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淫魔召喚デリヘルガチャの超大当たり 1/2
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【召喚:悪魔】や、さらに専門化させた【召喚:淫魔】をデリヘル代わりに使うのは、わりと一般的な遊び方だ。というか、【召喚:淫魔】を持っているのはだいたい、淫魔デリヘルを楽しむためにこの技能を取った連中だった。
【悪魔召喚士】ユリアンもそんな連中の一人だ。
「いや、僕は単に【召喚】の幅を増やすためにやってみようと思っただけで、けしていやらしい目的だけで修得したわけではなく……というかほら、淫魔は力押しだと手強い相手にも有効な場合が多いって聞くから、実際、覚えたら戦力アップになると思うわけで――」
誰もいない宿の一室で言い訳を並べ立てながら、でも着々と召喚の準備を調えていくユリアン。明度が低くて黒に近い濃紺の髪をときどき手櫛で掻き上げるのは、緊張と興奮――というか高まる性欲を持て余しているからか。
この前やっと【使役:悪魔】技能を【召喚:悪魔】に昇位させて【悪魔召喚士】の称号を得たばかりなので、召喚のために必要な下準備には時間がかかっていた。
「……準備、これでよし」
視界に表示させている手引き書の通りに準備を終えて、ユリアンはひとつ大きく深呼吸する。
「ふぅ……よ、よし。やるぞ……!」
【召喚】技能を発動。
宿の床に敷いた布に今し方描いたばかりの直径一メートルほどの魔法陣。その輪郭が、ぼわっと青白く光ると、魔法陣の中央に置いていた触媒――巫女の着用済み下着、蝙蝠の羽根、食人花の雌蕊、魔石、魅了の呪符など――が光に包まれると、それら自体も白や朱色の光の粒子に変換されて渦巻き始める。
「おぉ……」
初めての召喚に、ユリアンの気分は否が応でも盛り上がる。
ユリアンが興奮した目で見据えるなか、何種類かの色が混ざった光はロゼワインのような淡い桜色になると竜巻のように伸び上がって、かっ、と一際強く輝いた。
「わ――」
反射的に目を瞑ったユリアンがゆっくり目を開けると、さっきまで光の竜巻があった魔法陣の上に、一人の女性がぺたりと座ってユリアンを見ていた。
「あ……え、と……初めまして……」
ユリアンはとりあえず挨拶したけれど、内心では焦りまくりだった。召喚するところまでは考えていたけれど、そこから具体的にどうするかを考えていなかったのだ。
召喚された悪魔は、盲目的に絶対服従してくれるわけではない。召喚者のほうが圧倒的に強いとか、特定の称号などを持っているとか、限定的に絶対服従を強制できる課金アイテムを触媒に使っているとかでもないかぎり、呼び出した対象に言うことをきいてもらうには交渉しないといけないのだ。
「はい、初めまして……うふ♥」
召喚された女性は艶然と頬笑んでユリアンを見つめた。
ユリアンも女性を見つめ返す。すると、女性の横にぼわっと吹き出しが表示されて、名前、種族、称号が読み取れた。
『名前:マルディグラ 種族:淫魔 称号:D級淫魔』
「やった――!」
ユリアンは拳を握って小さくガッツポーズ。
魔物の称号は往々にして等級を表している。最下級がFなので、Dはちょうど中間の等級ということになる。初めての召喚で、そこまで高価な触媒を使ったわけでもなく呼べた相手としては間違いなく当たりだった。
「あら、そんなに喜んでくれるの? どうせチェンジされると思ったのに」
そう言って睫をぱちくりと揺らす淫魔は、実際のところ等級だとか以前に、淫魔マルディグラは掛け値なしの美女だった。
