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※芸能関係のアレコレはかなりテキトーです。この世界ではこうなんだなーと思ってください……。
***
マレレーン。出生名マレレーン・レレ・レアンダー。元ミス・ペペペナッシに輝いた母と映画プロデューサーの父とのあいだに長女として生を受けた。ピーチズ・クリームの肌と、珍しいピンク・ブロンドの髪に淡いブルーアイズが特徴的なスーパーモデル。
広告塔を務めるブランドは数知れず、テレビで彼女のCMを見ない日はないと言われるほど。カバーモデルとして有名雑誌の表紙を飾った回数も数え切れない。
身長は一八四センチメートル。体重は非公表。スリーサイズも非公表だが、そんな数値を見なくたって彼女が素晴らしくスレンダーな美女だということはすぐにわかる。
幼少期から子供服のモデルを務め、そのためにいじめられたこともあったが、マレレーンがめげることはなかった。「だってあたしはなにも間違ったことはしていなかったもの」「当時はそりゃあ悔しくて仕方がなかったわ。でも、もう終わったことだって今は思えるの。そんなことよりも仕事のほうが忙しくって大変だしね」
そんな華やかなマレレーンは意外にも恋人がいたことがないと言う。
「馬鹿馬鹿しいかもしれないけれど、あたし運命的な出会いってあると思っているんです。いえ、思いたいというほうが正しいかしら?」
*
マレレーン。マレレーン・レアンダー。今をときめくスーパーモデルでつい先日CMの撮影でヴァルデマーと共演した女。
メルリリーの脳裏にインプットされている情報は極めて貧弱かつ、今の状況を打破しうるような内容ではなかった。
背が高いな。メルリリーはぐいと顎を上げてマレレーンを見上げる。恐らく、ヴァルデマーと同じくらいであろう。ハイヒールを履けば悠々と彼の身長を抜かしてしまうに違いない。
メルリリーとてそれなりに身長はある。アパレルカタログのファッションモデルをしていた――実のところ今でも小遣い稼ぎにしている(生活が苦しいから)――のだから。
それでも相手は世界が羨むスーパーモデル。芸能プロダクションに所属し、一般人よりは洗練された印象を持つメルリリーではあったが、悲しいかな、スーパーモデルに太刀打ちできるほどの手足と美貌は持ち合わせていなかった。
「はいこれ委任状ね。委任状。読める?」
小馬鹿にしきったマレレーンの声にカチンと来たが、メルリリーは息を吐いて気持ちを落ち着けた。
「委任状?」
「そう。だから今すぐヴァルデマーの家から出て行って」
「ええ?」
マレレーンの長い指から委任状とやらをひったくるようにして奪う。しかしすぐさま小さな文字の羅列が渦のようにメルリリーの目玉に飛び込んで、じき洪水を起こした。
とりあえず、最後のサインだけを確認する。
……ヴァルデマーの筆跡だ。たぶん。何度か写真集のサイン本を作っている場面を見ていたが、日常では直筆の文章のやり取りなどしないのが昨今の世界である。だから、たぶん。たぶんこれはヴァルデマーのサインだ。
「ええ?」
もう一度、困惑の声を上げる。それが往生際の悪い態度ととられたらしいのか、マレレーンは嫌らしいため息をついてメルリリーの頭を睥睨した。
だれもが認めるトップモデルのマレレーンからすれば、メルリリーなどみそっかすも同然だった。
探偵に調べさせるまでもなく集まった情報では、彼女は美しく未来と才能ある役者のヴァルデマーに寄生するパッとしない女優だった。
基本的に出るのはテレビの昼ドラの端役ばかりで、たまにノンクレジットで映画の片隅に顔を出す程度。それでも手に入れた初主演のインディペンデント映画は大コケしてその興行収入は惨憺たるものであったという。
そして女優だけでは食べていけないために、プチプラ系のアパレルブランドのファッション・モデルを片手間にしている。
