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~番外編~ 夏の花は優しい日差しに包まれる
第11話
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「ライター??」
お昼休みに三人で机を並べてお弁当を食べていると、芽衣が芹香に提案してきた。
「そう、ライターはどうかしらっていう話よ」
芽衣の提案に芹香が言う。
「私、タバコを吸う予定はないんだけど??」
「違うわ!」
「ガフッ!!」
芹香の天然なボケに真奈美がハリセンのお見舞いを突っ込む。そのやり取りを見ながら芽衣が説明する。
「火をつけるライターじゃなくて、記事を書くライターの事よ。ほら、芹香はSNSにコメント付きで写真を上げているじゃない?」
「あぁ、あの私の好きな人形の写真のこと?」
「そうよ。写真も加工もせずに撮影しているからからか、それを見た人のコメントの中にはこんなコメントもあるじゃない?」
そう言って、芽衣がスマホを取り出し、あるユーザーが芹香の写真にコメントしている画面を芹香に見せる。
『この人形の店に行ってきました!写真で見たとおりの綺麗で可愛い人形たちが並んでいて、思わず購入してしまいました!こういう写真って結構加工されていることが多いのだけど、この人の写真は一切加工されておらず現物のままを綺麗に写真に撮っているので信用できます!人形の可愛さとかが伝わる感じで撮影されていて写真だけでも魅入ってしまいます!!』
「まぁ、今の写真って良く見せるために写真を加工してること多いじゃない?でも、芹香の写真は一切加工せずにその人形自体の良さを出しているよね。この技術ってなかなかできるものじゃないわ。それに、その写真に添えてあるコメントもなかなかいい文章で書かれているしね。だから、そういう写真を撮りつつライターとして記事を書くって言うのもいいんじゃないかな?って、思ったのよ。まぁ、やるかやらないかは芹香が決めることだけど、一つの選択肢としていいんじゃないかな?」
「うーん………」
芹香では思いつかなかった芽衣の提案に考えを巡らせる。
「ちなみに写真としては他にどういうものがあるの?」
芽衣の言葉に芹香がスマホで撮影した写真を見せる。写真は人形は勿論、風景だったり、笑顔の人だったりと様々だった。どれもよく撮れていて、どこか魅入られるような写真が数多くある。芽衣と真奈美がその写真を見て、あまりの写真の出来栄えに目を見開く。
「これ、加工してあるの………?」
真奈美が写真を見て異論を唱える。その問いに芹香が言う。
「してないよ?私、加工とかしてごまかすような事好きじゃないから………」
「じゃあ、加工無しってことよね………?」
「それで、このレベルの写真が撮れるの………?」
芹香の言葉に、芽衣と真奈美は信じられないという顔で写真を見つめる。
「これ、プロのカメラマンレベルだよね……?」
「えぇ………」
「これで、カメラマンを目指していないの………?」
「………」
「………」
しばらく沈黙が流れる。
芹香は二人の言葉に対して「なんで?」という顔をしている。
「え……?だって、別にカメラマンになりたくて撮ってるわけじゃないし………。ただ、可愛いものや綺麗なものとかを加工無しで自然体のままで美しく見える感じで撮りたいなと思って撮っているだけで………」
「………つまり、その気持ちがこのレベルの写真を撮ることができるってことよね?」
「そういうことになるわね……」
「………」
「………」
再び沈黙が流れる。芹香は二人が何で写真にそんなに驚いているかが分からない。
「でも、これくらいの写真なら誰でも撮れると思うけど?」
芹香の言葉に芽衣と真奈美が唖然とする。
「「………誰でも撮れないわよ!!」」
「ひぁっ!!」
二人の迫力ある言葉に芹香の口から変な声が出てしまう。
「ねぇ、一度『写真投稿サイト』に挙げてみたら?私の知っている信用できるサイトがあるんだけど、どうかな……?」
芽衣が提案する。その言葉に真奈美も賛成する。
「確かにこれだけの腕があるのに、その才能が埋もれてしまうのはもったいないかもね。一度、何枚か投稿してみるのはいいかもしれないわね」
「まぁ、やってみてもいいけど………」
話がまとまって、芹香の写真をサイトに挙げようということになった。そのサイトでのやり方を説明するために帰りにいつものカフェに行こうと芽衣が提案する。そんなこんなでお昼休みが終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
同じお昼休み。
透はある資料を部室にあるパソコンから見ていた。その資料を真剣な眼差しで見つめる。興味はすごくあるし、悩みも解決できるなら一石二鳥だ。でも、「本当にいいのか?」とも考えてしまう………。
「心配なんだよな………」
ポツリと呟く。
そして、鞄を空けて父親から受け取ったパンフレットを見る。
そこにはこう書かれていた。
『警察特殊部隊専門学校 生徒募集!!』
そして、さっき透が見ていた資料はその学校の詳しい内容の資料だった。その学校に学校に行くためにまず特殊な筆記試験をクリアしなくてはいけない。更に、その試験に合格したら二年間家を出てその学校の寮に入り、訓練を行う。通常の警察学校と違い、一応、警察官としての基礎と心得は学ぶが、その他にも「パソコンを使って行う解析能力の訓練」や「犯人との心理戦の仕方の訓練」などがある。その中でも、透が一番興味を惹いたのが、「犯人像の分析や解析の訓練」という項目が目を惹いた。父も、透の趣味を知っていたのでその訓練のカリキュラムを受けたらどうかという事だった。勿論、透にとっては願ったり叶ったりのカリキュラムだからこそ、受けたいという気持ちは当然ある。でも、ある事が頭の隅に引っ掛かっていてなかなか決断が出せない。
