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王家の舞踏会・社交界編
47.天使と装飾品と公爵夫妻の事情
正式に社交界へとお披露目され、仲間入りするアンジェラ。
シルクシャンタンの純白な衣装は見るからに上質で豪華。腰には大きなシフォンのリボンまである。それを翼に見立てれば、愛らしいアンジェラはまさに天使。
〈披露目の舞踏会〉では、デビュタントを飾る令嬢達全員が白の衣装で統一されている。義務付けられることには意義がある。
純白の衣装で「穢れなき無垢な乙女」を象徴し、可憐さも際立たせる意味もある。
◇
デキる侍女マイリーの着付けは完璧。
普段は緩やかに下ろしている波打つ金糸の髪は、シニョンに結い、デビュタント用の小さな「花冠」を載せる。花冠の花細工も全て白と決められているが、アンジェラの花冠だけは特別仕様。
隠れるように蒼い貴石が嵌め込まれ、それは揃いの首飾りや耳飾りにまで及ぶ。
アンジェラは気付いていないが、公の場での「蒼い貴石の装身具」を身に付けることが許されているのは、王族かそれに準ずる者。
密かに蒼い貴石を忍ばせてくる王太子フェリクスは宝石商にまで手を回し、母フレイヤ経由で公爵夫人キャロラインへと託す抜け目になさには、むしろ天晴れ。
ようやく身支度を終えたアンジェラの元には専属護衛エヴァンが迎えに現れる。
今回グラント公爵夫妻は、身重な公爵夫人キャロラインの大事を取り、アンジェラとの参加を急遽〈王家の舞踏会〉取り止めている。
◇
誰よりも愛娘アンジェラの晴れ姿を見たいグラント公爵夫妻。特に公爵夫人キャロラインにとっては最高の楽しみ。
「アンジェラ……やっぱり行きたいわ」
愛娘アンジェラへと抱き付いては離れない。
「アンジェラの晴れ舞台に行きたい。行きたいわ……アンジェラの大事な晴れの舞台なのよ。やっぱり見たいわ」
「キャロライン……我儘を言ってはいけないよ」
優しく諭すグラント公爵ダリウス。
はらはらと涙を流す母キャロライン。
感情の起伏が激しい今の彼女は、些細な事でも大惨事のように涙を流す。そうかと思えば、はしゃいだりすることも多い。
問題はハシャギ過ぎが災い。
小石につまづいた公爵夫人キャロライン。危うく庭園の池へと転げ落ちるところを夫君ダリウスがキャッチ。その後も幾度もよろける彼女は、徐々に膨らみ始めるお腹に重心を取られている上に、意外とおっちょこちょい。
これには、久しぶりの赤子の誕生に湧くグラント公爵家の専属医師がおっかなびっくり。
万が一にも公爵夫人キャロラインと赤子に何かあれば、グラント公爵ダリウスが黙っちゃいない。
「お願いがございます、奥様。どうか安静にしていて下さい。奥様に何事かあれば私の首が飛びます」
そう言われる始末。
今回はお留守番のグラント公爵夫妻。
無念の公爵夫人キャロラインだが、お腹の子は何よりも優先される為、専属医師の懇願に応じるしかない。
シルクシャンタンの純白な衣装は見るからに上質で豪華。腰には大きなシフォンのリボンまである。それを翼に見立てれば、愛らしいアンジェラはまさに天使。
〈披露目の舞踏会〉では、デビュタントを飾る令嬢達全員が白の衣装で統一されている。義務付けられることには意義がある。
純白の衣装で「穢れなき無垢な乙女」を象徴し、可憐さも際立たせる意味もある。
◇
デキる侍女マイリーの着付けは完璧。
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隠れるように蒼い貴石が嵌め込まれ、それは揃いの首飾りや耳飾りにまで及ぶ。
アンジェラは気付いていないが、公の場での「蒼い貴石の装身具」を身に付けることが許されているのは、王族かそれに準ずる者。
密かに蒼い貴石を忍ばせてくる王太子フェリクスは宝石商にまで手を回し、母フレイヤ経由で公爵夫人キャロラインへと託す抜け目になさには、むしろ天晴れ。
ようやく身支度を終えたアンジェラの元には専属護衛エヴァンが迎えに現れる。
今回グラント公爵夫妻は、身重な公爵夫人キャロラインの大事を取り、アンジェラとの参加を急遽〈王家の舞踏会〉取り止めている。
◇
誰よりも愛娘アンジェラの晴れ姿を見たいグラント公爵夫妻。特に公爵夫人キャロラインにとっては最高の楽しみ。
「アンジェラ……やっぱり行きたいわ」
愛娘アンジェラへと抱き付いては離れない。
「アンジェラの晴れ舞台に行きたい。行きたいわ……アンジェラの大事な晴れの舞台なのよ。やっぱり見たいわ」
「キャロライン……我儘を言ってはいけないよ」
優しく諭すグラント公爵ダリウス。
はらはらと涙を流す母キャロライン。
感情の起伏が激しい今の彼女は、些細な事でも大惨事のように涙を流す。そうかと思えば、はしゃいだりすることも多い。
問題はハシャギ過ぎが災い。
小石につまづいた公爵夫人キャロライン。危うく庭園の池へと転げ落ちるところを夫君ダリウスがキャッチ。その後も幾度もよろける彼女は、徐々に膨らみ始めるお腹に重心を取られている上に、意外とおっちょこちょい。
これには、久しぶりの赤子の誕生に湧くグラント公爵家の専属医師がおっかなびっくり。
万が一にも公爵夫人キャロラインと赤子に何かあれば、グラント公爵ダリウスが黙っちゃいない。
「お願いがございます、奥様。どうか安静にしていて下さい。奥様に何事かあれば私の首が飛びます」
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