54 / 128
第四章 青い炎は恵みの雨を受ける
第10話
しおりを挟む
「んー……。昨日の図書館での勉強はあんまりはかどらなかったな~って思ってさ……」
昼休み、颯希たちはいつものようにお弁当を広げながら談笑していた。そこへ、静也がいつもと様子が違うので雄太が何かあったのかを聞いたところ、そんな言葉をポツリと呟く。
あの後、颯希と静也は図書館に行ったが、玲奈が一緒にいた男や友成のことが気になって、予定していた勉強会にうまく身が入らなかった。美優たちが心配して、何かをあったか聞いてきたので颯希が昨日の出来事を説明する。
「……成程ね。確かに気になる話ね」
亜里沙が話を聞いて声を出す。
「でもさ、事件ってわけじゃないだろ?あんまり他人の事情に首を挟まない方がいいんじゃないか?」
来斗がもっともな言葉を言う。
でも、確かにその通りだった。この件に関しては颯希たちが間に入ることじゃない。でも、颯希の中でなんだか嫌な予感が拭えない。颯希が声を掛けた男にも釘を刺されている。しかし、大河の知っている玲奈が実は偽りの姿だとしたら、それは大河にとってあまり良くないことのように思える。それに、玲奈と一緒にいた男が玲奈の浮気相手だとしたら、それは大河に対する裏切り行為だ。もしかしたら、玲奈は大河のことが好きと言うわけではなく、何か裏があるのかもしれない。そう考えてしまう。
「……なんとなくですが、なんだかとんでもないことが起きるような気がするのです……」
颯希の中で嫌な予感が拭えない。
このまま知らぬ顔をしていていいのか?
そんな感情が渦巻いていた……。
――――カタカタカタ……。
静かな部屋にパソコンのキーボードを叩いている音が響く。
「……よし、解除出来た。次は……」
友成が小さく呟く。
あれから、友成はパソコンとにらめっこをしながら彰人に教わった玲奈の携帯番号を元にいろいろな情報を探っていた。
友成はパソコンのスキルをいろいろ持っていて、番号が分かればその番号を頼りに色々調べることができるほどの高いスキルを持っている。玲奈の番号からパスワード等を解除し調べていく。
「あの女のことだから、あの事もどこかに書き込んでいるはずだ……」
「あの事」が書かれてありそうなサイトを調べていく。しかし、大半が普通のチャットやメールのやり取りばかりでなかなか見当たらない。しかし、諦めてたまるかとでも言うように根気よく探していく。
すると、玲奈があるサイトによくアクセスをしていることが分かった。
裏サイトの一つで陰口や悪口の書き込みがされている、いわゆる裏アカウントで行うサイトのことだ。それを見つけ出し、玲奈の裏アカウントのコメントを調べる。
「ユーザー名は『高嶺の勝ち組女子』か……。あの女が使いそうな名前だな……」
小さく吐き捨てるように呟く。
そして、そこに書き込みされているつぶやきを一つ一つ目で追っていく。そこに書かれてあるつぶやきを見て友成が吐き気のようなものを覚える。最近だと、相手の母親であろう人の悪口や、相手のことの悪口も書かれている。他にも誰かは書かれていないが、彰人のことだろうと思われる書き込みもしてある。彰人とのことで悪くは書かれていないが、そのつぶやきで玲奈が浮かれていることが手に取るように分かる。
「笑っていられるのも今だけだ……」
不気味な笑みを浮かべながら友成が小さく言葉を吐く。
――――ピコン!
