3 / 3
3 最終話. 彼の犬になりたい
しおりを挟む
欲しい、欲しい、欲しくて堪らねぇ。そんな子がとうとう、俺のものになった。
「こぉじ…もっと、もっとちょうだい」
ねぇ、もっともっと。あどけない顔をして、いやらしく誘うのは俺の可愛い恋人。そう、可愛い可愛い恋人だ。
「ん~いっぱいあげてるよぉ?ツバサちゃんは欲張りでちゅねぇ」
「そんなことないもんっ。ちゅう、もっといっぱいちゅうしてくれなきゃやだっ」
……ち゛っ、死゛ぬ゛ッッ !!か゛わ゛っ、可゛愛゛い゛!!!
「わかりまちたっっ!いっぱいチュウしたげりゅぅぅぅ!!」
・
・
・
いとやん ーー 俺は生徒から、そんなふざけたあだ名で呼ばれている。別に元ヤンじゃねぇ。それに、れっきとした堅気だ。そう、堅気。
けれど最近、雲行きが怪しくなった。とあるクラスの一男児で抜いているのだ。
細い腰にすらりと伸びた長い手足 ーー ツバサにはどこか色気があった。物怖じしない勝ち気な態度の彼は、俺の卑しい所を幾度となく踏み付け、なじり倒した……そんな妄想で果てては、彼の犬になりたいと願う日々。
彼はなかなかご褒美をくれやしない。こんなにも、好きで好きで堪らないのに…頭はすっかり沸き上がっている。
一目惚れだった。だから、ついポロッと…告白をしていて、後先のことなどなかった。
そんなある日のこと、ツバサが俺を振り回すようになったのだ。放課後、俺の部屋へ来るなり「なぁ、お菓子買ってきてよ。今すぐに」と。
俺は目が点になった。彼らしくない、どういう風の吹き回しだ…?
まぁ、彼なりの愛情表現なのかもしれない。可愛い奴め、全く……そう思っていたが、独身令嬢で名高い女性教諭 ーー ツバサのクラス担任を連れて来られた時には、流石に思い詰めた。ツバサは…俺が他の奴を抱いても平気なのかよ。
そこでふと、人形のことを思い出した。ばあさんから聞かされていた話、マジにはしてない。でも、でも…だ。
随分と昔、知り合いから恋愛成就の赤糸をいーっぱいもらったんよ。それ、こうじにあげるから何本か人形に巻き付けときな。こうじのことが好きで好きで、しゃあないようになるわ。
あぁ でも、想い人が人形に触れてないと意味ねぇからね……
ツバサが触った人形。それだけで愛おしく感じ、大切に大切にしていた。赤糸のことはすっかり忘れていたようだ。
家へ帰るなり、俺はさっそく巻き付けた。ぐるぐるぐる、ぐるぐるぐる、ぐるぐるぐるぐる……
そうしてじきに、電話がかかってきたのだ。そーっと画面を見たところ、" ♡ツバサ♡ "と。以前、半ば強引に交換していたが、かかってくることなど一度もなかった。
ちらっと、それに目をやる。頭のてっぺんからつま先まで、赤い糸でがんじがらめになっていて隙間がない。赤い何か。電話を取った俺の手は震えていた。
『ぁの…い、いとやん。今から、会えるか…?』
信じられない。電話の向こうに、ツバサがいる。
俺は己の卑しい所に血が通っていくのがわかった。熱を孕んだ声は、間違いなくツバサのものだ。今…どんな顔をしているんだ、お前は。
会いたい、会いたくて堪らない。すぐにでも飛び付きたかった。けれど、「今日は…もう遅い。明日なら…」と、どこか理性的な自分が口を開いた。
『ぅうん…なぁ、オレの言うことが聞けねぇのかよ』
こぉじぃ……気づいたら、俺は車をかっ飛ばしていた。目的地は恋人の家だ。今日は親がいないらしい。
へにゃりと柔らかい笑みを浮かべ、彼は出迎えてくれた。それからキスをねだってきて、俺はもう、何がなんだかわからなかった。これがツバサ…あぁ、ツバサだ、俺の可愛いツバサ。今日からやっと、この子の犬になれるんだ……
ーーーーーーーーーー
ありがとうございました( ◜灬◝ )♡
「こぉじ…もっと、もっとちょうだい」
ねぇ、もっともっと。あどけない顔をして、いやらしく誘うのは俺の可愛い恋人。そう、可愛い可愛い恋人だ。
「ん~いっぱいあげてるよぉ?ツバサちゃんは欲張りでちゅねぇ」
「そんなことないもんっ。ちゅう、もっといっぱいちゅうしてくれなきゃやだっ」
……ち゛っ、死゛ぬ゛ッッ !!か゛わ゛っ、可゛愛゛い゛!!!
