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一章
一話『入学』
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スウーっと深呼吸をして、朝の新鮮な空気を肺に取り込む。時刻は八時半を丁度過ぎたあたりで、上りかけの太陽が葉を透かしていた。鼻の奥をツンと冷たい空気が刺激したが不快感は無かった。
「うん、良い空気だ。」
痛快な音を踵から鳴らして、舞い散る桜の中僕は私立海西高校の門を跨いだ。一歩敷地に入ったところで少し立ち止まってみた。白い校舎を見上げてみる。まさに胸いっぱいの希望というやつを感じた。横を通り過ぎる人たちは僕を一瞥して何事もなかったかのように歩き去っていく。都会の寂しさを少し感じたが新たな文化に触れられて僕の心は冒険家の気分だった。
入学日和というやつだ。暑すぎず寒すぎず、涼しげな風が周辺一帯を取り込んでいた。空には所々、ちぎった綿あめのような雲が点在しているが、概ね快晴。むしろそれくらいの雲があったほうが風情があるというものだとすら思った。
今日は入学式。それは歓迎の儀式だ。あまりに常識化されたイベントすぎて本質を忘れている人が多いと思うが、入学式とは『歓迎』される式なのだ。自分が望んだところに行き、そこから歓迎されることほど嬉しいことはないだろう。僕は素直にこのイベントを待ち望んでいた。上京してきたばかりで、友人などは当然存在いないが、それだけ新しい出会いがあるということだ。人生には『変化』というスパイスが不可欠だ。勿論、古い友人を蔑ろにしろという訳ではないが、『出会い』は『変化』で、それは人の『未来』になる。世界は広いし、自分の交友関係を早い段階から決めつけてしまうのは少々勿体ない気がするというだけだ。
入学式と言うと緊張する人が多いかもしれないが、僕は心を躍らせていた。
「新入生の方はこちらに集まってくださーい」
遠くから呼びかける声が聞こえたので、俺は履きなれたスニーカーを奮い立たせ再び歩き出した。スキップでもしたい気分だ。
集合場所に着くと、二列で長蛇の列ができていた。全員自分と同じ制服を着ていて、同時に全員が新入生なのだと気づいた。地元の中学校ではせいぜい多くてもクラス10人程度の人口だったので、人の多さに驚いた。地元の住民で知らない人などいなかったが、ここにいる全員と知り合いになれるかと言われたら、正直なところ厳しいだろう。
先頭の方を目を凝らし見てみると、何やら簡易的な本人確認のようなものをしているらしい。しばらく並ばなければいけないと悟った僕は胸の高鳴りを鎮火させつつあった。
列の最後尾に並ぶと丁度真横に女子生徒が並んだ。髪型は肩にギリギリかからないくらいの長さで、毛先を軽く巻いていた。身長は160cmくらいで、表情は朗々としている。いかにも男子受けがよさそうな見た目だった。
「新入生?」
その女子生徒がこちらの視線に気づいたのか、話しかけてきた。
「そう。君も?」
観察していたことを悟られてしまい少し狼狽したが、落ち着いて僕はそう答えた。
「もちろんだよっ。まあ、ここに並んでて新入生じゃないなんてことないよね。ハハ」
「まあ、そうかも」
僕は相槌を小さく振った。
「....じゃあ、どこの中学校なのっ?」
「言っても分からないと思うな。青森から上京してきたんだ。」
「えー、青森から?!じゃあ、引っ越してきたの?」
「そうだよ。」
「標準語上手じゃんっ。練習してきたんでしょ。」
「いや、父さんが神奈川出身だから家では標準語だったんだ。だから自然に話せると思うよ。」
「へー!すごいね。」
「青森の人ってさ、毎日リンゴ食べてるでしょっ。フフ」
「いや、毎日は食べないよ。」
