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4. お迎えですぞ
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次の日の朝、ミングォさんはやけににこやかな笑みを浮かべて仕事へと出かけて行った。昨日のことが余程嬉しかったのかもしれない。
ただ、「万が一、ポポイがやって来ても絶対に出てはいけないよ。いいね」と言い残した言葉が妙に引っかかり、私の心はどんより曇り空であった。なんだか窮屈で息苦しい。ミングォさんもちょっと過保護が過ぎやしないだろうか。
それでもどうにか朝の家事を終え、少し休んでいた時だった。椅子の上でうとうとしていた私に、戸をコンコンと叩く音が揺さぶり起こしてきたのだ。
私は息を呑み、年下の子供達に音を立てぬよう手で合図をした。彼らはコクリと頷き、私はジッと戸を見つめた。
「おはようございます、ポポイと申します。リンユゥ殿はいらっしゃいますかな」
あやうく、叫び声を上げるところだった。震える手で口を押さえ、私はそろそろと奥の部屋へ忍び足で逃げ込む。来た…本当に来た…何しに来たんだ…!
背中の方からは再び私を求める声が響いた。あぁ…お願いだから帰ってくれ。やって来たなんてことがミングォさんに知られたら、私はそれこそ籠の中の鳥になってしまうのではなかろうか。
すると突然、子供達の騒ぎ声が聞こえてきたのだ。私が目をひん剥いて顔を出すと、どうやってか家の中に入り込み、しげしげと辺りを眺める大柄の紳士がたたずんでいた。
「おや…やはりいらっしゃったのですね、リンユゥ殿。お会いできて嬉しゅうございます」
あぁ、その小さなお子様方を責めないで下さいませ…実は村長から合鍵を拝借しておりましてね、とニコニコしながらとんでもないことを言う。
「何か、御用で?」私は震える足に鞭を打ち、ゆっくりと立ち上がる。
「そうです、お迎えに参りました。リンユゥ殿、わたくしの弟子となっては頂けませぬか」
「…弟子?」
聞けば、私の璃伴の才能を育て上げたいという。ポポイの屋敷に住み込み、衣食住やお金のことは一切気にせず指導をして下さると言うが…しかし。
「私には…父と共に、この家を守り抜く義務がございます。大変もったいない話ではありますが…お断りさせて頂きます」
怪しい、怪し過ぎる。そんなうまい話があってなるものか。大体勝手に他人の家に入り込んで平然としているのが末恐ろしい。この男…何を企んでいる?
なのに私は、「貴方はご自分のことを試したいとは思いませぬか?良いものですよ…それに人生は長い」という言葉にふらついたらしい。さして好きではなかった璃伴だが、ミングォさんに反対された唯一の私の長所をこの人は理解してくれるのか、それにこの家で一生を終えるくらいなら…と、気づけばポポイの手を取っていた。
彼は大層満足気で、その目は三日月のように弧を描いていた。
ただ、「万が一、ポポイがやって来ても絶対に出てはいけないよ。いいね」と言い残した言葉が妙に引っかかり、私の心はどんより曇り空であった。なんだか窮屈で息苦しい。ミングォさんもちょっと過保護が過ぎやしないだろうか。
それでもどうにか朝の家事を終え、少し休んでいた時だった。椅子の上でうとうとしていた私に、戸をコンコンと叩く音が揺さぶり起こしてきたのだ。
私は息を呑み、年下の子供達に音を立てぬよう手で合図をした。彼らはコクリと頷き、私はジッと戸を見つめた。
「おはようございます、ポポイと申します。リンユゥ殿はいらっしゃいますかな」
あやうく、叫び声を上げるところだった。震える手で口を押さえ、私はそろそろと奥の部屋へ忍び足で逃げ込む。来た…本当に来た…何しに来たんだ…!
背中の方からは再び私を求める声が響いた。あぁ…お願いだから帰ってくれ。やって来たなんてことがミングォさんに知られたら、私はそれこそ籠の中の鳥になってしまうのではなかろうか。
すると突然、子供達の騒ぎ声が聞こえてきたのだ。私が目をひん剥いて顔を出すと、どうやってか家の中に入り込み、しげしげと辺りを眺める大柄の紳士がたたずんでいた。
「おや…やはりいらっしゃったのですね、リンユゥ殿。お会いできて嬉しゅうございます」
あぁ、その小さなお子様方を責めないで下さいませ…実は村長から合鍵を拝借しておりましてね、とニコニコしながらとんでもないことを言う。
「何か、御用で?」私は震える足に鞭を打ち、ゆっくりと立ち上がる。
「そうです、お迎えに参りました。リンユゥ殿、わたくしの弟子となっては頂けませぬか」
「…弟子?」
聞けば、私の璃伴の才能を育て上げたいという。ポポイの屋敷に住み込み、衣食住やお金のことは一切気にせず指導をして下さると言うが…しかし。
「私には…父と共に、この家を守り抜く義務がございます。大変もったいない話ではありますが…お断りさせて頂きます」
怪しい、怪し過ぎる。そんなうまい話があってなるものか。大体勝手に他人の家に入り込んで平然としているのが末恐ろしい。この男…何を企んでいる?
なのに私は、「貴方はご自分のことを試したいとは思いませぬか?良いものですよ…それに人生は長い」という言葉にふらついたらしい。さして好きではなかった璃伴だが、ミングォさんに反対された唯一の私の長所をこの人は理解してくれるのか、それにこの家で一生を終えるくらいなら…と、気づけばポポイの手を取っていた。
彼は大層満足気で、その目は三日月のように弧を描いていた。
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