友成のスマートフォンが響いた。開けると、彰人からメールが来ている。
『あの女、あれから何度もメッセージを送ってくるぜ?まぁ、怪しまれないように返事はしているがな。中には料理上手なことをアピールしているのか、『彰人さんのためにお料理の勉強中です』みたいなコメントと一緒に写真を送ってきたりするからキモっ!って感じだぜ。女子力高いですアピールみたいだよ』
そんな内容が送られてきて、友成が心の中で玲奈を馬鹿にするような言葉を吐く。
(あの女、見栄っ張りのところは相変わらずみたいだな……)
そして、再びパソコンに向き合い、裏アカウントに書かれてあるつぶやきを読んでいった。
「ただいまー」
「お帰りなさい、大河さん」
仕事を終えて帰って来た大河に玲奈が返事をする。
「あれ?何か嬉しいことがあったの?すごくご機嫌だね」
嬉しそうな表情の玲奈に大河が聞く。
「あら、そうですか?きっと、大河さんが帰ってきて嬉しいから表情に出たのでしょうか?」
玲奈が平気で嘘を吐くような言葉を言う。でも、大河は全く気付かずに玲奈の言葉を素直に信じている。
「あっ、夕飯、出来ていますよ」
玲奈がそう言い、テーブルに夕飯の料理を並べる。ちょっと手の込んだサラダにチキンステーキ、野菜がたくさん入ったスープが食卓に並べられた。でも、この料理は大河のために作ったのではなく、彰人にアピールするための料理だ。
そんなことを知らない大河は美味しそうに料理を口に運んでいく。
「そうだ、玲奈さん、今度の日曜日なんだけど……」
夕飯を食べながら大河が話を振った。
「母から連絡が来てね、久々に実家に顔を出そうと思うんだ。良かったら玲奈さんも一緒にどうぞって言ってくれてるんだよ。夕飯も用意してくれるって。どうかな?」
「えっと……、そうね……」
玲奈が少し言葉を詰まらす。玲奈の中であの母親に会うことは何よりも苦痛だからだ。また、小言や『工藤家の女たる者』の話を聞かされるかもしれない。
「ごめんなさい。その日は久々にこっちに遊びに来る女友達と会う予定があるの。だから、今回は止めておきます。本当にごめんなさいね……」
玲奈が申し訳ない顔で大河の誘いを断る。勿論、そんな予定は全くない。しかし、玲奈の中でチャンスだと思い、顔に嬉しさが滲み出ている。
(ふふっ、後で彰人さんに連絡しようっと……)
そう心の中で呟くと、何もないかのように食事を楽しんでいった。
昼休み、颯希たちはいつものようにお弁当を広げながら談笑していた。そこへ、静也がいつもと様子が違うので雄太が何かあったのかを聞いたところ、そんな言葉をポツリと呟く。
あの後、颯希と静也は図書館に行ったが、玲奈が一緒にいた男や友成のことが気になって、予定していた勉強会にうまく身が入らなかった。美優たちが心配して、何かをあったか聞いてきたので颯希が昨日の出来事を説明する。
「……成程ね。確かに気になる話ね」
亜里沙が話を聞いて声を出す。
「でもさ、事件ってわけじゃないだろ?あんまり他人の事情に首を挟まない方がいいんじゃないか?」
来斗がもっともな言葉を言う。
でも、確かにその通りだった。この件に関しては颯希たちが間に入ることじゃない。でも、颯希の中でなんだか嫌な予感が拭えない。颯希が声を掛けた男にも釘を刺されている。しかし、大河の知っている玲奈が実は偽りの姿だとしたら、それは大河にとってあまり良くないことのように思える。それに、玲奈と一緒にいた男が玲奈の浮気相手だとしたら、それは大河に対する裏切り行為だ。もしかしたら、玲奈は大河のことが好きと言うわけではなく、何か裏があるのかもしれない。そう考えてしまう。
「……なんとなくですが、なんだかとんでもないことが起きるような気がするのです……」
颯希の中で嫌な予感が拭えない。
このまま知らぬ顔をしていていいのか?
そんな感情が渦巻いていた……。
――――カタカタカタ……。
静かな部屋にパソコンのキーボードを叩いている音が響く。
「……よし、解除出来た。次は……」
友成が小さく呟く。
あれから、友成はパソコンとにらめっこをしながら彰人に教わった玲奈の携帯番号を元にいろいろな情報を探っていた。
友成はパソコンのスキルをいろいろ持っていて、番号が分かればその番号を頼りに色々調べることができるほどの高いスキルを持っている。玲奈の番号からパスワード等を解除し調べていく。
「あの女のことだから、あの事もどこかに書き込んでいるはずだ……」
「あの事」が書かれてありそうなサイトを調べていく。しかし、大半が普通のチャットやメールのやり取りばかりでなかなか見当たらない。しかし、諦めてたまるかとでも言うように根気よく探していく。
すると、玲奈があるサイトによくアクセスをしていることが分かった。
裏サイトの一つで陰口や悪口の書き込みがされている、いわゆる裏アカウントで行うサイトのことだ。それを見つけ出し、玲奈の裏アカウントのコメントを調べる。
「ユーザー名は『高嶺の勝ち組女子』か……。あの女が使いそうな名前だな……」
小さく吐き捨てるように呟く。
そして、そこに書き込みされているつぶやきを一つ一つ目で追っていく。そこに書かれてあるつぶやきを見て友成が吐き気のようなものを覚える。最近だと、相手の母親であろう人の悪口や、相手のことの悪口も書かれている。他にも誰かは書かれていないが、彰人のことだろうと思われる書き込みもしてある。彰人とのことで悪くは書かれていないが、そのつぶやきで玲奈が浮かれていることが手に取るように分かる。
「笑っていられるのも今だけだ……」
不気味な笑みを浮かべながら友成が小さく言葉を吐く。
――――ピコン!
