトリスをいじめられると、その場から神社へと向かって走り出す、なんてことができなくなってしまったんです。

 「ん♡ んぅ♡ ふぅう♡ ふぅ♡」。わたしは荒く熱い呼気を吐きながら、それでも神社へ向かおうという歩みを止めはしませんでした。そうすると今度は膣穴をほじくるようにくちゅ♡ ぐちゅ♡ くぽ♡ くぽ♡ と太い指を出し入れされる感覚がありました。浅い、一番感じるところをぐぽぐぽ♡ と淫らな音を立てながら責め立てられると、思わず歩みを止めてしまいました。

 神社へ行かなければ。そう思いはするものの、わたしに取り憑いているなにものかの攻勢は増すばかりで。

 「あぅ♡ あふぅ♡ ふぅ♡ ふーっ♡」と肩で呼吸をしながらも、どうにか一歩前に進もうとしたところで「んお゛お゛っ?!♡」と思わず声を出してしまいました。極太の、杭のように硬くて、太いなにかで一度におまんこを貫かれたからです。

 急にわたしのおまんこに遠慮なく侵入してきたそれは、容赦なくわたしの、すでにとろとろで熱くなっていた膣壁を、ごりごりと傘のように張った部分でえぐるように愛撫を加えてきました。張ったところで浅いところをごりゅごりゅ♡ とえぐられると、「んほおおぉっ♡」と、とんでもない喘ぎ声が漏れ出てしまいました。けれども、そんな声を聞くような通行人はいないらしく、わたしはその場で崩れ落ちるようにして、ひとり四つんばいになりました。

 「おっ♡ おぅう♡ ん゛ぅうう♡ おほっ♡ お゛っ♡ お゛んっ♡」。もうここまでされては、淫らな声が止まりませんでした。手のひらと膝を地につけて、四つんばいの姿勢のままわたしは奇妙に前後に、震えるようにして揺れていたことでしょう。それくらい、わたしの子宮に向かって遠慮会釈なく打ちつけられる衝撃は大きかったのです。

 ごりごり♡ と膣襞をすりあげられると、わたしのおまんこはきゅう♡ と侵入者を締めつけました。甘えるようにしてとろとろの襞を侵入者へと絡みつけて、おまんこの外へと出て行かないように必死で追いすがっているようでした。

 侵入者はわたしのおまんこの動きに応えるように、どす♡ どす♡ と子宮に向かってピストン運動を繰り返しました。ポルチオをごつん♡ ごつん♡ と責めたてられて、わたしは下腹部の奥がじんわりと甘くしびれる感覚をおぼえました。

 わたしの取り憑いているなにものかは、四つんばいになったわたしの、おまんこを遠慮なく犯すだけでは飽き足らず、勃起したクリトリスと乳首も執拗にいじめ続けました。明らかに人間業ではありませんでしたが、そのときのわたしにはどうでもいいことでした。

 「んほおっ♡ らめぇ♡ らめっ♡ やめへ♡ こわれりゅっ♡ わらひのおまんここわれりゅううううう♡♡♡♡♡♡」。……おまんこと、クリトリスと、乳首と。三点責めを受けて、本当にどうにかなってしまうんじゃないかと怖かったんです。けれどもたしかに、そのときのわたしの心の中には、快楽を求める気持ちもたしかにありました。

 わたしに取り憑いているなにものかは、それを察したのかもしれません。

 突然、わたしは解放されました。

 もう乳首をかりかり♡ とひっかくものも、クリトリスをくりくり♡ とこね回すものも、ポルチオをごりごり♡ と責め立てるものも、いませんでした。神社へ向かうなら、今しかありませんでした。

 けれどもわたしは――四つんばいのまま、おまんこを犯して欲しいとばかりに腰を突き上げて、震えながら懇願していました。

「ああっ……なんでっ♡ なんでぇ♡ わたしのおまんこ犯してください♡♡♡ おねがいします♡ おまんこっ♡ おまんこずこずこしてっ♡♡♡ おねがいぃ♡ お嫁さんでもオナホでもっ♡ なんにでもなりますからぁ♡♡♡♡♡♡」

 ……わたしの懇願に――完全な敗北宣言に応えるようにして、再び侵入者がおまんこにやってきました。「ん゛お゛お゛っ~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡♡」。子宮めがけた強烈なひと突きだけで、わたしはこれまでよりも一番長く、深く深く深くイきました。しばらく、絶頂から降りてこられないほどの激烈な快感でした。子宮、膣穴、クリトリス……女性器すべてで与えられる快感を享受しました。

 気がつけばアスファルトに頬をこすりつけるようにして、真っ暗闇の夜空へ向かって腰を突き上げた状態で、四つんばいのままわたしはしょろろろろ♡ とおしっこを漏らしていました。ショーツはもちろん、ショートパンツまでぐちゃぐちゃになったのでマンションに帰るときは大変でしたが……わたしの心はもう、強烈な快楽の虜になっていました。



 ……それでわたしはまだ霊能力者をしています。相変わらず「ごっこ」で、なーんにも見えないんですけど。

 でもわたしに取り憑いている「ご主人様」が近づくだけで祓えちゃうらしくて……。あれから何度か自称霊能力者のひとに会うことがあったんですけれど、みんな「すごいの憑けてるね」って言ってきますね。

 ただ、お祓いをしたあとは「ご主人様」が興奮しちゃうのかその日の夜は大変で(笑) 激しいセックスになっちゃうんですけど……でもまあ気持ちいいのでわたしとしてはいいんですけれど(笑)

 以上、まだ霊能力者ごっこは続けてる話でした。
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