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第四章 新たな使命は特にない
第1072話
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小腹が空いた涼玉のため、ひよこ豆のコロッケとお団子をおやつに出した。
ほくほく感が気に入ったようで、野球ボールサイズのコロッケを三つぺろっと平らげて、また踊りに戻っていったのだけど……。
Q.どうなりますか?
A.コロッケがめちゃくちゃ実ります。
そういう事である。
「わぁ、コロッケ畑が出来ちゃった」
「でもこのコロッケ、食べても油っぽくないです!」
『植物の神秘なのよ』
僕らの横では司祭さんが踊らない大人を叱咤激励し、コロッケを死に物狂いで収穫させている。
放置しても増えるし、下手すると教会の壁を侵食しかねないからね、正しい判断だと思う。
「もしかして涼玉の能力って、建物付近で使うの危険?」
「ひよこ豆だから自分で動けます」
『今は踊るのが優先なの』
それもそうか、踊っている時点で移動できるよね。
踊っているという事実には突っ込んではいけない、あの豆は究極の進化を遂げた豆なんだ。
「神子様、コロッケがあふれそうです」
「借りたお皿、もうないの、どうしよう」
孤児院の子供たちが泣きそうな顔でこちらを見ている。
教会本部の支援を受け、きっちり三食食べているので血色がとてもいい。
下手すると、この町の一般市民よりいいものを食べているかもしれないな、この子たち。
「……そうだ。えっちゃん、ネヴォラにもらった大ザルある?」
「キ!」
自信作だからといくつか譲り受けていたものを思い出し、えっちゃんに取り出してもらって子供たちに配る。
ザルを片手にコロッケの中へ飛び込んでいった子供たちの手際は、すでに達人の域だ。
大人たちも負けじと収穫しているけれど、勢いでもスピードでも子供に及ばない。
力がある分、加減が難しいんだろうなぁ。
少し強く握っただけで、コロッケは簡単に潰れちゃうから。
「神子様、このコロッケは売ってもいいですか?」
「うーん、お腹を満たすための炊き出しだからなぁ」
「お祭りの間は無料です!」
『明日と明後日はお金とっちゃだめよ』
孤児院の子供たちが商魂たくましい。
しっかり勉強して、将来は商業ギルド就職を目指して頑張ってほしいな。
「あと、売るなら味変は必須です!」
『カレー味がおすすめ』
「ママ、お団子のレシピもください!」
『ちょーだい』
イネスとシャムスのダブルおねだりが可愛い。もだえるほど可愛い。
「今すぐには無理だよ、書き起こさないと」
「そうでした」
『また明日持ってくるのよ』
「持ってきてくれるんですか!!」
「やったぁぁ!!」
その場でレシピを明日持ってくると約束させられた。
ここの孤児院の子供たち、本当に逞しいなぁ。
ほくほく感が気に入ったようで、野球ボールサイズのコロッケを三つぺろっと平らげて、また踊りに戻っていったのだけど……。
Q.どうなりますか?
A.コロッケがめちゃくちゃ実ります。
そういう事である。
「わぁ、コロッケ畑が出来ちゃった」
「でもこのコロッケ、食べても油っぽくないです!」
『植物の神秘なのよ』
僕らの横では司祭さんが踊らない大人を叱咤激励し、コロッケを死に物狂いで収穫させている。
放置しても増えるし、下手すると教会の壁を侵食しかねないからね、正しい判断だと思う。
「もしかして涼玉の能力って、建物付近で使うの危険?」
「ひよこ豆だから自分で動けます」
『今は踊るのが優先なの』
それもそうか、踊っている時点で移動できるよね。
踊っているという事実には突っ込んではいけない、あの豆は究極の進化を遂げた豆なんだ。
「神子様、コロッケがあふれそうです」
「借りたお皿、もうないの、どうしよう」
孤児院の子供たちが泣きそうな顔でこちらを見ている。
教会本部の支援を受け、きっちり三食食べているので血色がとてもいい。
下手すると、この町の一般市民よりいいものを食べているかもしれないな、この子たち。
「……そうだ。えっちゃん、ネヴォラにもらった大ザルある?」
「キ!」
自信作だからといくつか譲り受けていたものを思い出し、えっちゃんに取り出してもらって子供たちに配る。
ザルを片手にコロッケの中へ飛び込んでいった子供たちの手際は、すでに達人の域だ。
大人たちも負けじと収穫しているけれど、勢いでもスピードでも子供に及ばない。
力がある分、加減が難しいんだろうなぁ。
少し強く握っただけで、コロッケは簡単に潰れちゃうから。
「神子様、このコロッケは売ってもいいですか?」
「うーん、お腹を満たすための炊き出しだからなぁ」
「お祭りの間は無料です!」
『明日と明後日はお金とっちゃだめよ』
孤児院の子供たちが商魂たくましい。
しっかり勉強して、将来は商業ギルド就職を目指して頑張ってほしいな。
「あと、売るなら味変は必須です!」
『カレー味がおすすめ』
「ママ、お団子のレシピもください!」
『ちょーだい』
イネスとシャムスのダブルおねだりが可愛い。もだえるほど可愛い。
「今すぐには無理だよ、書き起こさないと」
「そうでした」
『また明日持ってくるのよ』
「持ってきてくれるんですか!!」
「やったぁぁ!!」
その場でレシピを明日持ってくると約束させられた。
ここの孤児院の子供たち、本当に逞しいなぁ。
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