116 / 128
~番外編~ 夏の花は優しい日差しに包まれる
第10話
しおりを挟む
日曜日の昼になって、昨日の事で落ち込んでいる芹香を元気付けようと芽衣と真奈美は芹香を誘った。カフェで丸いテーブルを囲むように座る。
「………ご心配おかけしました」
芹香が第一声の言葉を綴る。
「まあ、とりあえず無事だったんだから良かったんじゃない?」
ホットミルクティーを飲みながら芽衣が言う。
「全く………、本当に危機感が足りないわね。そういうところは昔から変わらないわ。人の言葉を信じやすいっていうか………」
呆れるようにホットコーヒーを飲みながら棘があるように真奈美が言う。
「本当にすみませんでした……」
芹香が叱られた子犬みたいに項垂れる。そして、芽衣に視線を向けて恐る恐る聞く。
「なんで、芽衣ちゃんは今回のことが予想できたの?」
「確かにそうよね。なんで分かったのよ?」
芹香の問いに同意するように真奈美も芽衣に視線を向ける。その問いに芽衣はあっさりと答える。
「あぁ、胸の大きさよ」
「「……胸……??」」
芽衣の理解ができない言葉に芹香と真奈美の声が重なる。
「正規のモデルって、基本胸が大きいのはNGなのよ。芹香は割と胸は大きい方だからね。モデルをするのに必要なのは、バスト、ウエスト、ヒップのバランスなのよ。確かに芹香は運動をしているから体は引き締まっているけど、バランスでいくと胸が大きい方だから、モデル体型としてはアンバランスになるのよ。だから、もしかしたら……と思って調べてみたの。そしたら、やっぱり思った通りだったというわけ」
芽衣の説明になんだか納得がいく芹香と真奈美。
「芽衣ちゃん、今回はありがとう。私、もう少しで道を踏み外すところだった……」
そう言いながら、芹香は涙を溜めた。
「まぁ、これからはこんなことにならないように気を付ける事ね」
「うん……」
「とりあえず、無事だったんだし楽しくお話しようよ!」
芽衣がぴしゃりと言った後で優しく言う。
「ありがとう!芽衣ちゃん!」
芹香が笑顔になる。
(…………あれ?)
芹香の記憶の中で何か懐かしい記憶が思い出したような感じだったが、すぐに消えた。
(なんか、すごく懐かしいようなことを思い出したような………??)
芹香は考えてみるが思い出せない。
(まぁ、いっか……)
そして、他愛無い話をワイワイと三人でお喋りしていた。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。夕方の五時ごろになり、三人は店を出た。
途中から芹香は道が違うのでそこで二人とサヨナラする。芽衣と真奈美は家の方向が同じなので一緒に並んで帰る。
「ねぇ、真奈美はまだ時間ある?」
「あるわよ?」
「ちょっと、私の家に寄って行かない?芹香の事で話があるのよ」
「分かったわ」
芽衣の提案に真奈美がOKの返事を出す。
その頃、透の家では透の父が今回の事件のことを話してくれていた。リビングのソファーに腰掛けてくつろぎながら話している。
「お手柄だったね、透。今回の事件が一気に解決したよ」
「まぁ、礼を言うなら土方に言ってくれよ。あいつの知識が今回は役に立ったんだからな」
「ところで、透。これを機に話そうと思うんだが……」
「……?」
そう言って、透の父がある事を話す。透は最初は驚いたものの、全く興味がないわけでもなかったことだった。父が更に続ける。
「――――――それに、もしかしたら透が悩んでいることも解決するかもしれないよ?」
「えっ……?」
「実はね………」
そう言って透の父はあるもう一つの話をする。透はその話に微かな希望を持つ。
「じゃあ、爺さんも……?」
「あぁ、同じような悩みを抱えていたんだよ」
「じゃあ、本当に……?」
「絶対とは言い切れないが、もしかしたら可能性はあるかもしれないな」
父の言葉に透は悩む。もしその可能性があるならそうしたい。でも、それと同時に透の『透なりの目標』をその間、できなくなってしまう………。
