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ちんぽサウナルームで、ちんぽの温活
世の中には、足湯というものがある。指湯というのさえ、ある。目にバターを注ぎ入れたり、耳にごま油を流し込んだりするマッサージもある。
ひとはそれだけ、身体の末梢部位を温めることにご執心する生き物なのだ。それが哺乳類、恒温動物の性なのだ。
――というわけで、身体の末梢中の末梢。剥き出しの内蔵とも言える男性器を温活しようというエステが雨後の筍よろしく流行り始めたのは、むしろ何故これまで流行らなかったのかと疑問になるほど当然のことだった。
さて、一口に「ちんぽの温活」と言っても、手法は色々だ。陰茎だけをお湯に漬ける“ちんぽ湯”もあれば、温めた油でちんぽを揉み込むオイルマッサージ系も多い。特にオイル系は、どんなオイルを使うか、手で揉み込むのか、はたまた油槽に漬け込むのか、流しかけるのか……など店ごとの特色が多岐に渡るのも特徴だ。
だが、この店は温浴ともオイル系とも違った形態のちんぽ温活サービスを提供していた。それこそが、ちんぽサウナである。
古来、風呂とは湯船に浸かることではなく、水蒸気を満たした部屋に籠もって汗を流すことを指した言葉だったという。湯呂でも水呂でもなく風呂なのは、そういう意味だ。
店舗内の施術室には美容院や歯医者にあるような寝椅子が設えてあって、被術者は下半身を脱衣して股間を露出させた格好で、そこに座る。生尻が椅子の座部に密着することになるので、そこには厚手のタオルが敷かれてあるのが一般的だ。ラブホのシーツよろしく、客毎にタオルを取り替えるわけである。
さて――今回の客は、鼻の下と顎先に短い髭を生やした三十前後のおじさまだ。顔に活力と威厳を同居させたナイスミドルだ。そんなイケオジが、上半身だけ会社帰りのスーツ姿で、下半身は脛毛と靴下を露わにした格好で、自らの愚息をさすさすと右手で扱いていた。
ちんぽが十分に隆起したところで、寝椅子の側に据えられていたレトロなパーマ器、あるいは炊飯器を逆さまにしたような形状の装置を、勃起した陰茎にすぽっと被せた。
男性器用の器具といえばオナホ型というのが相場だが、この機器は一般的なオナホ型よりもずっと大きい。その理由は、器具の内部に液槽が組み込まれているからだ。この機器は電気ポットのように液槽内の水を沸騰させて、その際に出る水蒸気を陰茎被覆部へと循環させることで、ちんぽを蒸気浴させる構造になっているのだ。
「んぅお……♡」
イケオジは声までイケボだった。
自慰で勃起させた陰茎を包み込む蒸気の優しい熱気に、おじさまは広角を緩ませる。口髭がゆらゆらと揺れる。
サウナ器に充填された水溶液は、水に各種の薬品を混ぜた特性の薬液だ。それが沸騰して立ち込めた水蒸気は、内包された薬用成分を陰部の粘膜に熱気とともに浸潤していく。その薬効は血行を良くして勃起の促進と維持をさせ、同時にリンパやら何やらをアレして老廃物をデトっていくとか、そういう感じのやつだ。
「ほおぉ……♡」
きっと職場ではそんな声も顔もしないのだろう、緩んだ仕草だ。せっかくの髭なのに、威厳も何もなくなっている。
「ふむ、もう少し……」
おじさまは独り言ちながら、寝椅子の手摺にある液晶パネルに指を滑らせて、サウナ器内部の水蒸気量を増やしていく。水蒸気は内部で回収されて液槽に戻され、再び加熱されて沸騰して――というように循環するので、水蒸気の噴霧量を増やしても液槽がすぐ空になってしまうということはない。さすがに永久機関とはいかないけれど、一回の施術時間くらいは全力稼働させても余裕で保つ。だから、このおじさまのように高圧高出力で楽しみたい客でも時間いっぱい大丈夫。安全安心優良店なのだ。
なお、ちょっと気の利いた店なら最初にちんぽを勃起させるとき用の機器なり施術者なりを用意しておくものだけど、この店にそんなものはなかった。あるのは手淫後の手を拭くためのウェットティッシュだけだった。
要するに、この店は「高圧ミストサウナのちんぽサウナ器をお安く楽しめます」が売りの店なのだ。セールスポイントのサウナ器以外はとってもチープなお店なのだった。
