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富子
第12話 安鎮寺
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「それじゃあ、その『 安鎮寺』というお寺に行ってみましょうか?」
二人が立ち去ると、青年は当然のごとく提案してきた。
「え? でも、なんだか大事になってしまわないかしら?」
この頃には、もうここは出直して手紙だけでもポストに入れればいいかと、
富子は思い始めていた。
この家の 主が姿をここ最近姿を現わしていないのは事実のようだが、
だからといって知人ですらない人間が、大家のところにまで押しかけるのは
やり過ぎではないかと思ったのだ。
それに家主はどこからか富子たち訪問者のことを見ていて、あえて居留守を
使っている可能性だってある。素直にそう主張すると、青年は「万が一ということ
もあるので、ここは大家さんに異変だけでも伝えましょう!」と譲らない。
そう言われてしまうと、どちらがより理にかなっているのかと言われれば、青年
に軍配が上がる。
結局、あまり乗り気ではないものの、反論が思いつかなかった富子は青年ととも
に大家であるという安鎮寺へと渋々向かう羽目になってしまった。
二人が立ち去ると、青年は当然のごとく提案してきた。
「え? でも、なんだか大事になってしまわないかしら?」
この頃には、もうここは出直して手紙だけでもポストに入れればいいかと、
富子は思い始めていた。
この家の 主が姿をここ最近姿を現わしていないのは事実のようだが、
だからといって知人ですらない人間が、大家のところにまで押しかけるのは
やり過ぎではないかと思ったのだ。
それに家主はどこからか富子たち訪問者のことを見ていて、あえて居留守を
使っている可能性だってある。素直にそう主張すると、青年は「万が一ということ
もあるので、ここは大家さんに異変だけでも伝えましょう!」と譲らない。
そう言われてしまうと、どちらがより理にかなっているのかと言われれば、青年
に軍配が上がる。
結局、あまり乗り気ではないものの、反論が思いつかなかった富子は青年ととも
に大家であるという安鎮寺へと渋々向かう羽目になってしまった。
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