艶やかに輝くピンクゴールの長い髪。瞳は大きく、睫は長く、顔は小さく、胸は大きく、腰は括れて、お尻はそこそこ。背中に翼はないようだけど、先っぽハートの黒い尻尾は電気コードのように細く、しなやか。身につけているのは身体に貼り付くような黒のボディコンドレスで、大いに露出した肌の白さを際立たせている。
男の欲を形にしたような肉感ボディなのに、座ってユリアンを見上げる顔は婀娜っぽい遊女のようにも、悪戯好きな仔猫のようにも見える。
「チェンジなんて! ないです、ない! すごい当たりです。今日の運、ここで使い果たしたって感じです!」
「あら……そこまで喜ばれると、ちょっと嘘臭いわね」
「嘘じゃないです! 俺、ガチャ運ないほうだと思ってましたけど、今日からガチャプロ名乗りますし!」
「あらあら……もっと嘘臭く聞こえるけど、あながち嘘でもないのが、ね♥」
「え?」
「あら、知らない? 【召喚】を覚えて最初に何かを呼び出すときには、本当にちょーっとだけど、いいものが出やすくなっているのよ」
「そうだったんですか。知りませんでした……っていうか、呼び出される側のお姉さんたちは、そういうガチャ事情が分かってるんですね」
「あ……これ、一応オフレコだったわ。ごめん、忘れて?」
「えー……あー、これはあれですか? 忘れてくれるなら何でもしてあげます、みたいな展開を期待してもいいんですか?」
「あらあらぁ……わたし、どんなことされちゃうのかしらぁ?」
マルディグラは円らな瞳を蠱惑的に細めると、胸元の大きく開いたボディコンドレスから剥き出しになっている二の腕で、豊満な乳房をむにゅりと寄せた。
最初からくっきりしていた胸の谷間がさらに深くなって、ユリアンの視線を問答無用で吸い寄せる。
「……!」
「ふふっ♥」
喉を鳴らしたユリアンへ見せつけるように、マルディグラは二の腕で寄せて上げてした乳房の北半球をたぷんたんぷんっと弾ませる。
「お、おぉ……!」
「あらあら、血走った目……いいのよ、来ても」
「ああっ、お姉さん!」
「きゃあん♥」
飛びかかってきたユリアンを巨乳で受け止めながらも、マルディグラは重力や慣性を感じさせない滑るような動きで、ぬるりと床からベッドに移動した。
【悪魔召喚士】ユリアンもそんな連中の一人だ。
「いや、僕は単に【召喚】の幅を増やすためにやってみようと思っただけで、けしていやらしい目的だけで修得したわけではなく……というかほら、淫魔は力押しだと手強い相手にも有効な場合が多いって聞くから、実際、覚えたら戦力アップになると思うわけで――」
誰もいない宿の一室で言い訳を並べ立てながら、でも着々と召喚の準備を調えていくユリアン。明度が低くて黒に近い濃紺の髪をときどき手櫛で掻き上げるのは、緊張と興奮――というか高まる性欲を持て余しているからか。
この前やっと【使役:悪魔】技能を【召喚:悪魔】に昇位させて【悪魔召喚士】の称号を得たばかりなので、召喚のために必要な下準備には時間がかかっていた。
「……準備、これでよし」
視界に表示させている手引き書の通りに準備を終えて、ユリアンはひとつ大きく深呼吸する。
「ふぅ……よ、よし。やるぞ……!」
【召喚】技能を発動。
宿の床に敷いた布に今し方描いたばかりの直径一メートルほどの魔法陣。その輪郭が、ぼわっと青白く光ると、魔法陣の中央に置いていた触媒――巫女の着用済み下着、蝙蝠の羽根、食人花の雌蕊、魔石、魅了の呪符など――が光に包まれると、それら自体も白や朱色の光の粒子に変換されて渦巻き始める。
「おぉ……」
初めての召喚に、ユリアンの気分は否が応でも盛り上がる。
ユリアンが興奮した目で見据えるなか、何種類かの色が混ざった光はロゼワインのような淡い桜色になると竜巻のように伸び上がって、かっ、と一際強く輝いた。
「わ――」
反射的に目を瞑ったユリアンがゆっくり目を開けると、さっきまで光の竜巻があった魔法陣の上に、一人の女性がぺたりと座ってユリアンを見ていた。