「答えはすぐに出さなくていい。決まったら返事をくれればいいよ」
すぐに答えが出るようなことでもないことを父は分かっているので、何日かの考える期間を与える。その後、じっくり考えるために透は自分の部屋に行く。机に広げてある本とそれを元に考察するためのノートが開いたままになっていた。それを見て、呟く。
「どうしたらいいんかな………?」
真奈美は芽衣の家に着くと、顔を出した芽衣の祖母にあいさつをしてお邪魔した。芽衣の部屋に行き、部屋の真ん中にある小さなテーブルを囲むように座る。
「で?話って何なのよ?」
「今日のカフェでの事よ」
「………あぁ、あの事ね」
真奈美が察したように返事する。
「あくまで、私の提案なんだけど………」
そう言って、芽衣がある事を真奈美に話し始める。
芽衣と真奈美と別れてからの帰り道で芹香は大きなため息を一つ吐いた。
「どうしよう………」
先程のカフェでの話がグルグルと頭の中を駆け巡っている。
話の内容は「高校を出たらどうするか?」という話だった。
芽衣は深みのある小説を書けるようになりたいという理由から、△△大学の心理学部に推薦での入学が決まっているという。
真奈美も教師になるのが夢だからという事で□□大学の教育学部に行くために勉強しているとのことだった。
芽衣も真奈美もちゃんと将来を見据えてそれに伴って行動している。
自分だけが何も決まっていない。
なんとなく取り残されている感覚に陥り、気分が落ち込む。
「私のなりたいものかぁ………」
そう呟いてから、ハッとする。
「ダメダメ!こんな顔してたらまた変なのに捕まっちゃう!!」
そう言ってじぶんの顔を両手でぴしゃりと叩く。
「よし!家に着いたらちゃんと自分が何になりたいかを考えよう!!」
そう言って、気持ちを切り替えるようにする。
いろんな気持ちが交差する。
芹香の気持ち。
透の気持ち。
芽衣と真奈美の想い。
それぞれの気持ちが交差しながら夜が更けていく………。
「………ご心配おかけしました」
芹香が第一声の言葉を綴る。
「まあ、とりあえず無事だったんだから良かったんじゃない?」
ホットミルクティーを飲みながら芽衣が言う。
「全く………、本当に危機感が足りないわね。そういうところは昔から変わらないわ。人の言葉を信じやすいっていうか………」
呆れるようにホットコーヒーを飲みながら棘があるように真奈美が言う。
「本当にすみませんでした……」
芹香が叱られた子犬みたいに項垂れる。そして、芽衣に視線を向けて恐る恐る聞く。
「なんで、芽衣ちゃんは今回のことが予想できたの?」
「確かにそうよね。なんで分かったのよ?」
芹香の問いに同意するように真奈美も芽衣に視線を向ける。その問いに芽衣はあっさりと答える。
「あぁ、胸の大きさよ」
「「……胸……??」」
芽衣の理解ができない言葉に芹香と真奈美の声が重なる。
「正規のモデルって、基本胸が大きいのはNGなのよ。芹香は割と胸は大きい方だからね。モデルをするのに必要なのは、バスト、ウエスト、ヒップのバランスなのよ。確かに芹香は運動をしているから体は引き締まっているけど、バランスでいくと胸が大きい方だから、モデル体型としてはアンバランスになるのよ。だから、もしかしたら……と思って調べてみたの。そしたら、やっぱり思った通りだったというわけ」
芽衣の説明になんだか納得がいく芹香と真奈美。
「芽衣ちゃん、今回はありがとう。私、もう少しで道を踏み外すところだった……」
そう言いながら、芹香は涙を溜めた。
「まぁ、これからはこんなことにならないように気を付ける事ね」
「うん……」
「とりあえず、無事だったんだし楽しくお話しようよ!」
芽衣がぴしゃりと言った後で優しく言う。
「ありがとう!芽衣ちゃん!」
芹香が笑顔になる。
(…………あれ?)
芹香の記憶の中で何か懐かしい記憶が思い出したような感じだったが、すぐに消えた。
(なんか、すごく懐かしいようなことを思い出したような………??)