そんなことを考えていると、あっという間にお昼休みが過ぎていき、午後の授業を知らせるチャイムが鳴った。
お昼休みに三人で机を並べてお弁当を食べていると、芽衣が芹香に提案してきた。
「そう、ライターはどうかしらっていう話よ」
芽衣の提案に芹香が言う。
「私、タバコを吸う予定はないんだけど??」
「違うわ!」
「ガフッ!!」
芹香の天然なボケに真奈美がハリセンのお見舞いを突っ込む。そのやり取りを見ながら芽衣が説明する。
「火をつけるライターじゃなくて、記事を書くライターの事よ。ほら、芹香はSNSにコメント付きで写真を上げているじゃない?」
「あぁ、あの私の好きな人形の写真のこと?」
「そうよ。写真も加工もせずに撮影しているからからか、それを見た人のコメントの中にはこんなコメントもあるじゃない?」
そう言って、芽衣がスマホを取り出し、あるユーザーが芹香の写真にコメントしている画面を芹香に見せる。
『この人形の店に行ってきました!写真で見たとおりの綺麗で可愛い人形たちが並んでいて、思わず購入してしまいました!こういう写真って結構加工されていることが多いのだけど、この人の写真は一切加工されておらず現物のままを綺麗に写真に撮っているので信用できます!人形の可愛さとかが伝わる感じで撮影されていて写真だけでも魅入ってしまいます!!』
「まぁ、今の写真って良く見せるために写真を加工してること多いじゃない?でも、芹香の写真は一切加工せずにその人形自体の良さを出しているよね。この技術ってなかなかできるものじゃないわ。それに、その写真に添えてあるコメントもなかなかいい文章で書かれているしね。だから、そういう写真を撮りつつライターとして記事を書くって言うのもいいんじゃないかな?って、思ったのよ。まぁ、やるかやらないかは芹香が決めることだけど、一つの選択肢としていいんじゃないかな?」
「うーん………」
芹香では思いつかなかった芽衣の提案に考えを巡らせる。
「ちなみに写真としては他にどういうものがあるの?」
芽衣の言葉に芹香がスマホで撮影した写真を見せる。写真は人形は勿論、風景だったり、笑顔の人だったりと様々だった。どれもよく撮れていて、どこか魅入られるような写真が数多くある。芽衣と真奈美がその写真を見て、あまりの写真の出来栄えに目を見開く。
「これ、加工してあるの………?」
真奈美が写真を見て異論を唱える。その問いに芹香が言う。
「してないよ?私、加工とかしてごまかすような事好きじゃないから………」
「じゃあ、加工無しってことよね………?」
「それで、このレベルの写真が撮れるの………?」
芹香の言葉に、芽衣と真奈美は信じられないという顔で写真を見つめる。
「これ、プロのカメラマンレベルだよね……?」
「えぇ………」
「これで、カメラマンを目指していないの………?」
「………」
「………」
しばらく沈黙が流れる。
芹香は二人の言葉に対して「なんで?」という顔をしている。
「え……?だって、別にカメラマンになりたくて撮ってるわけじゃないし………。ただ、可愛いものや綺麗なものとかを加工無しで自然体のままで美しく見える感じで撮りたいなと思って撮っているだけで………」
「………つまり、その気持ちがこのレベルの写真を撮ることができるってことよね?」
「そういうことになるわね……」
「………」
「………」
再び沈黙が流れる。芹香は二人が何で写真にそんなに驚いているかが分からない。
「でも、これくらいの写真なら誰でも撮れると思うけど?」
芹香の言葉に芽衣と真奈美が唖然とする。
「「………誰でも撮れないわよ!!」」
「ひぁっ!!」
二人の迫力ある言葉に芹香の口から変な声が出てしまう。
「ねぇ、一度『写真投稿サイト』に挙げてみたら?私の知っている信用できるサイトがあるんだけど、どうかな……?」
芽衣が提案する。その言葉に真奈美も賛成する。
「確かにこれだけの腕があるのに、その才能が埋もれてしまうのはもったいないかもね。一度、何枚か投稿してみるのはいいかもしれないわね」
「まぁ、やってみてもいいけど………」
話がまとまって、芹香の写真をサイトに挙げようということになった。そのサイトでのやり方を説明するために帰りにいつものカフェに行こうと芽衣が提案する。そんなこんなでお昼休みが終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
同じお昼休み。
透はある資料を部室にあるパソコンから見ていた。その資料を真剣な眼差しで見つめる。興味はすごくあるし、悩みも解決できるなら一石二鳥だ。でも、「本当にいいのか?」とも考えてしまう………。
「心配なんだよな………」
ポツリと呟く。
そして、鞄を空けて父親から受け取ったパンフレットを見る。
そこにはこう書かれていた。
『警察特殊部隊専門学校 生徒募集!!』
そして、さっき透が見ていた資料はその学校の詳しい内容の資料だった。その学校に学校に行くためにまず特殊な筆記試験をクリアしなくてはいけない。更に、その試験に合格したら二年間家を出てその学校の寮に入り、訓練を行う。通常の警察学校と違い、一応、警察官としての基礎と心得は学ぶが、その他にも「パソコンを使って行う解析能力の訓練」や「犯人との心理戦の仕方の訓練」などがある。その中でも、透が一番興味を惹いたのが、「犯人像の分析や解析の訓練」という項目が目を惹いた。父も、透の趣味を知っていたのでその訓練のカリキュラムを受けたらどうかという事だった。勿論、透にとっては願ったり叶ったりのカリキュラムだからこそ、受けたいという気持ちは当然ある。でも、ある事が頭の隅に引っ掛かっていてなかなか決断が出せない。
そんなことを考えていると、あっという間にお昼休みが過ぎていき、午後の授業を知らせるチャイムが鳴った。
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