「わかりまちたっっ!いっぱいチュウしたげりゅぅぅぅ!!」
・
・
・
いとやん ーー 俺は生徒から、そんなふざけたあだ名で呼ばれている。別に元ヤンじゃねぇ。それに、れっきとした堅気だ。そう、堅気。
けれど最近、雲行きが怪しくなった。とあるクラスの一男児で抜いているのだ。
細い腰にすらりと伸びた長い手足 ーー ツバサにはどこか色気があった。物怖じしない勝ち気な態度の彼は、俺の卑しい所を幾度となく踏み付け、なじり倒した……そんな妄想で果てては、彼の犬になりたいと願う日々。
彼はなかなかご褒美をくれやしない。こんなにも、好きで好きで堪らないのに…頭はすっかり沸き上がっている。
一目惚れだった。だから、ついポロッと…告白をしていて、後先のことなどなかった。
そんなある日のこと、ツバサが俺を振り回すようになったのだ。放課後、俺の部屋へ来るなり「なぁ、お菓子買ってきてよ。今すぐに」と。
俺は目が点になった。彼らしくない、どういう風の吹き回しだ…?
まぁ、彼なりの愛情表現なのかもしれない。可愛い奴め、全く……そう思っていたが、独身令嬢で名高い女性教諭 ーー ツバサのクラス担任を連れて来られた時には、流石に思い詰めた。ツバサは…俺が他の奴を抱いても平気なのかよ。
そこでふと、人形のことを思い出した。ばあさんから聞かされていた話、マジにはしてない。でも、でも…だ。
随分と昔、知り合いから恋愛成就の赤糸をいーっぱいもらったんよ。それ、こうじにあげるから何本か人形に巻き付けときな。こうじのことが好きで好きで、しゃあないようになるわ。
あぁ でも、想い人が人形に触れてないと意味ねぇからね……
ツバサが触った人形。それだけで愛おしく感じ、大切に大切にしていた。赤糸のことはすっかり忘れていたようだ。
家へ帰るなり、俺はさっそく巻き付けた。ぐるぐるぐる、ぐるぐるぐる、ぐるぐるぐるぐる……
そうしてじきに、電話がかかってきたのだ。そーっと画面を見たところ、" ♡ツバサ♡ "と。以前、半ば強引に交換していたが、かかってくることなど一度もなかった。
ちらっと、それに目をやる。頭のてっぺんからつま先まで、赤い糸でがんじがらめになっていて隙間がない。赤い何か。電話を取った俺の手は震えていた。
『ぁの…い、いとやん。今から、会えるか…?』
信じられない。電話の向こうに、ツバサがいる。
俺は己の卑しい所に血が通っていくのがわかった。熱を孕んだ声は、間違いなくツバサのものだ。今…どんな顔をしているんだ、お前は。
会いたい、会いたくて堪らない。すぐにでも飛び付きたかった。けれど、「今日は…もう遅い。明日なら…」と、どこか理性的な自分が口を開いた。
『ぅうん…なぁ、オレの言うことが聞けねぇのかよ』
こぉじぃ……気づいたら、俺は車をかっ飛ばしていた。目的地は恋人の家だ。今日は親がいないらしい。
へにゃりと柔らかい笑みを浮かべ、彼は出迎えてくれた。それからキスをねだってきて、俺はもう、何がなんだかわからなかった。これがツバサ…あぁ、ツバサだ、俺の可愛いツバサ。今日からやっと、この子の犬になれるんだ……
ーーーーーーーーーー
ありがとうございました( ◜灬◝ )♡
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
陥落 ー おじさま達に病愛されて ー
ななな
BL
眉目秀麗、才ある青年が二人のおじさま達から変態的かつ病的に愛されるお話。全九話。
国一番の璃伴士(将棋士)であるリンユゥは、義父に温かい愛情を注がれ、平凡ながらも幸せな日々を過ごしていた。
そんなある日、一人の紳士とリンユゥは対局することになり…。
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる