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~番外編~ 夏の花は優しい日差しに包まれる
第17話
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あれから日が過ぎて、透は試験を受けるために宿泊の荷物を持って家を出た。場所が遠いので試験の前日である今日は試験会場に近いホテルで一泊することになっている。
「じゃあ、行ってくるよ」
そう言い、父の車に乗り込んだ。そのホテルまで父が送ることになっているので車に乗り込む。
「頑張ってね!為せば成るからね!」
透の母がそう言って見送る。
「ファイトなのです!お兄ちゃん!!」
颯希がお手製の旗を振りながら掲げている。
「あぁ、頑張ってくるよ!」
そう言って、車が出発しようという時だった。
「透~!!」
そう声を発しながら、芹香が息を切らしながら走ってくる。車の近くまで来て芹香は息を整えると一つの袋を透に差し出した。
「これ………良かったら持っていって!」
透がその袋を開ける。
中には………、
『合格祈願』
と、刺しゅうされている手作りのお守りが入っていた。
「これ………、わざわざ作ったのか………?」
透が驚きの声を上げる。
「うん!頑張れって想いで急いで作ったんだよ!」
芹香が笑顔で言う。
「………ぶきっちょ」
「ひどっ!!」
透が耳の痛い言葉を言う。確かにお守りは裁縫に慣れてないのが分かるくらい、縫い目がガタガタだった。
「サンキューな……」
透が少しだけ微笑みながらお礼を言う。
「頑張ってね!透!!」
そして、車が出発して、あっという間に見えなくなった。
透が無事に出発したのを見届けると、芹香は家に戻っていった。「自分も頑張らなくちゃ!」と言い聞かせて試験勉強を進める。そして、自分の今までの環境を振り返る。
周りに守られて生活してきたこと………。
いつまでも子供のままではいられないこと………。
これからは自分の身は自分で守らなくてはいけないということ………。
その為に、自分は大人の階段を上って成長するんだ!
ホテルに向かう車の中で透の父が言葉を綴る。
「さっきの芹香ちゃんは、今までとどこか雰囲気が違ったね」
「あぁ………」
父の言葉に透も同意する。先程の芹香は確かに今までと違う雰囲気を放っていた。表情がどこか一つ成長したような、ちょっとだけだが、大人の顔をしていた。
「てっきり、行かないで!とか言いに来たのかと思ったけどな………」
透がポツリと呟く。
そして、更に言葉を綴る。
「やっと、自分自身で成長してかなきゃいけないという事が分かったんだろうな………」
芹香の成長がどこか嬉しくもあると同時に、どことなく寂しいという気持ちもある。
「良かったんじゃないか?芹香ちゃんが成長するきっかけになれたんだ。そこは喜ぶべきだよ。まぁ、今は明日の試験に集中しなさい。大丈夫だ。透なら出来るよ。透は亡くなった父さんにそっくりだからな」
同じ悩みを抱えていたという祖父のことを出す。
数年前に亡くなったが、透はその祖父が大好きだった。考察が趣味になったのも祖父の影響が大きい。
祖父は頭脳派で犯人を特定するのに犯人が残した現場の状況から犯人の推察を行っていた。そして、何人か犯人と思われる人物の環境や性格を調べて誰が犯人かを特定していく。祖父は警察でその推察能力を存分に発揮させて何人も犯人を特定して捕まえてきた。
そして、定年退職後は警察特殊部隊専門学校で講師を行い、そういった人材育成に力を注いだという。透はそんな祖父を尊敬し、自分も考察をするようになった。
車がホテルに到着し、透は車を降りた。ホテルでチェックインを行い宿泊する部屋に行く。そして、荷物を置くと早速、明日の試験に向けて追い込みの勉強を始める。
ふと、芹香がくれたお守りをカバンから取り出し眺める。縫い目がガタガタで『合格祈願』の文字もお世辞に綺麗とは言えない。
「裁縫、苦手なくせに………」
優しい表情をしながら小さな声で囁くように言う。
「………頑張るか!」
お守りを机の上に置き、意気揚々と最後の追い込みに励んでいった。
「じゃあ、行ってくるよ」
そう言い、父の車に乗り込んだ。そのホテルまで父が送ることになっているので車に乗り込む。
「頑張ってね!為せば成るからね!」
透の母がそう言って見送る。
「ファイトなのです!お兄ちゃん!!」
颯希がお手製の旗を振りながら掲げている。
「あぁ、頑張ってくるよ!」
そう言って、車が出発しようという時だった。
「透~!!」
そう声を発しながら、芹香が息を切らしながら走ってくる。車の近くまで来て芹香は息を整えると一つの袋を透に差し出した。
「これ………良かったら持っていって!」
透がその袋を開ける。
中には………、
『合格祈願』
と、刺しゅうされている手作りのお守りが入っていた。
「これ………、わざわざ作ったのか………?」
透が驚きの声を上げる。
「うん!頑張れって想いで急いで作ったんだよ!」
芹香が笑顔で言う。
「………ぶきっちょ」
「ひどっ!!」
透が耳の痛い言葉を言う。確かにお守りは裁縫に慣れてないのが分かるくらい、縫い目がガタガタだった。
「サンキューな……」
透が少しだけ微笑みながらお礼を言う。
「頑張ってね!透!!」
そして、車が出発して、あっという間に見えなくなった。
透が無事に出発したのを見届けると、芹香は家に戻っていった。「自分も頑張らなくちゃ!」と言い聞かせて試験勉強を進める。そして、自分の今までの環境を振り返る。
周りに守られて生活してきたこと………。
いつまでも子供のままではいられないこと………。
これからは自分の身は自分で守らなくてはいけないということ………。
その為に、自分は大人の階段を上って成長するんだ!
ホテルに向かう車の中で透の父が言葉を綴る。
「さっきの芹香ちゃんは、今までとどこか雰囲気が違ったね」
「あぁ………」
父の言葉に透も同意する。先程の芹香は確かに今までと違う雰囲気を放っていた。表情がどこか一つ成長したような、ちょっとだけだが、大人の顔をしていた。
「てっきり、行かないで!とか言いに来たのかと思ったけどな………」
透がポツリと呟く。
そして、更に言葉を綴る。
「やっと、自分自身で成長してかなきゃいけないという事が分かったんだろうな………」
芹香の成長がどこか嬉しくもあると同時に、どことなく寂しいという気持ちもある。
「良かったんじゃないか?芹香ちゃんが成長するきっかけになれたんだ。そこは喜ぶべきだよ。まぁ、今は明日の試験に集中しなさい。大丈夫だ。透なら出来るよ。透は亡くなった父さんにそっくりだからな」
同じ悩みを抱えていたという祖父のことを出す。
数年前に亡くなったが、透はその祖父が大好きだった。考察が趣味になったのも祖父の影響が大きい。
祖父は頭脳派で犯人を特定するのに犯人が残した現場の状況から犯人の推察を行っていた。そして、何人か犯人と思われる人物の環境や性格を調べて誰が犯人かを特定していく。祖父は警察でその推察能力を存分に発揮させて何人も犯人を特定して捕まえてきた。
そして、定年退職後は警察特殊部隊専門学校で講師を行い、そういった人材育成に力を注いだという。透はそんな祖父を尊敬し、自分も考察をするようになった。
車がホテルに到着し、透は車を降りた。ホテルでチェックインを行い宿泊する部屋に行く。そして、荷物を置くと早速、明日の試験に向けて追い込みの勉強を始める。
ふと、芹香がくれたお守りをカバンから取り出し眺める。縫い目がガタガタで『合格祈願』の文字もお世辞に綺麗とは言えない。
「裁縫、苦手なくせに………」
優しい表情をしながら小さな声で囁くように言う。
「………頑張るか!」
お守りを机の上に置き、意気揚々と最後の追い込みに励んでいった。
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