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元課金チーターと淫魔帝の祝福 5/5
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四人が折り重なるようにしてぐったりしていた時間は、そう長いものではなかったように思う。
最初に動き出したのは誰だったか――三人は誰からともなくログアウトしていった。最後に残されたユータも無言のままログアウトした。
そして翌日。
昨日交合ったのと同じ宿の部屋で、ラムチョップ、ヴルスト、サラダの三人は、ユータに土下座していた。
『申し訳ありませんでした!!』
三人揃っての謝罪に、ユータはかえって困った顔をする。
「いいよ、謝らなくて。あれは俺が食らった呪いのせいで魅了の状態異常が発動していたからで、みんなのせいじゃないんだからさ」
「いや、けどよ――」
「いいんだって!」
ヴルストの反論を遮って、ユータは項垂れながら懺悔する。
「……むしろ、謝らなきゃならないのは俺だよ。俺のせいで、みんなをこんなクエストに巻き込んじゃった……ごめん。でも、俺から離れれば、これからも普通にゲームできるはずだから。だから……」
その先を躊躇いなく言うことは、人間強度を失ったユータにはできかねた。だけどそれでも、言わねばならない。
この呪い【淫魔帝の祝福】は、重要NPC・賢女ワシリーサをバグらせてしまったことへの罰則みたいなものなのだろう。自分の浅はかさが起こしてしまった特殊クエストに、みんなを巻き込むわけにはいかない――
「舐めんなよ、ユータ」
ヴルストの押し殺した怒声が、ユータの思考を断ち切った。
さらに、ラムチョップとサラダが続く。
「我輩たちが、おまえを見捨てるとでも思ったであるか?」
「ゆーたんはここぞというときにヘタレさんですよねー」
顰めっ面だったり呆れ顔だったりする仲間たちに、ユータは戸惑う。
「え……なんで、みんな……え? いま、俺、言ったよね。俺といると、またおかしくなるって……俺といなければ問題なくなるって……」
「ああ、言ったな。けどな、それに対する答えなんぞ、言われなくても分かんだろ。っつか、分かれよ」
顰めっ面で吐き捨てたヴルストに、他の二人も大きく頷いている。
「ヴルスト、ラム、サラダ……いいの?」
ユータは胸の支えを吐き出すように、ただそれだけを告げる。
「ったりめぇだろ」
「勿論である」
「そういうことですっ」
口々に返ってきた肯定の答えは、ユータの視界をくしゃりと歪ませた。
「っ……あぁ……みんな、あ……ありっ……ありが、とっ……!」
感謝の言葉は嗚咽に呑まれ、視界を歪ませた涙が頬をぼたぼたと零れ落ちていく。
「ゆーたん!」
泣き出したユータを、両手を広げて飛び込んだサラダが抱き締めた。そして、他の二人にも呼びかける。
「ほらほらーっ、ヴルストとラムも!」
「……ったく、しゃあねぇな」
「青春であるな」
呼ばれた二人も、照れ笑いと苦笑いでサラダの両側からユータを抱擁する。
「みっ……みん、なっ……あ、あり、っと……」
「ユータって意外と感動症だよな」
止まらない涙に声を震わせるユータと、それを揶揄して笑うヴルスト。
「そういうゆーたんが、可愛いですよぅ」
「うむうむ」
ユータの髪に頬擦りするサラダと、見守るような笑顔のラムチョップ。
「みんな……!」
三人に囲まれて、ユータはいま、このゲームを始めてから一番の――いや、人生で一番の幸福感に身も心も包まれていた。
だから、気づけなかった。
ヴルストとラムチョップの股間が盛り上がっていたことに。サラダの内股が濡れそぼっていたことに。
ユータの解呪クエストは、いま始まったばかりである。
最初に動き出したのは誰だったか――三人は誰からともなくログアウトしていった。最後に残されたユータも無言のままログアウトした。
そして翌日。
昨日交合ったのと同じ宿の部屋で、ラムチョップ、ヴルスト、サラダの三人は、ユータに土下座していた。
『申し訳ありませんでした!!』
三人揃っての謝罪に、ユータはかえって困った顔をする。
「いいよ、謝らなくて。あれは俺が食らった呪いのせいで魅了の状態異常が発動していたからで、みんなのせいじゃないんだからさ」
「いや、けどよ――」
「いいんだって!」
ヴルストの反論を遮って、ユータは項垂れながら懺悔する。
「……むしろ、謝らなきゃならないのは俺だよ。俺のせいで、みんなをこんなクエストに巻き込んじゃった……ごめん。でも、俺から離れれば、これからも普通にゲームできるはずだから。だから……」
その先を躊躇いなく言うことは、人間強度を失ったユータにはできかねた。だけどそれでも、言わねばならない。
この呪い【淫魔帝の祝福】は、重要NPC・賢女ワシリーサをバグらせてしまったことへの罰則みたいなものなのだろう。自分の浅はかさが起こしてしまった特殊クエストに、みんなを巻き込むわけにはいかない――
「舐めんなよ、ユータ」
ヴルストの押し殺した怒声が、ユータの思考を断ち切った。
さらに、ラムチョップとサラダが続く。
「我輩たちが、おまえを見捨てるとでも思ったであるか?」
「ゆーたんはここぞというときにヘタレさんですよねー」
顰めっ面だったり呆れ顔だったりする仲間たちに、ユータは戸惑う。
「え……なんで、みんな……え? いま、俺、言ったよね。俺といると、またおかしくなるって……俺といなければ問題なくなるって……」
「ああ、言ったな。けどな、それに対する答えなんぞ、言われなくても分かんだろ。っつか、分かれよ」
顰めっ面で吐き捨てたヴルストに、他の二人も大きく頷いている。
「ヴルスト、ラム、サラダ……いいの?」
ユータは胸の支えを吐き出すように、ただそれだけを告げる。
「ったりめぇだろ」
「勿論である」
「そういうことですっ」
口々に返ってきた肯定の答えは、ユータの視界をくしゃりと歪ませた。
「っ……あぁ……みんな、あ……ありっ……ありが、とっ……!」
感謝の言葉は嗚咽に呑まれ、視界を歪ませた涙が頬をぼたぼたと零れ落ちていく。
「ゆーたん!」
泣き出したユータを、両手を広げて飛び込んだサラダが抱き締めた。そして、他の二人にも呼びかける。
「ほらほらーっ、ヴルストとラムも!」
「……ったく、しゃあねぇな」
「青春であるな」
呼ばれた二人も、照れ笑いと苦笑いでサラダの両側からユータを抱擁する。
「みっ……みん、なっ……あ、あり、っと……」
「ユータって意外と感動症だよな」
止まらない涙に声を震わせるユータと、それを揶揄して笑うヴルスト。
「そういうゆーたんが、可愛いですよぅ」
「うむうむ」
ユータの髪に頬擦りするサラダと、見守るような笑顔のラムチョップ。
「みんな……!」
三人に囲まれて、ユータはいま、このゲームを始めてから一番の――いや、人生で一番の幸福感に身も心も包まれていた。
だから、気づけなかった。
ヴルストとラムチョップの股間が盛り上がっていたことに。サラダの内股が濡れそぼっていたことに。
ユータの解呪クエストは、いま始まったばかりである。
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