花忍

まめだだ

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花乞

花乞・追記

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平屋建ての家に帰ってきてから、ぼくはもじもじしていた。


槐様はいろいろお屋敷から持ち帰ったものなどを片付けていて、ぼくの様子に気づく様子はない。とりあえず茶の用意でもしようかと土間に立って、そこで手が止まってしまった。
槐様、と呼び掛ける声が喉の奥で詰まる。


「清白?」


縁側の戸を大きく開けて陽を取り入れる槐様におずおずと近づくと、不思議そうに首を傾げられた。

はしたない。
こんなのははしたないってわかっているんだけど。

もじ、と着物の腹の辺りを握りしめた。


「槐様…いっしょに、いたいです」


じわと涙が浮かぶ。

ぼくを見て一瞬目を瞠った槐様は、そして獰猛にふっと目を細めた。

「いけない子だね、清白」

長い指に引き寄せられて口づけを受ける。
待ちきれなくて自ら舌を差し出せば、くすりと忍び笑う気配がした。


「だって、だって…」


ぼくの身体は容易く熱を持ち、ぴくぴくと震えた。

昨夜は『実家にいるんだから睦み合うのはやめておこう』と揶揄され、お預けにされてしまったのだ。槐様に慣れた身体がまだかまだかとざわめいている。


「あ…っ!」

裾を割って忍び込んできた手が下肢を撫でる。同時に首筋を舐められて、ますます視界が潤んだ。


「こんなに明るいのにいいの?」


開け放たれた戸からは眩いほどの日光が降り注ぎ、すこし目を向ければのどかな自然が広がっている。

ついと優雅にとんぼが通り過ぎていくのを見て、いまさら羞恥が込み上げる。

槐様はいじわるなことを言いながら、ぼくの肌に口づけの跡を散らしている。着物をずらして胸にきゅうと吸いつかれたら、もう堪らなかった。


「いい、です…、もっと触ってくださ…っ」


深く口づけられながら、尖った乳首を転がされ、もう一方の手はくにくにとぼくのものを弄り続ける。興奮しきった身体が期待に震えた。


ところが槐様は「ちょっと待ってね」とぼくから離れてしまった。熱くなった身体をもて余して、立っていられずしゃがみこんでしまう。


「槐様、槐様ぁ…!」


ぼくの甘えきった声に「はいはい」と答えて、槐様はすぐに戻ってきた。その手に細身の張型とあの辛夷様の油薬を持って。


「覚えてる?懐かしいでしょう」


はじめの頃、槐様の大きすぎるものを受け入れる準備に使っていたものだ。
いつの間にか必要がなくなっていたが、あの頃はまだ火傷の傷も痛み、夜な夜なめそめそ泣いていたぼくの気を紛らせてくれた。

槐様はぼくの尻に油薬を垂らし、くちゅくちゅと軽く慣らすと、ぬぷっと張型を押し込んだ。


「んあぁっ!」


簡単に奥まで飲み込んだそれを数回出し入れして、槐様は再び立ち上がった。


「少し用意があるから待ってて。それで遊んでていいよ」

「え……っ」


槐様はにこりと笑って奥へ行ってしまう。
取り残されたぼくは震える吐息を溢しながら、後ろを苛む張型をぎゅうと締め付けた。

こんな明るいところで、はしたなく着物を乱して、いやらしく身体を熱くさせて。

はしたないのに。恥ずかしいのに。

…それが堪らないなんて。


「んん、んあっ」


ゆっくり張型を動かしながら、自身を慰める。槐様のやり方をなぞるように玉を転がし、筋を上下に擦って、先端をくじると透明の露が溢れだす。

濡れた音と甘い声が大きくなるけれど、なぜだかもどかしく満たされない。

「んっ、槐様ぁ…!」

ぼくの泣き言を槐様が向こうで微笑みながら聞いているなんて、もちろん考えもつかない。


「どうしたの」

「槐様…っ、いけないよ、気持ちよくないよぅ」


しばらくしてようやく戻ってきた槐様に、ぼくはいよいよ大きく泣きついた。槐様は頷いて肯定する。


「それでいいんだよ、清白。オレ以外でイくなんて許していない」


うっとりと微笑んだ槐様に少しびっくりしていると、そのままだらしなく投げ出された脚を捕まれ、蜜を溢すそれをがぶりと咥えられる。同時にぐりと張型を奥まで押し込まれた。


「んんっ、んあぁあぁっ!」


じゅうと強く吸い上げられ、堪えようもなく吐き出したすべてを槐様はごくりと喉を鳴らして嚥下した。

口許を指先で雑に拭う仕草がいやらしい。

息を整える間もないまま、ぼくは槐様に横抱きにされ、奥の部屋に連れ込まれた。そこにはすでに布団が敷かれていて、用意の意味を悟りカッと頬が染まる。


「や……っ」


布団の上に優しく下ろされるけれど、後ろに差し込まれたままの張型があらぬところを刺激して、声をあげてしまう。

意識してしまえばまたぴくんと前が反応して、あまりの羞恥に――ますます劣情が募る。


「あっあっ、やだ、恥ずかしいのに…!」

「清白は若いから、まだまだ元気だね」


槐様はぼくの前に膝立ちになって、角帯に手をかける。


「ばかだね、清白。こんなにオレを煽って。もう離してあげないよ、一生」


いつになく酷薄に微笑まれて、その獣のような瞳にぞくりとする。

着物を脱いだ槐様は、見せつけるようにその大きすぎる自身に油薬を塗り広げた。
張型を抜き取られ、腰を引き寄せられたところで、ぞわりと背筋が戦慄く。だって、いつもはもう止めてくれと泣き喚くまで舐め溶かされてる後腔が、ごく簡単に解されただけだ。

まって、とその言葉は音になる前に空気にとけた。


「あ、あああぁあっ!!」


ぐぐっと侵入してくる圧倒的な質量。
身体が引き裂かれるような衝撃に目の裏がちかちかした。

大きく背をしならせるぼくを引き寄せて、ごつ、と奥まで突き上げられる。


「は、さすが」


槐様を咥えた穴の周囲をつるりと撫でられ、傷がないことを確かめられる。同時に息も絶え絶えのぼくの腕を取って。


「え、うそ…!」


導かれた先では、ぼくのものががちがちに硬く勃ち上がっていた。 
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