未定

京国芹佳

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一章

プロローグ

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 私立海西高等学校。東京都都心に位置するこの高校は、いわゆるマンモス校と呼ばれる学校で、毎年1000人以上の中学生がこの高校に進学を決める。人が多ければ個性も沢山というもので、一人たりとも同じ人など存在しないんだ。そして、700人もいれば多種多様な人たちが入学してくるというものだ。
 色恋を思い描く生徒。過去に苦悩を抱える生徒。人間関係に疲れた生徒。日常に退屈する生徒。
 その中でも、一風変わった生徒が一人。しかし、変わっていると言っても、見た目があからさまに派手であったり、奇抜な行動をとるわけでも無いのだ。だが、確かに彼は明らかに周りの生徒と一線を画していた。
 名前は「佐藤優斗」。上京したての高校生だ。
 
 人生の悩みを意外なひと言で解決させてしまうような彼。交友を深めていくにつれ、周囲の人は不思議な引力を持つ彼に惹かれていくのだった。
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