友成のスマートフォンが響いた。開けると、彰人からメールが来ている。
『あの女、あれから何度もメッセージを送ってくるぜ?まぁ、怪しまれないように返事はしているがな。中には料理上手なことをアピールしているのか、『彰人さんのためにお料理の勉強中です』みたいなコメントと一緒に写真を送ってきたりするからキモっ!って感じだぜ。女子力高いですアピールみたいだよ』
そんな内容が送られてきて、友成が心の中で玲奈を馬鹿にするような言葉を吐く。
(あの女、見栄っ張りのところは相変わらずみたいだな……)
そして、再びパソコンに向き合い、裏アカウントに書かれてあるつぶやきを読んでいった。
「ただいまー」
「お帰りなさい、大河さん」
仕事を終えて帰って来た大河に玲奈が返事をする。
「あれ?何か嬉しいことがあったの?すごくご機嫌だね」
嬉しそうな表情の玲奈に大河が聞く。
「あら、そうですか?きっと、大河さんが帰ってきて嬉しいから表情に出たのでしょうか?」
玲奈が平気で嘘を吐くような言葉を言う。でも、大河は全く気付かずに玲奈の言葉を素直に信じている。
「あっ、夕飯、出来ていますよ」
玲奈がそう言い、テーブルに夕飯の料理を並べる。ちょっと手の込んだサラダにチキンステーキ、野菜がたくさん入ったスープが食卓に並べられた。でも、この料理は大河のために作ったのではなく、彰人にアピールするための料理だ。
そんなことを知らない大河は美味しそうに料理を口に運んでいく。
「そうだ、玲奈さん、今度の日曜日なんだけど……」
夕飯を食べながら大河が話を振った。
「母から連絡が来てね、久々に実家に顔を出そうと思うんだ。良かったら玲奈さんも一緒にどうぞって言ってくれてるんだよ。夕飯も用意してくれるって。どうかな?」
「えっと……、そうね……」
玲奈が少し言葉を詰まらす。玲奈の中であの母親に会うことは何よりも苦痛だからだ。また、小言や『工藤家の女たる者』の話を聞かされるかもしれない。
「ごめんなさい。その日は久々にこっちに遊びに来る女友達と会う予定があるの。だから、今回は止めておきます。本当にごめんなさいね……」
玲奈が申し訳ない顔で大河の誘いを断る。勿論、そんな予定は全くない。しかし、玲奈の中でチャンスだと思い、顔に嬉しさが滲み出ている。
(ふふっ、後で彰人さんに連絡しようっと……)
そう心の中で呟くと、何もないかのように食事を楽しんでいった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました
ぽこぺん
ファンタジー
転生の間で人間以外の種族も選べることに気付いた主人公
某人気小説のようにスライムに転生して無双しようとするも手違いでゴブリンに転生
さらにスキルボーナスで身に着けた聖魔法は魔物の体には相性が悪くダメージが入ることが判明
これは不遇な生い立ちにめげず強く前向き生きる一匹のゴブリンの物語
(基本的に戦闘はありません、誰かが不幸になることもありません)
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
社畜OLが学園系乙女ゲームの世界に転生したらモブでした。
星名柚花
恋愛
野々原悠理は高校進学に伴って一人暮らしを始めた。
引越し先のアパートで出会ったのは、見覚えのある男子高校生。
見覚えがあるといっても、それは液晶画面越しの話。
つまり彼は二次元の世界の住人であるはずだった。
ここが前世で遊んでいた学園系乙女ゲームの世界だと知り、愕然とする悠理。
しかし、ヒロインが転入してくるまであと一年ある。
その間、悠理はヒロインの代理を務めようと奮闘するけれど、乙女ゲームの世界はなかなかモブに厳しいようで…?
果たして悠理は無事攻略キャラたちと仲良くなれるのか!?
※たまにシリアスですが、基本は明るいラブコメです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる