未定

京国芹佳

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一章

二話『クラス』

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 入学式も程ほどに、僕たち新一年生はぞろぞろと体育館から出始めていた。まだ春先といえど熱気が籠った体育館はそれなりに暑く、退屈な入学式も相まって、みんな早く出たがっているようだった。
 僕も人の流れに乗って外に出る。外へ出て周りを見渡すと、なにやら校舎の奥に人が集まっているようだった。正直、自分も式の後半の話は良く聞いておらず、次の指示を聞き逃してしまっていたので、何故そこに人が集まっているのかなど見当もつかなかった。

「同じクラスになれるといーね。」
「ねー」

 隣を通り過ぎた女子二人から、そんな会話が聞こえてきた。なるほど。おそらく、クラス発表の掲示板などに人が群がっているのだろう。謎が解けたことに一人満足して僕も掲示板に向かうことにした。
 掲示板にはA~Qのクラスが掲示されていた。指で数えながらABCの歌を歌ってみる。
「ABCDEFGHIJKLMNOPQ。17クラスか。」
 やはりマンモス校なだけあってクラス数も異次元だ。中学校ではクラス数どころか1クラスしかなかったのだ。それも10人程度。もともと人数が多いことは知っていたが、クラス数という馴染みのある感覚で実感したことで、あらためて僕は都会の凄さに驚いていた。
 
 自分の苗字を名簿から探してみる。クラスが多いのでほーうページでも自分のクラスが確認できるようだったが、僕は掲示板から探すことにした。その方が風情があるというものだ。見つけるのに時間がかかるかと思ったが意外と僕の苗字は早く見つかってしまった。
「A組の17番か。」
 クラスが分かったら、教室に集合するようだ。僕は教室の場所を掲示板から確認し、そそくさと移動した。校舎の三階の一番奥。下駄箱から一番遠い位置にある教室だ。道中、沢山の生徒を通り過ぎていき楽しみながら移動できたが、実際毎朝この距離を歩くのかと思うと少し憂鬱に思えた。
 やっと教室前に着くと、既にドアは開けられていた。個人的には初めて教室に入るとは、ガラガラとドアを開けてこれから待つ未来に期待を抱き歩き出して行きたかったのだが、流石にわざわざ閉めて入りなおす訳にもいかないし、それはそれでなんだか良くない。
 若干楽落胆しながら、そんなことを考えていると、僕の右足は既に教室の中に踏み込んでしまっていた。
 
「はあ。」
 軽くため息をついた。
 
 教室の中には様々な人がいた。近くの席と話す人から、一人で読書をしている人など。この中の人たちが未来の友達になるのかと思うと少し落ち込んでいた心が報われた。黒板に書かれた座席表を見て、自分の席に座る。単純な出席番号順のようだ。
 まだ自分の席周辺の人は来ておらず、特にすることもないので、僕は机に突っ伏した。中学の頃の木目が入った木の机とは違い、金属質の白い机の質感を頬から感じ少しホームシックになったが、しばらくするとその冷たさも心地よく感じ、僕は知らず知らずの内に眠りについていた。
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