「まあ、そうだよね。冗談だよ。アハハ」
「うん。」
そう返事をすると、女子生徒がこちらの顔をまじまじと見てきた。
「なに?」
「いや、何となく気になってさ。君、あんまり空気とか読めないタイプ?」
「.....」
突然の指摘に僕は少し黙った。
「あ、いや全然嫌味とかで言ってるんじゃなくて、ただ聞いただけ!嫌なら答えなくていいから。」
「...あんまり考えたことないな、空気読むとか読まないとか。」
「ふーん。.....じゃあ私の冗談は最初から気づいてたの?」
「え、『林檎毎日食べてる』みたいなやつ?」
「うん、そう。...気づいてたんだ。」
「え、何かいけないことしてた?」
「いや何となくさ、君って愛想笑いとかしないんだね。ふつーさ、初対面の人が笑いながら話振ってきたら笑って返さないかなーと思って。」
「もしかして、そうした方がよかった?」
「ん?いや別にそういうわけじゃないよっ。ただマイペースなのかなぁって。」
「ああ、ならよかった。都会に来たばかりだから、あんまりノリとか分からないかも。」
「いやっ、全然気にしなくていいよ!。周りに無理やり合わせてると疲れちゃうもんね。」
「周りに合わせて疲れてるの?」
「うん、まあそうだね。友好な人間関係を保つためには時に我慢が必要なのだよ。」
「友好な人間関係ってそんなに必要かなぁ。」
「え?必要必要。当たり前じゃん。これから社会で生きていくんだからそういう処世術も時には必要だよっ。」
二人の間で少し沈黙が流れた。俺は少し彼女が話したことに対して考えていた。
「そういうものかな。」
「うん。じゃあ君は違うの?」
「そうだね。それで最終的に残るのって『虚しさ』じゃないかなって思って。」
「どういうこと?」
「えーとね、僕は物事の大切さって普遍的に決められないと思うんだ。例えば、『友達と恋人どっちが大切か』と聞かれても、『両方大切』としか僕は答えられないと思う。だって、時と場合によって物事の価値は変わるからね。でも、人生は選択しなきゃいけない時が必ずあるんだ。そんな時に辞書引いて計算して物事の優先度なんて考えてる暇ないでしょ。そんな時、僕は自分に問いてみるんだ。一般論とか他人からの評価とか関係ない。胸の奥に真っ先に浮かんできたイメージが自分にとって優先すべきことってだけなんだ。そして、俺の中では『現状無理をして仮初の友好関係を築く』ことよりも、『本心で話して気の合う友達を探す』の方が先に浮かんできたってだけだよ」
「......」
「あ!ごめん。いきなり説教みたいになって。嫌だったよね。」
「いや、そんなことないよっ。」
「ならよかった。もし気を遣って話すことが疲れるんだったらさ、俺には気を遣わなくていいよ。そもそもこっちも大した気なんか遣ってないしね。」
「うん、ありがとう。...実は私、今日緊張してたんだ。友達出来るかなって。だから良い風に見られようって理想の自分を固めて自分を偽ってた気がする。髪の毛も初めて巻いてたんだ!もし、このまま高校三年間を過ごしてたら後悔してたと思う。最初に話した人が君で良かったよ。」
「いえいえ、こちらこそ一緒に話せて楽しかったよ。」
「本当かな?」
「本当だよ。」
「.......」
横目で彼女を見ると、彼女は微かに頬を紅潮させていた。
「じゃあ、僕の友達第一号になってくれない?」
そう言い、俺は自分の右手を彼女に差し出した。
「うん。もちろんだよ、よろしくね。」
彼女は差し出した右手を一回り小さな手で恐る恐る握手してくれた。
こうして俺の東京友達第一号が誕生したのだった。
しかし、気づくと長蛇の列の順番は直前に迫っていて、俺たちはそろそろ別れを告げなければならなかった。
「もう僕行かなきゃ。」
「あ、私も。」
「じゃあ、またね。」