芹香は考えてみるが思い出せない。
(まぁ、いっか……)
そして、他愛無い話をワイワイと三人でお喋りしていた。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。夕方の五時ごろになり、三人は店を出た。
途中から芹香は道が違うのでそこで二人とサヨナラする。芽衣と真奈美は家の方向が同じなので一緒に並んで帰る。
「ねぇ、真奈美はまだ時間ある?」
「あるわよ?」
「ちょっと、私の家に寄って行かない?芹香の事で話があるのよ」
「分かったわ」
芽衣の提案に真奈美がOKの返事を出す。
その頃、透の家では透の父が今回の事件のことを話してくれていた。リビングのソファーに腰掛けてくつろぎながら話している。
「お手柄だったね、透。今回の事件が一気に解決したよ」
「まぁ、礼を言うなら土方に言ってくれよ。あいつの知識が今回は役に立ったんだからな」
「ところで、透。これを機に話そうと思うんだが……」
「……?」
そう言って、透の父がある事を話す。透は最初は驚いたものの、全く興味がないわけでもなかったことだった。父が更に続ける。
「――――――それに、もしかしたら透が悩んでいることも解決するかもしれないよ?」
「えっ……?」
「実はね………」
そう言って透の父はあるもう一つの話をする。透はその話に微かな希望を持つ。
「じゃあ、爺さんも……?」
「あぁ、同じような悩みを抱えていたんだよ」
「じゃあ、本当に……?」
「絶対とは言い切れないが、もしかしたら可能性はあるかもしれないな」
父の言葉に透は悩む。もしその可能性があるならそうしたい。でも、それと同時に透の『透なりの目標』をその間、できなくなってしまう………。
「答えはすぐに出さなくていい。決まったら返事をくれればいいよ」
すぐに答えが出るようなことでもないことを父は分かっているので、何日かの考える期間を与える。その後、じっくり考えるために透は自分の部屋に行く。机に広げてある本とそれを元に考察するためのノートが開いたままになっていた。それを見て、呟く。
「どうしたらいいんかな………?」
真奈美は芽衣の家に着くと、顔を出した芽衣の祖母にあいさつをしてお邪魔した。芽衣の部屋に行き、部屋の真ん中にある小さなテーブルを囲むように座る。
「で?話って何なのよ?」
「今日のカフェでの事よ」
「………あぁ、あの事ね」
真奈美が察したように返事する。
「あくまで、私の提案なんだけど………」
そう言って、芽衣がある事を真奈美に話し始める。
芽衣と真奈美と別れてからの帰り道で芹香は大きなため息を一つ吐いた。
「どうしよう………」
先程のカフェでの話がグルグルと頭の中を駆け巡っている。
話の内容は「高校を出たらどうするか?」という話だった。
芽衣は深みのある小説を書けるようになりたいという理由から、△△大学の心理学部に推薦での入学が決まっているという。
真奈美も教師になるのが夢だからという事で□□大学の教育学部に行くために勉強しているとのことだった。
芽衣も真奈美もちゃんと将来を見据えてそれに伴って行動している。
自分だけが何も決まっていない。
なんとなく取り残されている感覚に陥り、気分が落ち込む。
「私のなりたいものかぁ………」
そう呟いてから、ハッとする。
「ダメダメ!こんな顔してたらまた変なのに捕まっちゃう!!」
そう言ってじぶんの顔を両手でぴしゃりと叩く。
「よし!家に着いたらちゃんと自分が何になりたいかを考えよう!!」
そう言って、気持ちを切り替えるようにする。
いろんな気持ちが交差する。
芹香の気持ち。
透の気持ち。
芽衣と真奈美の想い。
それぞれの気持ちが交差しながら夜が更けていく………。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました
ぽこぺん
ファンタジー
転生の間で人間以外の種族も選べることに気付いた主人公
某人気小説のようにスライムに転生して無双しようとするも手違いでゴブリンに転生
さらにスキルボーナスで身に着けた聖魔法は魔物の体には相性が悪くダメージが入ることが判明
これは不遇な生い立ちにめげず強く前向き生きる一匹のゴブリンの物語
(基本的に戦闘はありません、誰かが不幸になることもありません)
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
社畜OLが学園系乙女ゲームの世界に転生したらモブでした。
星名柚花
恋愛
野々原悠理は高校進学に伴って一人暮らしを始めた。
引越し先のアパートで出会ったのは、見覚えのある男子高校生。
見覚えがあるといっても、それは液晶画面越しの話。
つまり彼は二次元の世界の住人であるはずだった。
ここが前世で遊んでいた学園系乙女ゲームの世界だと知り、愕然とする悠理。
しかし、ヒロインが転入してくるまであと一年ある。
その間、悠理はヒロインの代理を務めようと奮闘するけれど、乙女ゲームの世界はなかなかモブに厳しいようで…?
果たして悠理は無事攻略キャラたちと仲良くなれるのか!?
※たまにシリアスですが、基本は明るいラブコメです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる