9 / 15
主人公視点(5)
しおりを挟む
……ミコトは思った。
――ここにはマトモなやつはいない。ならば自己保身に走ったほうがいいのではないか、と。
ネスから情報を得る対価に首を絞められて苦しい思いをしたミコトであったが、それ以上の恐怖心は抱いてはいなかった。
それよりもネスから得られた、この永遠校舎から出られない永遠生徒たちの情報で、ミコトの頭はいっぱいだった。
薄々、マトモなやつはいないのではにかという直感はあったので、衝撃自体は少ない。
しかし単なる直感による予想を、ネスによって裏打ちされてしまったことへの、納得感と焦燥感はある。
やっぱりか、という思いと、これからどうしよう、という悩みだ。
まず、十中八九永遠生徒たちはミコトのことを、死んだらしい「樹ミコト」と同一視している。
ネス曰く、「あまりにも同じだから」だそうだ。
見た目、声、振る舞い――それから、謎の能力を有するスマートフォン「キツネノマド」を永遠生徒で唯一取り扱えること。
死ねば終わりだというのがミコトの考えだが、永遠校舎などという超常の世界に身を置いている彼らからすれば、死とはときに超越することもある事象なのかもしれない。
ミコトにはさっぱりわからなかったが。
比較的冷静に物事を捉えているらしい――少なくともミコトにはそう見える――ネスからすら、「本当に樹さんじゃないの?」と問われるほどに、ミコトと「樹ミコト」は似ている。
そこはもう、受け入れるしかない。
生まれ持っての姿かたちや声や振る舞いを、一朝一夕でたちどころに変えるだなんて芸当は、ミコトにはできないのだから。
問題は、永遠生徒たちほぼ全員が、大なり小なり「樹ミコト」に思うところがあるというネスからの情報である。
ネスのその情報に、ミコトは嘘はないと感じた。
首を絞められてまで得た情報なのだから、というバイアスがないとは完全には否定しきれないものの、現状、ネスがミコトに嘘を吹き込むメリットもないと考える。
一応、ネスはミコトが「樹ミコト」ではないという主張に納得をしていたのだし。
ネスによれば、ミコトを入れても永遠生徒は一一人しかいないらしい。
そのうち、ミコトが知っているのはニビ、ネス、怒涛、厨戸の四人。
ネスからはこの四人の情報と、まだミコト「は」会っていない六人について教えてもらった。
ミコトの目からはただのスマートフォンでしかない、「キツネノマド」の画面を見やる。
ネスの話を聞きつつ、メモアプリに書き留めた内容が眼下に広がる。
まず、田久根ネス。全盲ではないが介助が必要なレベルの視力で、その世話を怒涛が引き受けている。
本人曰く、その視力は生まれつき。それゆえか、その他の感覚器から得られる情報を大切にしている。
特に触覚。他者の、生命を感じられる接触が好きらしい。
……つまり、ミコトにしたような生きている人間の首を絞める行為が好きなのだろう。
さすがにネスはそうは言わなかったが、ミコトはそう解釈している。
次に、須津日怒涛。先述の通りネスの介助を引き受けている、そばかす顔の男子生徒。
ネス曰く、劣等感が非常に強いとのこと。自己評価も自己肯定感も低く、他人に優しくされても素直に受け取れない。
だれに対しても下手に出るために、視力がほとんどないネスの介助役を買って出ているらしい。
……しかし、殺人のセンスだけはある。
厨戸煙は「樹ミコト」の元カレ。これはニビとの会話でも触れられていたので、ミコトも一応知ってはいる。
「樹ミコト」にウソコクして付き合ったものの、なんやかんやあり別れた。ネスもさすがに込み入った事情は知らないとのこと。
大方、「樹ミコト」が厨戸の思惑をなにかの拍子に知って別れたのだろう。
しかし、厨戸のほうはなにやら「樹ミコト」に執着している……。
おまけに厨戸はミコトのことを「樹ミコト」と同一人物だと疑っている様子がない。ミコトからすると頭の痛い事項だ。
亜橋ニビは「樹ミコト」の同級生。「樹ミコト」、ニビ、厨戸は同じ高校に通っていて、永遠校舎に来る前からの顔見知り。
関西弁をしゃべることからわかる通り、関西生まれ関西育ち、親の事情で引っ越しを経験している。
ネス曰く、あまり目立つことが好きではないらしい。控えめな性格ということなのだろう。
ただ物言いはハッキリとしている。そして、厨戸とは仲が悪い。ゆえにたびたび衝突しているとのことだ。
もちろん、そこには「樹ミコト」の存在が絡んでくる。
ミコトは三角関係を疑った。ネスはハッキリとは言及しなかったものの、それは暗に認めているも同然だった。
ニビは、ミコトが「樹ミコト」に瓜ふたつであるから、最初から優しかったし、厨戸からもかばってくれたのだろう。
……ミコトが既に知っている四人だけでも、なかなかひと筋縄ではいかなさそうな気配がひしひしと漂ってくる。
実際、ネスから聞いた限りでは、残る六人もどいつもこいつもひと筋縄ではいかないことが確定しているも同然だった。
神の実在を否定し、自らが神になろうとする宛井墨。
暴力を振るうことにためらいがないサディストだが、そんな自分を嫌悪し、戦闘後には嘔吐していると言う安池梯一。
「可愛いもの」を愛するが、それの指すところが他人の臓物で、他害行動にためらいがないため、常に拘束されている来恵ルティ。
いち教室を己の「城」と称し、引きこもりを続けている阿久里入我。
自分を愛してくれる人間だったらだれでもいい色情狂で、ストーカーされたこともあればストーカーもする鳥栖浦りり斗。
永遠校舎最年少の襖田飛龍は新参者らしくネスもよく知らないらしいが、永遠生徒となっている時点で恐らくひと筋縄ではいかないに違いない。
……ミコトは、これらの情報を得て「自己保身に走ったほうがいいのではないか」と思ったのだ。
しかしミコトは女性だ。男性で、二次性徴が終盤に入りつつあり、体が出来上がってきている他の永遠生徒には腕力で勝てるビジョンは一切見えない。