――というわけで、施術用の部屋も個室ではなく大部屋で、そこに幾つも並べられている寝椅子に下半身だけ裸になった会社帰りの男性たちが銘々に腰掛けており、その露出した陰茎にサウナ器を被せて寛いでいるのだった。
それはさながら胡獱の群れが日光浴しているかのような光景だった。
どんなナイスミドルでイケボのイケオジでも、サウナ中は結局どいつもトドなのだった。
ひとはそれだけ、身体の末梢部位を温めることにご執心する生き物なのだ。それが哺乳類、恒温動物の性なのだ。
――というわけで、身体の末梢中の末梢。剥き出しの内蔵とも言える男性器を温活しようというエステが雨後の筍よろしく流行り始めたのは、むしろ何故これまで流行らなかったのかと疑問になるほど当然のことだった。
さて、一口に「ちんぽの温活」と言っても、手法は色々だ。陰茎だけをお湯に漬ける“ちんぽ湯”もあれば、温めた油でちんぽを揉み込むオイルマッサージ系も多い。特にオイル系は、どんなオイルを使うか、手で揉み込むのか、はたまた油槽に漬け込むのか、流しかけるのか……など店ごとの特色が多岐に渡るのも特徴だ。
だが、この店は温浴ともオイル系とも違った形態のちんぽ温活サービスを提供していた。それこそが、ちんぽサウナである。
古来、風呂とは湯船に浸かることではなく、水蒸気を満たした部屋に籠もって汗を流すことを指した言葉だったという。湯呂でも水呂でもなく風呂なのは、そういう意味だ。
店舗内の施術室には美容院や歯医者にあるような寝椅子が設えてあって、被術者は下半身を脱衣して股間を露出させた格好で、そこに座る。生尻が椅子の座部に密着することになるので、そこには厚手のタオルが敷かれてあるのが一般的だ。ラブホのシーツよろしく、客毎にタオルを取り替えるわけである。
さて――今回の客は、鼻の下と顎先に短い髭を生やした三十前後のおじさまだ。顔に活力と威厳を同居させたナイスミドルだ。そんなイケオジが、上半身だけ会社帰りのスーツ姿で、下半身は脛毛と靴下を露わにした格好で、自らの愚息をさすさすと右手で扱いていた。
ちんぽが十分に隆起したところで、寝椅子の側に据えられていたレトロなパーマ器、あるいは炊飯器を逆さまにしたような形状の装置を、勃起した陰茎にすぽっと被せた。
男性器用の器具といえばオナホ型というのが相場だが、この機器は一般的なオナホ型よりもずっと大きい。その理由は、器具の内部に液槽が組み込まれているからだ。この機器は電気ポットのように液槽内の水を沸騰させて、その際に出る水蒸気を陰茎被覆部へと循環させることで、ちんぽを蒸気浴させる構造になっているのだ。
「んぅお……♡」
イケオジは声までイケボだった。
自慰で勃起させた陰茎を包み込む蒸気の優しい熱気に、おじさまは広角を緩ませる。口髭がゆらゆらと揺れる。
サウナ器に充填された水溶液は、水に各種の薬品を混ぜた特性の薬液だ。それが沸騰して立ち込めた水蒸気は、内包された薬用成分を陰部の粘膜に熱気とともに浸潤していく。その薬効は血行を良くして勃起の促進と維持をさせ、同時にリンパやら何やらをアレして老廃物をデトっていくとか、そういう感じのやつだ。
「ほおぉ……♡」
きっと職場ではそんな声も顔もしないのだろう、緩んだ仕草だ。せっかくの髭なのに、威厳も何もなくなっている。
「ふむ、もう少し……」
おじさまは独り言ちながら、寝椅子の手摺にある液晶パネルに指を滑らせて、サウナ器内部の水蒸気量を増やしていく。水蒸気は内部で回収されて液槽に戻され、再び加熱されて沸騰して――というように循環するので、水蒸気の噴霧量を増やしても液槽がすぐ空になってしまうということはない。さすがに永久機関とはいかないけれど、一回の施術時間くらいは全力稼働させても余裕で保つ。だから、このおじさまのように高圧高出力で楽しみたい客でも時間いっぱい大丈夫。安全安心優良店なのだ。
なお、ちょっと気の利いた店なら最初にちんぽを勃起させるとき用の機器なり施術者なりを用意しておくものだけど、この店にそんなものはなかった。あるのは手淫後の手を拭くためのウェットティッシュだけだった。
要するに、この店は「高圧ミストサウナのちんぽサウナ器をお安く楽しめます」が売りの店なのだ。セールスポイントのサウナ器以外はとってもチープなお店なのだった。
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