そう手を振って僕は歩き出した。
「ねえ!名前は?」
少し離れたところで彼女が話しかけてきた。
「佐藤優斗!。」
「そう!私は依田瑠衣!よろしくね優斗」
「こちらこそ。髪、似合ってるよ」
そうして僕たち二人はそれぞれの方向に歩き出して行った。
「うん、良い空気だ。」
痛快な音を踵から鳴らして、舞い散る桜の中僕は私立海西高校の門を跨いだ。一歩敷地に入ったところで少し立ち止まってみた。白い校舎を見上げてみる。まさに胸いっぱいの希望というやつを感じた。横を通り過ぎる人たちは僕を一瞥して何事もなかったかのように歩き去っていく。都会の寂しさを少し感じたが新たな文化に触れられて僕の心は冒険家の気分だった。
入学日和というやつだ。暑すぎず寒すぎず、涼しげな風が周辺一帯を取り込んでいた。空には所々、ちぎった綿あめのような雲が点在しているが、概ね快晴。むしろそれくらいの雲があったほうが風情があるというものだとすら思った。
今日は入学式。それは歓迎の儀式だ。あまりに常識化されたイベントすぎて本質を忘れている人が多いと思うが、入学式とは『歓迎』される式なのだ。自分が望んだところに行き、そこから歓迎されることほど嬉しいことはないだろう。僕は素直にこのイベントを待ち望んでいた。上京してきたばかりで、友人などは当然存在いないが、それだけ新しい出会いがあるということだ。人生には『変化』というスパイスが不可欠だ。勿論、古い友人を蔑ろにしろという訳ではないが、『出会い』は『変化』で、それは人の『未来』になる。世界は広いし、自分の交友関係を早い段階から決めつけてしまうのは少々勿体ない気がするというだけだ。
入学式と言うと緊張する人が多いかもしれないが、僕は心を躍らせていた。
「新入生の方はこちらに集まってくださーい」
遠くから呼びかける声が聞こえたので、俺は履きなれたスニーカーを奮い立たせ再び歩き出した。スキップでもしたい気分だ。
集合場所に着くと、二列で長蛇の列ができていた。全員自分と同じ制服を着ていて、同時に全員が新入生なのだと気づいた。地元の中学校ではせいぜい多くてもクラス10人程度の人口だったので、人の多さに驚いた。地元の住民で知らない人などいなかったが、ここにいる全員と知り合いになれるかと言われたら、正直なところ厳しいだろう。
先頭の方を目を凝らし見てみると、何やら簡易的な本人確認のようなものをしているらしい。しばらく並ばなければいけないと悟った僕は胸の高鳴りを鎮火させつつあった。
列の最後尾に並ぶと丁度真横に女子生徒が並んだ。髪型は肩にギリギリかからないくらいの長さで、毛先を軽く巻いていた。身長は160cmくらいで、表情は朗々としている。いかにも男子受けがよさそうな見た目だった。
「新入生?」
その女子生徒がこちらの視線に気づいたのか、話しかけてきた。
「そう。君も?」
観察していたことを悟られてしまい少し狼狽したが、落ち着いて僕はそう答えた。
「もちろんだよっ。まあ、ここに並んでて新入生じゃないなんてことないよね。ハハ」
「まあ、そうかも」
僕は相槌を小さく振った。
「....じゃあ、どこの中学校なのっ?」
「言っても分からないと思うな。青森から上京してきたんだ。」
「えー、青森から?!じゃあ、引っ越してきたの?」
「そうだよ。」
「標準語上手じゃんっ。練習してきたんでしょ。」
「いや、父さんが神奈川出身だから家では標準語だったんだ。だから自然に話せると思うよ。」
「へー!すごいね。」
「青森の人ってさ、毎日リンゴ食べてるでしょっ。フフ」
「いや、毎日は食べないよ。」
「まあ、そうだよね。冗談だよ。アハハ」
「うん。」
そう返事をすると、女子生徒がこちらの顔をまじまじと見てきた。
「なに?」
「いや、何となく気になってさ。君、あんまり空気とか読めないタイプ?」
「.....」
突然の指摘に僕は少し黙った。
「あ、いや全然嫌味とかで言ってるんじゃなくて、ただ聞いただけ!嫌なら答えなくていいから。」
「...あんまり考えたことないな、空気読むとか読まないとか。」
「ふーん。.....じゃあ私の冗談は最初から気づいてたの?」
「え、『林檎毎日食べてる』みたいなやつ?」
「うん、そう。...気づいてたんだ。」
「え、何かいけないことしてた?」
「いや何となくさ、君って愛想笑いとかしないんだね。ふつーさ、初対面の人が笑いながら話振ってきたら笑って返さないかなーと思って。」
「もしかして、そうした方がよかった?」
「ん?いや別にそういうわけじゃないよっ。ただマイペースなのかなぁって。」
「ああ、ならよかった。都会に来たばかりだから、あんまりノリとか分からないかも。」
「いやっ、全然気にしなくていいよ!。周りに無理やり合わせてると疲れちゃうもんね。」
「周りに合わせて疲れてるの?」
「うん、まあそうだね。友好な人間関係を保つためには時に我慢が必要なのだよ。」
「友好な人間関係ってそんなに必要かなぁ。」
「え?必要必要。当たり前じゃん。これから社会で生きていくんだからそういう処世術も時には必要だよっ。」
二人の間で少し沈黙が流れた。俺は少し彼女が話したことに対して考えていた。
「そういうものかな。」
「うん。じゃあ君は違うの?」
「そうだね。それで最終的に残るのって『虚しさ』じゃないかなって思って。」
「どういうこと?」
「えーとね、僕は物事の大切さって普遍的に決められないと思うんだ。例えば、『友達と恋人どっちが大切か』と聞かれても、『両方大切』としか僕は答えられないと思う。だって、時と場合によって物事の価値は変わるからね。でも、人生は選択しなきゃいけない時が必ずあるんだ。そんな時に辞書引いて計算して物事の優先度なんて考えてる暇ないでしょ。そんな時、僕は自分に問いてみるんだ。一般論とか他人からの評価とか関係ない。胸の奥に真っ先に浮かんできたイメージが自分にとって優先すべきことってだけなんだ。そして、俺の中では『現状無理をして仮初の友好関係を築く』ことよりも、『本心で話して気の合う友達を探す』の方が先に浮かんできたってだけだよ」
「......」
「あ!ごめん。いきなり説教みたいになって。嫌だったよね。」
「いや、そんなことないよっ。」
「ならよかった。もし気を遣って話すことが疲れるんだったらさ、俺には気を遣わなくていいよ。そもそもこっちも大した気なんか遣ってないしね。」
「うん、ありがとう。...実は私、今日緊張してたんだ。友達出来るかなって。だから良い風に見られようって理想の自分を固めて自分を偽ってた気がする。髪の毛も初めて巻いてたんだ!もし、このまま高校三年間を過ごしてたら後悔してたと思う。最初に話した人が君で良かったよ。」
「いえいえ、こちらこそ一緒に話せて楽しかったよ。」
「本当かな?」
「本当だよ。」
「.......」
横目で彼女を見ると、彼女は微かに頬を紅潮させていた。
「じゃあ、僕の友達第一号になってくれない?」
そう言い、俺は自分の右手を彼女に差し出した。
「うん。もちろんだよ、よろしくね。」
彼女は差し出した右手を一回り小さな手で恐る恐る握手してくれた。
こうして俺の東京友達第一号が誕生したのだった。
しかし、気づくと長蛇の列の順番は直前に迫っていて、俺たちはそろそろ別れを告げなければならなかった。
「もう僕行かなきゃ。」
「あ、私も。」
「じゃあ、またね。」
そう手を振って僕は歩き出した。
「ねえ!名前は?」
少し離れたところで彼女が話しかけてきた。
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