幼いころからひたすら成功を追い求め、思い描いたとおりの自分を手に入れてきた、一流の世界にいるマレレーンからすると、それはひどくみすぼらしいキャリアとしか言いようがなかった。
マレレーンにとって、花の咲く未来のない苦労は、単に見苦しいだけなのだ。
そんなメルリリーはなぜかヴァルデマーと同居している。否、それは同棲に違いないというのがゴシップ記者やファンの見方であった。
「さあ、早く荷物をまとめて出て行ってちょうだい」
マレレーンの最後通牒に、メルリリーはなんとも言えない顔をした。
なにが悪かったのだろう? メルリリーはダンボール箱に多くはない服を放り込みながら考える。
近頃、たしかにヴァルデマーとは仲たがいをしないまでも、そこはかとなく刺々しい雰囲気を保っていた。俗に言う倦怠期というやつなのだろう。ヴァルデマーの仕事が忙しいことも恐らくは関係していたに違いない。
ヴァルデマーは外では「貴公子」などと――メルリリーからすると――しゃらくさい呼び名でもてはやされている。そしてその名に恥じぬ紳士ぶりで業界では通っているのだ。
パパラッチにも笑顔でポーズ。ファンサービスはいつだって笑顔。そんなヴァルデマーを思い描いて、人気商売とは厳しい世界なのだなとメルリリーはひとり体を震わせた。しかし、未だ芽の出る気配のないメルリリーには、すこしうらやましい世界でもある。
だからこそヴァルデマーは家の中――つまり、メルリリーの前ではひどく甘えたがりでワガママだ。ワガママというのも直接的に言うのではなく、いわゆる察してチャン状態なのでメルリリーのほうに余裕がないときはひどく面倒なものだ。
ヴァルデマーにはそういう悪癖がある。わざと子供っぽく振舞って隙を作って、甘えることで相手を意のままに動かそうとする。メルリリーはそういうのもまあアリかなとは思ってはいた。
思ってはいたが、今、まさしくその悪癖の負の側面がふたりの関係を決定的に悪くしていた。
近頃のヴァルデマーはずっと不機嫌な状態であった。しかも、それを察して欲しいという感じではないのが厄介なところである。かといってそれをひとり隠しておく気もないらしく、メルリリーは自宅にいるというのに緊張を強いられる生活をしていた。
それに苦言を呈して解決を図ろうとしても、「メルリリーには関係ない」のひとことで彼女はシャットアウトされてしまう。
前日までのマクウェザー&プレインフィールド邸の空気は最低最悪だった。
「恋人じゃないなら早く出て行きなさいな」
「ええ?」
メルリリーがダンボール箱の前でしばし思案に浸っていると、いらだった様子のマレレーンが顔を出した。
恋人じゃない? メルリリーは首をかしげる。そしてしばらくしてから自分は最低の方法で捨てられて、その後釜にマレレーンが納まったからこういう結果になっているのだと思い至った。
「でも、わたしは昨日までは……恋人だったんですよ」
恋人。女優をしているもののベッド・シーンも未だに経験したことのないメルリリーは、大変に純朴であった。だからこそ、恋人だという言葉を出すのにすら言いよどんでしまったのだった。
そんなメルリリーの言葉をマレレーンはきらきらとした美しい唇を開いて一笑に付した。
「ヴァルデマーから恋人だなんて言葉、一度も聞いたことないわよ」
メルリリーは口をぽかんと開いた。それから、マレレーンの言葉がしっかりと真実を指しているのだと気づいて、一度に顔が赤くなった。
そんなメルリリーを見てマレレーンはさすがに哀れになったのか、憐憫に満ちたブルーアイズを向けてくる。
「舞い上がって勘違いしちゃったのね、貴女」
ええ? それじゃあこれまでの生活はなんだったんだろう? メルリリーは頭の中を疑問符でいっぱいにする。
甘えてくれるヴァルデマー、泣き言を言うヴァルデマー、頼ってくれるヴァルデマー。けれどもそこにキスやセックスといったものが介在する余地はなかった。
つまり。つまり、つまり、つまり、つまり、つまりは、わたしは勘違いしていたのだ! わたしは便利なルームメイトであって、恋人ではなかったのだ!
メルリリーは羞恥で頭が爆発しそうになった。
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マレレーン。出生名マレレーン・レレ・レアンダー。元ミス・ペペペナッシに輝いた母と映画プロデューサーの父とのあいだに長女として生を受けた。ピーチズ・クリームの肌と、珍しいピンク・ブロンドの髪に淡いブルーアイズが特徴的なスーパーモデル。
広告塔を務めるブランドは数知れず、テレビで彼女のCMを見ない日はないと言われるほど。カバーモデルとして有名雑誌の表紙を飾った回数も数え切れない。
身長は一八四センチメートル。体重は非公表。スリーサイズも非公表だが、そんな数値を見なくたって彼女が素晴らしくスレンダーな美女だということはすぐにわかる。
幼少期から子供服のモデルを務め、そのためにいじめられたこともあったが、マレレーンがめげることはなかった。「だってあたしはなにも間違ったことはしていなかったもの」「当時はそりゃあ悔しくて仕方がなかったわ。でも、もう終わったことだって今は思えるの。そんなことよりも仕事のほうが忙しくって大変だしね」
そんな華やかなマレレーンは意外にも恋人がいたことがないと言う。
「馬鹿馬鹿しいかもしれないけれど、あたし運命的な出会いってあると思っているんです。いえ、思いたいというほうが正しいかしら?」
*
マレレーン。マレレーン・レアンダー。今をときめくスーパーモデルでつい先日CMの撮影でヴァルデマーと共演した女。
メルリリーの脳裏にインプットされている情報は極めて貧弱かつ、今の状況を打破しうるような内容ではなかった。
背が高いな。メルリリーはぐいと顎を上げてマレレーンを見上げる。恐らく、ヴァルデマーと同じくらいであろう。ハイヒールを履けば悠々と彼の身長を抜かしてしまうに違いない。
メルリリーとてそれなりに身長はある。アパレルカタログのファッションモデルをしていた――実のところ今でも小遣い稼ぎにしている(生活が苦しいから)――のだから。
それでも相手は世界が羨むスーパーモデル。芸能プロダクションに所属し、一般人よりは洗練された印象を持つメルリリーではあったが、悲しいかな、スーパーモデルに太刀打ちできるほどの手足と美貌は持ち合わせていなかった。
「はいこれ委任状ね。委任状。読める?」
小馬鹿にしきったマレレーンの声にカチンと来たが、メルリリーは息を吐いて気持ちを落ち着けた。
「委任状?」
「そう。だから今すぐヴァルデマーの家から出て行って」
「ええ?」
マレレーンの長い指から委任状とやらをひったくるようにして奪う。しかしすぐさま小さな文字の羅列が渦のようにメルリリーの目玉に飛び込んで、じき洪水を起こした。
とりあえず、最後のサインだけを確認する。
……ヴァルデマーの筆跡だ。たぶん。何度か写真集のサイン本を作っている場面を見ていたが、日常では直筆の文章のやり取りなどしないのが昨今の世界である。だから、たぶん。たぶんこれはヴァルデマーのサインだ。
「ええ?」
もう一度、困惑の声を上げる。それが往生際の悪い態度ととられたらしいのか、マレレーンは嫌らしいため息をついてメルリリーの頭を睥睨した。
だれもが認めるトップモデルのマレレーンからすれば、メルリリーなどみそっかすも同然だった。
探偵に調べさせるまでもなく集まった情報では、彼女は美しく未来と才能ある役者のヴァルデマーに寄生するパッとしない女優だった。
基本的に出るのはテレビの昼ドラの端役ばかりで、たまにノンクレジットで映画の片隅に顔を出す程度。それでも手に入れた初主演のインディペンデント映画は大コケしてその興行収入は惨憺たるものであったという。
そして女優だけでは食べていけないために、プチプラ系のアパレルブランドのファッション・モデルを片手間にしている。
幼いころからひたすら成功を追い求め、思い描いたとおりの自分を手に入れてきた、一流の世界にいるマレレーンからすると、それはひどくみすぼらしいキャリアとしか言いようがなかった。
マレレーンにとって、花の咲く未来のない苦労は、単に見苦しいだけなのだ。
そんなメルリリーはなぜかヴァルデマーと同居している。否、それは同棲に違いないというのがゴシップ記者やファンの見方であった。
「さあ、早く荷物をまとめて出て行ってちょうだい」
マレレーンの最後通牒に、メルリリーはなんとも言えない顔をした。
なにが悪かったのだろう? メルリリーはダンボール箱に多くはない服を放り込みながら考える。
近頃、たしかにヴァルデマーとは仲たがいをしないまでも、そこはかとなく刺々しい雰囲気を保っていた。俗に言う倦怠期というやつなのだろう。ヴァルデマーの仕事が忙しいことも恐らくは関係していたに違いない。
ヴァルデマーは外では「貴公子」などと――メルリリーからすると――しゃらくさい呼び名でもてはやされている。そしてその名に恥じぬ紳士ぶりで業界では通っているのだ。
パパラッチにも笑顔でポーズ。ファンサービスはいつだって笑顔。そんなヴァルデマーを思い描いて、人気商売とは厳しい世界なのだなとメルリリーはひとり体を震わせた。しかし、未だ芽の出る気配のないメルリリーには、すこしうらやましい世界でもある。
だからこそヴァルデマーは家の中――つまり、メルリリーの前ではひどく甘えたがりでワガママだ。ワガママというのも直接的に言うのではなく、いわゆる察してチャン状態なのでメルリリーのほうに余裕がないときはひどく面倒なものだ。
ヴァルデマーにはそういう悪癖がある。わざと子供っぽく振舞って隙を作って、甘えることで相手を意のままに動かそうとする。メルリリーはそういうのもまあアリかなとは思ってはいた。
思ってはいたが、今、まさしくその悪癖の負の側面がふたりの関係を決定的に悪くしていた。
近頃のヴァルデマーはずっと不機嫌な状態であった。しかも、それを察して欲しいという感じではないのが厄介なところである。かといってそれをひとり隠しておく気もないらしく、メルリリーは自宅にいるというのに緊張を強いられる生活をしていた。
それに苦言を呈して解決を図ろうとしても、「メルリリーには関係ない」のひとことで彼女はシャットアウトされてしまう。
前日までのマクウェザー&プレインフィールド邸の空気は最低最悪だった。
「恋人じゃないなら早く出て行きなさいな」
「ええ?」
メルリリーがダンボール箱の前でしばし思案に浸っていると、いらだった様子のマレレーンが顔を出した。
恋人じゃない? メルリリーは首をかしげる。そしてしばらくしてから自分は最低の方法で捨てられて、その後釜にマレレーンが納まったからこういう結果になっているのだと思い至った。
「でも、わたしは昨日までは……恋人だったんですよ」
恋人。女優をしているもののベッド・シーンも未だに経験したことのないメルリリーは、大変に純朴であった。だからこそ、恋人だという言葉を出すのにすら言いよどんでしまったのだった。
そんなメルリリーの言葉をマレレーンはきらきらとした美しい唇を開いて一笑に付した。
「ヴァルデマーから恋人だなんて言葉、一度も聞いたことないわよ」
メルリリーは口をぽかんと開いた。それから、マレレーンの言葉がしっかりと真実を指しているのだと気づいて、一度に顔が赤くなった。
そんなメルリリーを見てマレレーンはさすがに哀れになったのか、憐憫に満ちたブルーアイズを向けてくる。
「舞い上がって勘違いしちゃったのね、貴女」
ええ? それじゃあこれまでの生活はなんだったんだろう? メルリリーは頭の中を疑問符でいっぱいにする。
甘えてくれるヴァルデマー、泣き言を言うヴァルデマー、頼ってくれるヴァルデマー。けれどもそこにキスやセックスといったものが介在する余地はなかった。
つまり。つまり、つまり、つまり、つまり、つまりは、わたしは勘違いしていたのだ! わたしは便利なルームメイトであって、恋人ではなかったのだ!
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