はい!こちら、中学生パトロール隊です!!

華ノ月

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最終章 そして、白い鳥たちは大空へ向かう

第19話

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「木津さん!!消防車が到着しました!!」

 消防車が消火活動に当たる。

「無事でいてくれよ……」

 木津が颯希たちの安否を祈る。

 消火器が撒かれて、火が少しずつ弱まっていく。


 ――――ドォォーーーーン!!


 しばらく消火活動が続き、一時間くらい経ったところで建物が崩れる音が響く。

 そして、消防隊員による消火活動で火は完全に鎮火された。

「颯希ちゃん!!静也くん!!」

 木津が大声で叫びながら颯希たちを探す。呉野や消防隊も声を出したり、がれきをどけたりして捜索活動を行う。



 少し前の時間。

「う……静也……くん……?」

 颯希がゆっくりと目を覚ます。

「大丈夫か?!颯希!!」

 静也が颯希の頬を叩いたりして必死で問いかける。

「……静也くん!!うっ……!!」

 完全に目を覚ましたのか、颯希が大きな声を上げる。それと同時に頭に鈍い痛みが走る。

「大丈夫か?!」

 静也が心配そうに声を掛ける。

「……大丈夫です。ところでここは?」

 颯希が辺りを見回して窓もない場所に自分たちがいることが分かり声を出す。

「地下の備蓄庫らしいぜ?懐中電灯もあったからそれで明かりを付けてる」

「そうなんですね……」

 静也が見つけたのは地下に通じる備蓄庫だった。かなり深く作られているのか、入り口を閉めたら火は入ってこない。その上、かなり深く作ってあるお陰でそんなに暑さも感じられなかった。

 その時だった。


 ――――ドォォーーーーン!!


 大きな音が響く。

「何の音?!」

 音に颯希が驚いて声を上げる。

「まさか……さっきの放火で建物が崩壊したんじゃ……」

 颯希たちが階段を駆け上がり、扉を開けようとするが扉はビクともしない。

 その時。

「……颯希ちゃーん……静也くーん」

 声はかなり小さいが誰かが自分たちを呼んでいる声が聞こえる。


 ――――ドンドンドンっ!!


「ここです!!」
「ここだ!!」

 颯希と静也がドアを叩いて自分たちの居場所を知らせようとする。しかし、拳で叩いたぐらいでは音が聞こえないのか、気付く気配がない。

「先程の備蓄庫に何かドアをこじ開けられるものがあるかもしれません!探してみましょう!!」

 颯希の言葉で静也と共に備蓄庫に何か自分たちがここにいるというのを知らせるものがないかを探す。

「……静也くん!!これ!!」

 そう言って颯希が鉄パイプを指差した。



「颯希ちゃーん!!静也くーん!!」

 外では木津たちの必死の捜索が続けられている。

 その時だった。


 ――――ドォーン……!ドォーン……!


 音が響き、木津たちがその音の方に行く。


 ――――ドォーン……!ドォーン……!


 その音は崩れたがれきの下から聞こえてきた。

 木津たちがその場所のがれきをどけると、地面に張り付けられている感じで扉がある。音がそこから響いていることが分かり、その扉を大人数人がかりでこじ開ける。

「「「せーのっ!」」」


 ――――ギギッ……ガシャーン!!!


 大きな音がして、扉が開いた。

 すると、そこには……。

「颯希ちゃん!静也くん!」

 二人が生きていることが分かり、木津と呉野がホッと胸を撫で下ろす。そして、二人を引き上げた。

「無事だったんだね!良かったよ!」

「あぁ、本当にな」

 木津と呉野がそれぞれ安心して言葉を綴る。

 その後、颯希と静也は念のため病院に行き、検査を受けることになった。検査の結果、特に問題は無いという事で、怪我や火傷の手当てをしてもらい、病院を後にする。

 病院は木津と呉野が送っていき、帰りも送って貰うことになった。

「……そういえば、木津さんと呉野さんは何故あそこにいたのですか?」

 呉野の運手する車の中で颯希がそう尋ねる。

「あぁ、実はな……」

 木津がそう言って、ある事を話す。その話に颯希と静也が驚いた表情をする。

「木津さん、呉野さん。お願いがあります……」

 話を聞いた颯希が木津と呉野にある事をお願いした。



「ちょっと、いいかな?」

 誠がそう言って署長室にある人物を呼んだ。

 署長室で対面になるように座ると、呼び出された人物が口を開く。

「なんでしょうか?結城署長」

「単刀直入に聞く。十二年前の放火事件を捜査しないように指示したのは君だね?神谷崎かみやざき副署長」

 誠の言葉に神谷崎は一瞬驚きの表情をするが、直ぐに戻し、冷静な口調で返事をする。

「私には何のことかさっぱりわかりません。その事件に私は関与致しておりませんよ?」

 神谷崎が冷静な口調でそう言葉を綴る。

 その時だった。


「証拠ならあります」

 部屋に入ってきた颯希がそう言葉を放った。



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