「あ……え、と……初めまして……」
ユリアンはとりあえず挨拶したけれど、内心では焦りまくりだった。召喚するところまでは考えていたけれど、そこから具体的にどうするかを考えていなかったのだ。
召喚された悪魔は、盲目的に絶対服従してくれるわけではない。召喚者のほうが圧倒的に強いとか、特定の称号などを持っているとか、限定的に絶対服従を強制できる課金アイテムを触媒に使っているとかでもないかぎり、呼び出した対象に言うことをきいてもらうには交渉しないといけないのだ。
「はい、初めまして……うふ♥」
召喚された女性は艶然と頬笑んでユリアンを見つめた。
ユリアンも女性を見つめ返す。すると、女性の横にぼわっと吹き出しが表示されて、名前、種族、称号が読み取れた。
『名前:マルディグラ 種族:淫魔 称号:D級淫魔』
「やった――!」
ユリアンは拳を握って小さくガッツポーズ。
魔物の称号は往々にして等級を表している。最下級がFなので、Dはちょうど中間の等級ということになる。初めての召喚で、そこまで高価な触媒を使ったわけでもなく呼べた相手としては間違いなく当たりだった。
「あら、そんなに喜んでくれるの? どうせチェンジされると思ったのに」
そう言って睫をぱちくりと揺らす淫魔は、実際のところ等級だとか以前に、淫魔マルディグラは掛け値なしの美女だった。
艶やかに輝くピンクゴールの長い髪。瞳は大きく、睫は長く、顔は小さく、胸は大きく、腰は括れて、お尻はそこそこ。背中に翼はないようだけど、先っぽハートの黒い尻尾は電気コードのように細く、しなやか。身につけているのは身体に貼り付くような黒のボディコンドレスで、大いに露出した肌の白さを際立たせている。
男の欲を形にしたような肉感ボディなのに、座ってユリアンを見上げる顔は婀娜っぽい遊女のようにも、悪戯好きな仔猫のようにも見える。
「チェンジなんて! ないです、ない! すごい当たりです。今日の運、ここで使い果たしたって感じです!」
「あら……そこまで喜ばれると、ちょっと嘘臭いわね」
「嘘じゃないです! 俺、ガチャ運ないほうだと思ってましたけど、今日からガチャプロ名乗りますし!」
「あらあら……もっと嘘臭く聞こえるけど、あながち嘘でもないのが、ね♥」
「え?」
「あら、知らない? 【召喚】を覚えて最初に何かを呼び出すときには、本当にちょーっとだけど、いいものが出やすくなっているのよ」
「そうだったんですか。知りませんでした……っていうか、呼び出される側のお姉さんたちは、そういうガチャ事情が分かってるんですね」
「あ……これ、一応オフレコだったわ。ごめん、忘れて?」
「えー……あー、これはあれですか? 忘れてくれるなら何でもしてあげます、みたいな展開を期待してもいいんですか?」
「あらあらぁ……わたし、どんなことされちゃうのかしらぁ?」
マルディグラは円らな瞳を蠱惑的に細めると、胸元の大きく開いたボディコンドレスから剥き出しになっている二の腕で、豊満な乳房をむにゅりと寄せた。
最初からくっきりしていた胸の谷間がさらに深くなって、ユリアンの視線を問答無用で吸い寄せる。
「……!」
「ふふっ♥」
喉を鳴らしたユリアンへ見せつけるように、マルディグラは二の腕で寄せて上げてした乳房の北半球をたぷんたんぷんっと弾ませる。
「お、おぉ……!」
「あらあら、血走った目……いいのよ、来ても」
「ああっ、お姉さん!」
「きゃあん♥」
飛びかかってきたユリアンを巨乳で受け止めながらも、マルディグラは重力や慣性を感じさせない滑るような動きで、ぬるりと床からベッドに移動した。
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