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本編・宰相の隠謀編
7.宰相と商人の密談
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“と或る国”の国王の命を手の者が娼妓から聞き出した宰相ベンジャミンの言葉。
「私の存在を皆に認めさせ、皇帝陛下を見返したい」
酒に溺れたとはいえ、自己の皇帝に対して不敬とも取れる発言をする宰相ベンジャミン。
とても褒められたものではない。
ただ、彼を利用したい輩には格好の良いカモ。“と或る王国”の手の者は、さりげなく商人のふりをして近づく。
見事な宝飾品をちらつかせ、「もしよろしければ、この首飾りを母君であられる公爵夫人へと贈りましょう」と大判振る舞い。
豪華な食事と酒、それに魅惑的な踊り子で宰相ベンジャミンを歓待して持ち上げれば、悪い気もしないのが人のサガ。
虚栄心も自尊心もくすぐられ、腹も膨れれば気もおおらかになる。おかげで、相手の商人が「実はと“或る王国”の者です」と告げても、それほど気にしない宰相ベンジャミン。
「サイラス大帝国では有能だとお聞きする宰相閣下に、是非ともお口添えをいただければ、我が国も貴方様にも……双方において美味しい結果となりましょう」
「何を望んでいる?」
何を企んでいる……とはならないところが浅慮。
「大帝国を率いながらも偉大な皇帝陛下は、先の皇后陛下を亡くされて以来、今だに正妃をお迎えになれておりません。そこで一つ提案があるのです」
「提案とは何だ? 一応、申してみろ」
「ありがたき幸せにございます。さすがは有能な宰相閣下だけあられる。実に話の分かるお方で私どもも恐悦至極に存じます」
平伏しては相手を持ち上げる。
悪い気はしない宰相ベンジャミン。
誰でもチヤホヤされれば嬉しいものだ。特に自尊心と虚栄心の高い者なら余計。
「我が国の王家の姫を新たな正妃としてお迎えいただければ……お世継ぎ様にも恵まれ、両国の関係も強固なものになりましょう」
「それは、確かにそうだが……」
「宰相閣下の手柄にもなりましょう。偉大な皇帝陛下に皇后を娶らせ、しかも次代を継ぐ皇帝の誕生をももたらしたのです。後々においても偉大な功績となりましょう」
両手を叩いて誉めそやす“と或る王国”の手の者。
こうして、サイラス大帝国にもうけた隠れ家的な屋敷へと宰相ベンジャミンを誘い込み、皇帝シリルへの婚姻話を持ちかけたのだ。
しかも、皇帝シリルには有無を言わさないためなのか、その王家の姫はすでにサイラス帝国へと父王の書状を携え、来訪。
宰相ベンジャミンとともに、半ば強引に皇帝シリルへと謁見の申し入れをする。
意外にも、それに応える皇帝シリル。
彼にも意図があり、専属護衛騎士ルース配下の“皇帝の駒”が動いている。
「私の存在を皆に認めさせ、皇帝陛下を見返したい」
酒に溺れたとはいえ、自己の皇帝に対して不敬とも取れる発言をする宰相ベンジャミン。
とても褒められたものではない。
ただ、彼を利用したい輩には格好の良いカモ。“と或る王国”の手の者は、さりげなく商人のふりをして近づく。
見事な宝飾品をちらつかせ、「もしよろしければ、この首飾りを母君であられる公爵夫人へと贈りましょう」と大判振る舞い。
豪華な食事と酒、それに魅惑的な踊り子で宰相ベンジャミンを歓待して持ち上げれば、悪い気もしないのが人のサガ。
虚栄心も自尊心もくすぐられ、腹も膨れれば気もおおらかになる。おかげで、相手の商人が「実はと“或る王国”の者です」と告げても、それほど気にしない宰相ベンジャミン。
「サイラス大帝国では有能だとお聞きする宰相閣下に、是非ともお口添えをいただければ、我が国も貴方様にも……双方において美味しい結果となりましょう」
「何を望んでいる?」
何を企んでいる……とはならないところが浅慮。
「大帝国を率いながらも偉大な皇帝陛下は、先の皇后陛下を亡くされて以来、今だに正妃をお迎えになれておりません。そこで一つ提案があるのです」
「提案とは何だ? 一応、申してみろ」
「ありがたき幸せにございます。さすがは有能な宰相閣下だけあられる。実に話の分かるお方で私どもも恐悦至極に存じます」
平伏しては相手を持ち上げる。
悪い気はしない宰相ベンジャミン。
誰でもチヤホヤされれば嬉しいものだ。特に自尊心と虚栄心の高い者なら余計。
「我が国の王家の姫を新たな正妃としてお迎えいただければ……お世継ぎ様にも恵まれ、両国の関係も強固なものになりましょう」
「それは、確かにそうだが……」
「宰相閣下の手柄にもなりましょう。偉大な皇帝陛下に皇后を娶らせ、しかも次代を継ぐ皇帝の誕生をももたらしたのです。後々においても偉大な功績となりましょう」
両手を叩いて誉めそやす“と或る王国”の手の者。
こうして、サイラス大帝国にもうけた隠れ家的な屋敷へと宰相ベンジャミンを誘い込み、皇帝シリルへの婚姻話を持ちかけたのだ。
しかも、皇帝シリルには有無を言わさないためなのか、その王家の姫はすでにサイラス帝国へと父王の書状を携え、来訪。
宰相ベンジャミンとともに、半ば強引に皇帝シリルへと謁見の申し入れをする。
意外にも、それに応える皇帝シリル。
彼にも意図があり、専属護衛騎士ルース配下の“皇帝の駒”が動いている。
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