手元にある不可思議なスマートフォン「キツネノマド」はちょっと触ってみた限りでは、戦闘時に永遠生徒を補助したり支援したりする機能はあるものの、直接的に攻撃できるようなシステムはないようだ。
つまり、「キツネノマド」を除けばミコトはほぼ無力。
自己保身に走ろうという考えに至るのは、無理からぬことであった。
そのために頼りになりそうな人間は――
「亜橋ニビ……」
……彼くらいしかいないだろう。
永遠生徒になっている時点で、なにかしらクセがありそうな予感はするものの、表面的に彼はマトモだ。
おまけに「樹ミコト」のお陰で、ミコトにも優しいし、なにやら守る意思もある様子。
ミコトが「樹ミコト」ではない以上、いつその手のひらを返されるかはわかったものではないものの、現状、頼りになりそうな永遠生徒はニビくらいだというのも事実だった。
ミコトは決意を固めた。
結局、人間みな我が身が一番可愛いのだ。
それはミコトとて例外ではない。
そうと決まれば善は急げ。ミコトはニビに会いに行くことにした。
――ここにはマトモなやつはいない。ならば自己保身に走ったほうがいいのではないか、と。
ネスから情報を得る対価に首を絞められて苦しい思いをしたミコトであったが、それ以上の恐怖心は抱いてはいなかった。
それよりもネスから得られた、この永遠校舎から出られない永遠生徒たちの情報で、ミコトの頭はいっぱいだった。
薄々、マトモなやつはいないのではにかという直感はあったので、衝撃自体は少ない。
しかし単なる直感による予想を、ネスによって裏打ちされてしまったことへの、納得感と焦燥感はある。
やっぱりか、という思いと、これからどうしよう、という悩みだ。
まず、十中八九永遠生徒たちはミコトのことを、死んだらしい「樹ミコト」と同一視している。
ネス曰く、「あまりにも同じだから」だそうだ。
見た目、声、振る舞い――それから、謎の能力を有するスマートフォン「キツネノマド」を永遠生徒で唯一取り扱えること。
死ねば終わりだというのがミコトの考えだが、永遠校舎などという超常の世界に身を置いている彼らからすれば、死とはときに超越することもある事象なのかもしれない。
ミコトにはさっぱりわからなかったが。
比較的冷静に物事を捉えているらしい――少なくともミコトにはそう見える――ネスからすら、「本当に樹さんじゃないの?」と問われるほどに、ミコトと「樹ミコト」は似ている。
そこはもう、受け入れるしかない。
生まれ持っての姿かたちや声や振る舞いを、一朝一夕でたちどころに変えるだなんて芸当は、ミコトにはできないのだから。
問題は、永遠生徒たちほぼ全員が、大なり小なり「樹ミコト」に思うところがあるというネスからの情報である。
ネスのその情報に、ミコトは嘘はないと感じた。
首を絞められてまで得た情報なのだから、というバイアスがないとは完全には否定しきれないものの、現状、ネスがミコトに嘘を吹き込むメリットもないと考える。
一応、ネスはミコトが「樹ミコト」ではないという主張に納得をしていたのだし。
ネスによれば、ミコトを入れても永遠生徒は一一人しかいないらしい。
そのうち、ミコトが知っているのはニビ、ネス、怒涛、厨戸の四人。
ネスからはこの四人の情報と、まだミコト「は」会っていない六人について教えてもらった。
ミコトの目からはただのスマートフォンでしかない、「キツネノマド」の画面を見やる。
ネスの話を聞きつつ、メモアプリに書き留めた内容が眼下に広がる。
まず、田久根ネス。全盲ではないが介助が必要なレベルの視力で、その世話を怒涛が引き受けている。
本人曰く、その視力は生まれつき。それゆえか、その他の感覚器から得られる情報を大切にしている。
特に触覚。他者の、生命を感じられる接触が好きらしい。
……つまり、ミコトにしたような生きている人間の首を絞める行為が好きなのだろう。
さすがにネスはそうは言わなかったが、ミコトはそう解釈している。
次に、須津日怒涛。先述の通りネスの介助を引き受けている、そばかす顔の男子生徒。
ネス曰く、劣等感が非常に強いとのこと。自己評価も自己肯定感も低く、他人に優しくされても素直に受け取れない。
だれに対しても下手に出るために、視力がほとんどないネスの介助役を買って出ているらしい。
……しかし、殺人のセンスだけはある。
厨戸煙は「樹ミコト」の元カレ。これはニビとの会話でも触れられていたので、ミコトも一応知ってはいる。
「樹ミコト」にウソコクして付き合ったものの、なんやかんやあり別れた。ネスもさすがに込み入った事情は知らないとのこと。
大方、「樹ミコト」が厨戸の思惑をなにかの拍子に知って別れたのだろう。
しかし、厨戸のほうはなにやら「樹ミコト」に執着している……。
おまけに厨戸はミコトのことを「樹ミコト」と同一人物だと疑っている様子がない。ミコトからすると頭の痛い事項だ。
亜橋ニビは「樹ミコト」の同級生。「樹ミコト」、ニビ、厨戸は同じ高校に通っていて、永遠校舎に来る前からの顔見知り。
関西弁をしゃべることからわかる通り、関西生まれ関西育ち、親の事情で引っ越しを経験している。
ネス曰く、あまり目立つことが好きではないらしい。控えめな性格ということなのだろう。
ただ物言いはハッキリとしている。そして、厨戸とは仲が悪い。ゆえにたびたび衝突しているとのことだ。
もちろん、そこには「樹ミコト」の存在が絡んでくる。
ミコトは三角関係を疑った。ネスはハッキリとは言及しなかったものの、それは暗に認めているも同然だった。
ニビは、ミコトが「樹ミコト」に瓜ふたつであるから、最初から優しかったし、厨戸からもかばってくれたのだろう。
……ミコトが既に知っている四人だけでも、なかなかひと筋縄ではいかなさそうな気配がひしひしと漂ってくる。
実際、ネスから聞いた限りでは、残る六人もどいつもこいつもひと筋縄ではいかないことが確定しているも同然だった。
神の実在を否定し、自らが神になろうとする宛井墨。
暴力を振るうことにためらいがないサディストだが、そんな自分を嫌悪し、戦闘後には嘔吐していると言う安池梯一。
「可愛いもの」を愛するが、それの指すところが他人の臓物で、他害行動にためらいがないため、常に拘束されている来恵ルティ。
いち教室を己の「城」と称し、引きこもりを続けている阿久里入我。
自分を愛してくれる人間だったらだれでもいい色情狂で、ストーカーされたこともあればストーカーもする鳥栖浦りり斗。
永遠校舎最年少の襖田飛龍は新参者らしくネスもよく知らないらしいが、永遠生徒となっている時点で恐らくひと筋縄ではいかないに違いない。
……ミコトは、これらの情報を得て「自己保身に走ったほうがいいのではないか」と思ったのだ。
しかしミコトは女性だ。男性で、二次性徴が終盤に入りつつあり、体が出来上がってきている他の永遠生徒には腕力で勝てるビジョンは一切見えない。
手元にある不可思議なスマートフォン「キツネノマド」はちょっと触ってみた限りでは、戦闘時に永遠生徒を補助したり支援したりする機能はあるものの、直接的に攻撃できるようなシステムはないようだ。
つまり、「キツネノマド」を除けばミコトはほぼ無力。
自己保身に走ろうという考えに至るのは、無理からぬことであった。
そのために頼りになりそうな人間は――
「亜橋ニビ……」
……彼くらいしかいないだろう。
永遠生徒になっている時点で、なにかしらクセがありそうな予感はするものの、表面的に彼はマトモだ。
おまけに「樹ミコト」のお陰で、ミコトにも優しいし、なにやら守る意思もある様子。
ミコトが「樹ミコト」ではない以上、いつその手のひらを返されるかはわかったものではないものの、現状、頼りになりそうな永遠生徒はニビくらいだというのも事実だった。
ミコトは決意を固めた。
結局、人間みな我が身が一番可愛いのだ。
それはミコトとて例外ではない。
そうと決まれば善は急げ。ミコトはニビに会いに行くことにした。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
お姫様は死に、魔女様は目覚めた
悠十
恋愛
とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。
しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。
そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして……
「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」
姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。
「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」
魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する
ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。
夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。
社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。
ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。
「私たち、離婚しましょう」
アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。
どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。
彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。
アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。
こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。
「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」
まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。
目が覚めたら、婚約破棄されていた。
理由は「地味で面白みがない」から。
泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。
最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。
でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。
厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。
そして就任スピーチで宣言した。
「500人全員の名前を、覚えます」
冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。
悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。
元婚約者は——後悔し始めていた。
婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。
なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる