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10. お出かけカガチ
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「カガチ、今日はおまえを村に連れて行こうと思う」
その日の朝、クダンは朝食の定番である土鰻の水団汁(水団は饂飩並みに捏ねて寝かせたもの)を食べながら、そう言った。
「む……ら……?」
小首を傾げたカガチに、クダンは土鰻と野菜の旨味が染みた水団をつるんと嚥下し、頷く。
「前にも話題に出したことがあったよな。憶えているか?」
「あっ……か、鏡になる、けっ、獣の……か、加工? し、して、くれるっ……と、ところ?」
「そう、それ。あのときはまだ、おまえの魔力操作に不安があったから連れて行かなかったが、いまなら大丈夫だろう……ってことで、どうだ?」
カガチは水団汁のお椀を置くと、すすっと居住まいを正してお辞儀した。
「おっ……師様! わ、わたしっ……む、村……い、行ってみたい……つ、連れてってくだっ、ください!」
「おう。出発はこの飯を食ったら、すぐだ。いいな?」
「あっ……」
カガチの眉がハの字になる。
「何か問題あったか?」
不思議に思ったクダンが聞き返すと、カガチは困り顔のまま、おずおずと告げた。
「あ、洗い物、が……」
「……悪ぃ。俺が間違えていた。出発は、洗い物が終わって一息吐いてから、だった」
「はっ、はい!」
カガチの眉が山なりになった。
ちなみに、カガチには「家事は内弟子の仕事」という一家言があって、スースに白い目で見られたクダンが手伝いを申し出ても、カガチは頑として断るのだった。
カガチは今日も今日とて、庭先の小川で食べ終わった後の食器を洗う。鼻歌を口ずさむカガチの頭には、髪に混ざって伸びてきたハート型の葉っぱが髪飾りのように鏤められている。葉に日差しを浴びていると元気が湧いてくるのだという。
「なかなか使いこなしているな」
葉を広げて光合成しているカガチの姿に、スースが感嘆している。
「割り切りが良いのは、若さだな」
自分の身体の非人間的な部分をさも当然のように活用している弟子の姿に、クダンはほんの少し、魔術師としての対抗心が刺激されるのを感じていた。
●
クダンが暮らす庵から村までは、森の中をまっすぐに突っ切って小一時間ほどかかる。といっても、これはクダンが本気で移動した場合の話だ。一般的な村人が歩くとしたら、その何倍もかかるだろう。
もっとも、一般的な村人は【混沌の森】を突っ切るようなことはしない。そんなことをすれば、森に入って三十分と待たずに魔物の餌となっているだろう。
では、そんな危険地帯【混沌の森】にある村とは一体どのような村なのか――。
カガチはこの上なく興味を掻き立てられていた。
「村までは俺がおまえを背負っていくぞ。そのほうが早い……というか、普通に歩いていたら、おまえの命が幾つあっても足りないからな」
いざ出発という段になって、クダンはカガチにそう告げた。
俺は平気だけど、おまえは弱いから――という意図を明け透けにぶつけられて、カガチは珍しく唇を尖らせた。
「わ、わたし……そっ、そんなに、よわっ、弱くないっ……で、です」
「ん? いやいや、おまえはこの森じゃまだ全然弱いぞ」
クダンはさらりと言い放った。
カガチは、そんなことないぞ、と言ってもらえるつもりだったのか――クダンの言葉に目を丸くしていた。
「っ……そっ……で、すか……」
カガチは一瞬、言い返したそうに息を鋭く吸い込んだものの、その息をぐっと呑み込んで、ぼそりと答えた。
まったく納得していません、と書いてある顔に、クダンはついつい笑ってしまう。それを見たカガチが、また馬鹿にされたと思って唇をますます尖らせると、それを見たクダンが吹き出すのを堪えて肩を震わせる――。
「――何をやっているのか、おまえらは。出かけるのなら、さっさと出かけよ」
「あだっ」
「あうっ」
鞭のように撓ったスースの二股尻尾が、師弟二人の頭を同時に叩いた。
「あ……そ、そういえばっ……スースは?」
「む、我輩? ……ああ、村へなら我輩は行かんぞ。我輩には我輩の予定があるからな」
「そっ、そうなんだ……」
「そうなのだ。まあ、土産を期待しておくぞ」
「んっ」
スースとのそんなやり取りも挟んで、クダンとカガチは外へ出た。
村への移動は結局、当初の予定通りに、クダンがカガチを背負って走ることになった。
「師匠の命令だ。いっぺん、俺の言った通りにしてみろ。その上で、自分で歩くほうがましだと思ったときは、言え。そこで下ろしてやるから」
クダンが師匠の権限を持ち出せば、カガチに否はなかった。
「さて……じゃあ、カガチ。持ち上げるぞ」
「は、はい……うわぁ!?」
カガチが驚きの声を上げたのは、クダンの言った「持ち上げる」の意味を勘違いしていたからだ。
てっきり、クダンがしゃがんだところに背中から抱きついて負ぶってもらうつもりだったのに、カガチの身体はその場で浮き上がったのだ。
まるで見えない大きな手で掴まれて持ち上げられたみたいな圧迫感に、カガチは咄嗟に身を捩って逃れようとしてしまう。
「暴れんなって。俺がやってるんだから、身を任せろ」
「あ、あぅ……ひゃい……」
クダンの苦笑にカガチも落ち着きを取り戻して、強張っていた身体を楽にさせた。
見えない手に持ち上げられたカガチは、ふわっと宙を浮いて、クダンの背中に着地した。
「こっちでも固定するが、いちおう自分でも掴まっておけよ。けっこう飛ばすから、振り落とされると洒落にならねぇんでな」
「は、はい」
「よし」
カガチの返事を確認したクダンは、意識を集中させる。
未だ魔力視に目覚めていない――あるいは素質のない――カガチには何となくしか分からなかったけれど、自身も含めたクダンの全身を見えない何かが覆っていくのを感じた。
そっと手を伸ばしてみても、何かにぶつかることはない。ただし、水や油の中に手を突っ込んだような抵抗を感じる――ような気がする。クダンが何かの魔術を使っているのだということは察せられたが、一体どんな魔術なのかは、カガチにはさっぱりだった。
だが、どのような効果を発する魔術なのかはすぐに分かった。身をもって体験できた。
「走るぞ。舌ぁ噛むなよ」
「はっ……い、いいぃ!? ひいいぃっ!!」
カガチの返事を待たずに走り出したクダンは、三歩目を踏み締めた時点で風になっていた。
「んううぅううぅ――ッ!!」
カガチのくぐもった悲鳴が、木々の合間に長い尾を曳きながら駆け抜けていく。
クダンの走る速度は、おそらくは馬と同程度だ。人間の出せる速度としては些かいかれているけれど、けして常軌を逸した速さではない――ただし、それが平野でのことならば。
木々の鬱蒼と生い茂る森の中を、平野を駆ける馬と同じ速度で疾駆するというのがどういうことなのかと言えば、
「きっ、ききっ! ききっ木いぃッ!!」
猿ではない。カガチだ。
身体を固定されて、超高速で眼前に迫ってくる木々の太い幹や張り出した枝葉を見ることしかできないカガチにできたたったひとつの抵抗は、叫ぶことだけだった。
とはいえ、十分間もその状況が続けば、クダンがしっかりと木々を避けて走っていることが逼迫している頭でも理解できたから、そのうちにカガチも楽しむ余裕を持てるようになってきた。
「……はっ、はは……あ、あはは、ははっ……!」
自然と零れてくる涙、そして掠れた笑い声――前言撤回。楽しんでいるわけではなかった。
カガチは恐怖と興奮で引き攣った笑い声を漏らしながら、森の中を背負われて進んでいった。背中から腋から冷たい汗でびっしょりで気絶してしまいたかったけれど、汗と涙以外の液体をけして漏らすまいという決意がカガチの意識を繋ぎ止めていた。
水団汁を飲み干さなければ良かった、と後悔先に立たないカガチ。
乙女の尊厳を懸けた戦いがいよいよ佳境を迎えようかというとき、視界が突然晴れた。森が終わったのだ――いや、少し違う。森の中のその一帯だけが切り拓かれていたのだった。
「カガチ、着いたぞ」
「お、おおぉ……」
「ははっ、そんなに感動したか」
「おぉ、お、しっこ……!」
「いますぐ降ろすから、あっちの茂みに走れ」
クダンがそう言うや、カガチをずっと支えていた見えない圧迫感が消える。突然だったので、カガチはクダンの背中からずり落ちかけた。反射的に両足を下ろすことができて無事に地面へ降り立ったのだけど、その着地時の衝撃が破裂寸前の膀胱を揺さぶる。尿意が波立つ。
「ううっうううぅ!!」
「分かった、俺が走る!」
もう一歩も動けないカガチに代って、クダンが全速力でその場を離れたのだった。
それから数分後、気疲れした様子のクダンと、すっきりしつつも恥ずかしげな顔のカガチは、村の中へと入っていった。
その日の朝、クダンは朝食の定番である土鰻の水団汁(水団は饂飩並みに捏ねて寝かせたもの)を食べながら、そう言った。
「む……ら……?」
小首を傾げたカガチに、クダンは土鰻と野菜の旨味が染みた水団をつるんと嚥下し、頷く。
「前にも話題に出したことがあったよな。憶えているか?」
「あっ……か、鏡になる、けっ、獣の……か、加工? し、して、くれるっ……と、ところ?」
「そう、それ。あのときはまだ、おまえの魔力操作に不安があったから連れて行かなかったが、いまなら大丈夫だろう……ってことで、どうだ?」
カガチは水団汁のお椀を置くと、すすっと居住まいを正してお辞儀した。
「おっ……師様! わ、わたしっ……む、村……い、行ってみたい……つ、連れてってくだっ、ください!」
「おう。出発はこの飯を食ったら、すぐだ。いいな?」
「あっ……」
カガチの眉がハの字になる。
「何か問題あったか?」
不思議に思ったクダンが聞き返すと、カガチは困り顔のまま、おずおずと告げた。
「あ、洗い物、が……」
「……悪ぃ。俺が間違えていた。出発は、洗い物が終わって一息吐いてから、だった」
「はっ、はい!」
カガチの眉が山なりになった。
ちなみに、カガチには「家事は内弟子の仕事」という一家言があって、スースに白い目で見られたクダンが手伝いを申し出ても、カガチは頑として断るのだった。
カガチは今日も今日とて、庭先の小川で食べ終わった後の食器を洗う。鼻歌を口ずさむカガチの頭には、髪に混ざって伸びてきたハート型の葉っぱが髪飾りのように鏤められている。葉に日差しを浴びていると元気が湧いてくるのだという。
「なかなか使いこなしているな」
葉を広げて光合成しているカガチの姿に、スースが感嘆している。
「割り切りが良いのは、若さだな」
自分の身体の非人間的な部分をさも当然のように活用している弟子の姿に、クダンはほんの少し、魔術師としての対抗心が刺激されるのを感じていた。
●
クダンが暮らす庵から村までは、森の中をまっすぐに突っ切って小一時間ほどかかる。といっても、これはクダンが本気で移動した場合の話だ。一般的な村人が歩くとしたら、その何倍もかかるだろう。
もっとも、一般的な村人は【混沌の森】を突っ切るようなことはしない。そんなことをすれば、森に入って三十分と待たずに魔物の餌となっているだろう。
では、そんな危険地帯【混沌の森】にある村とは一体どのような村なのか――。
カガチはこの上なく興味を掻き立てられていた。
「村までは俺がおまえを背負っていくぞ。そのほうが早い……というか、普通に歩いていたら、おまえの命が幾つあっても足りないからな」
いざ出発という段になって、クダンはカガチにそう告げた。
俺は平気だけど、おまえは弱いから――という意図を明け透けにぶつけられて、カガチは珍しく唇を尖らせた。
「わ、わたし……そっ、そんなに、よわっ、弱くないっ……で、です」
「ん? いやいや、おまえはこの森じゃまだ全然弱いぞ」
クダンはさらりと言い放った。
カガチは、そんなことないぞ、と言ってもらえるつもりだったのか――クダンの言葉に目を丸くしていた。
「っ……そっ……で、すか……」
カガチは一瞬、言い返したそうに息を鋭く吸い込んだものの、その息をぐっと呑み込んで、ぼそりと答えた。
まったく納得していません、と書いてある顔に、クダンはついつい笑ってしまう。それを見たカガチが、また馬鹿にされたと思って唇をますます尖らせると、それを見たクダンが吹き出すのを堪えて肩を震わせる――。
「――何をやっているのか、おまえらは。出かけるのなら、さっさと出かけよ」
「あだっ」
「あうっ」
鞭のように撓ったスースの二股尻尾が、師弟二人の頭を同時に叩いた。
「あ……そ、そういえばっ……スースは?」
「む、我輩? ……ああ、村へなら我輩は行かんぞ。我輩には我輩の予定があるからな」
「そっ、そうなんだ……」
「そうなのだ。まあ、土産を期待しておくぞ」
「んっ」
スースとのそんなやり取りも挟んで、クダンとカガチは外へ出た。
村への移動は結局、当初の予定通りに、クダンがカガチを背負って走ることになった。
「師匠の命令だ。いっぺん、俺の言った通りにしてみろ。その上で、自分で歩くほうがましだと思ったときは、言え。そこで下ろしてやるから」
クダンが師匠の権限を持ち出せば、カガチに否はなかった。
「さて……じゃあ、カガチ。持ち上げるぞ」
「は、はい……うわぁ!?」
カガチが驚きの声を上げたのは、クダンの言った「持ち上げる」の意味を勘違いしていたからだ。
てっきり、クダンがしゃがんだところに背中から抱きついて負ぶってもらうつもりだったのに、カガチの身体はその場で浮き上がったのだ。
まるで見えない大きな手で掴まれて持ち上げられたみたいな圧迫感に、カガチは咄嗟に身を捩って逃れようとしてしまう。
「暴れんなって。俺がやってるんだから、身を任せろ」
「あ、あぅ……ひゃい……」
クダンの苦笑にカガチも落ち着きを取り戻して、強張っていた身体を楽にさせた。
見えない手に持ち上げられたカガチは、ふわっと宙を浮いて、クダンの背中に着地した。
「こっちでも固定するが、いちおう自分でも掴まっておけよ。けっこう飛ばすから、振り落とされると洒落にならねぇんでな」
「は、はい」
「よし」
カガチの返事を確認したクダンは、意識を集中させる。
未だ魔力視に目覚めていない――あるいは素質のない――カガチには何となくしか分からなかったけれど、自身も含めたクダンの全身を見えない何かが覆っていくのを感じた。
そっと手を伸ばしてみても、何かにぶつかることはない。ただし、水や油の中に手を突っ込んだような抵抗を感じる――ような気がする。クダンが何かの魔術を使っているのだということは察せられたが、一体どんな魔術なのかは、カガチにはさっぱりだった。
だが、どのような効果を発する魔術なのかはすぐに分かった。身をもって体験できた。
「走るぞ。舌ぁ噛むなよ」
「はっ……い、いいぃ!? ひいいぃっ!!」
カガチの返事を待たずに走り出したクダンは、三歩目を踏み締めた時点で風になっていた。
「んううぅううぅ――ッ!!」
カガチのくぐもった悲鳴が、木々の合間に長い尾を曳きながら駆け抜けていく。
クダンの走る速度は、おそらくは馬と同程度だ。人間の出せる速度としては些かいかれているけれど、けして常軌を逸した速さではない――ただし、それが平野でのことならば。
木々の鬱蒼と生い茂る森の中を、平野を駆ける馬と同じ速度で疾駆するというのがどういうことなのかと言えば、
「きっ、ききっ! ききっ木いぃッ!!」
猿ではない。カガチだ。
身体を固定されて、超高速で眼前に迫ってくる木々の太い幹や張り出した枝葉を見ることしかできないカガチにできたたったひとつの抵抗は、叫ぶことだけだった。
とはいえ、十分間もその状況が続けば、クダンがしっかりと木々を避けて走っていることが逼迫している頭でも理解できたから、そのうちにカガチも楽しむ余裕を持てるようになってきた。
「……はっ、はは……あ、あはは、ははっ……!」
自然と零れてくる涙、そして掠れた笑い声――前言撤回。楽しんでいるわけではなかった。
カガチは恐怖と興奮で引き攣った笑い声を漏らしながら、森の中を背負われて進んでいった。背中から腋から冷たい汗でびっしょりで気絶してしまいたかったけれど、汗と涙以外の液体をけして漏らすまいという決意がカガチの意識を繋ぎ止めていた。
水団汁を飲み干さなければ良かった、と後悔先に立たないカガチ。
乙女の尊厳を懸けた戦いがいよいよ佳境を迎えようかというとき、視界が突然晴れた。森が終わったのだ――いや、少し違う。森の中のその一帯だけが切り拓かれていたのだった。
「カガチ、着いたぞ」
「お、おおぉ……」
「ははっ、そんなに感動したか」
「おぉ、お、しっこ……!」
「いますぐ降ろすから、あっちの茂みに走れ」
クダンがそう言うや、カガチをずっと支えていた見えない圧迫感が消える。突然だったので、カガチはクダンの背中からずり落ちかけた。反射的に両足を下ろすことができて無事に地面へ降り立ったのだけど、その着地時の衝撃が破裂寸前の膀胱を揺さぶる。尿意が波立つ。
「ううっうううぅ!!」
「分かった、俺が走る!」
もう一歩も動けないカガチに代って、クダンが全速力でその場を離れたのだった。
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