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第四章 新たな使命は特にない
第1088話
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そう言えば紹介とツッコミに忙しくて、僕がどこで待機していたか説明し忘れていました。
場所は帝都の大聖堂前です。
帝国としても、他国から来る聖女をどこで出迎えるか悩んだらしい。
向こうの主張は「セレモニー付きで歓迎せよ」。
まぁ聖女だし、たまには派手な催しをして、経済を動かすのも悪くない、という意見もあったそうです。
そこにストップを掛けたのが宰相の奥方であり、大臣たちの相談役であるお兄さん。
「たかが聖女一人にセレモニーは不要です。ただの人間にセレモニーをするなら、神子様や神々が遊びに来るたびに、もっとド派手な歓迎をする羽目になりますよ」
確かに。特にイネスやその信者あたりが羨ましがって、月一くらいでイベントを強要してきそうだ。
皆がそう納得し、セレモニー案は満場一致で却下されたそうです。
では出迎えの場所はどうするか。
そこでもお兄さんがにっこりと一言。
「聖女なら、まず神々に挨拶すべきでしょう」
――その一言が採用された。
そうして僕は、知り合いの聖女たちと一緒に大聖堂前で待機することになったわけです。
聖女に選ばれるくらいあって、全員顔がいい。
一人……というか一体だけ顔がわからない子もいるけれど、その子以外は顔がいい。
ここに立つにあたって、注意されたことが一つだけ。
「絶対に頭を下げない」
これを相談役のお兄さんに、何度も何度も言い聞かされました。
元日本人には難しいけれど、頑張ります。
顔がいいメンバーがずらりと並び、その中でも「いかにも聖女」な雰囲気のパンドラちゃんと、派手さで有名な聖女がひときわ目立っている。
幸運にも聖地巡礼に訪れた信者が地面に膝をつき、涙を流しながら僕らを拝んでいる。
「オイオイこんな所で泣くなよ、私たちはただの神の使いだぜ? 本命の参拝先は中にあるんだからさ」
「う……うぅ……!」
パンドラちゃんが慰めても、感無量と言わんばかりに嗚咽は止まらない。
言動は大ざっぱだけど、聖女として一番格が高いのはパンドラちゃんなんだって。前にカイちゃんが言ってた。
「あの、パン食べます? 冒険者に大人気の売れ筋No.1、神々のご利益があると噂のパンですよ」
パン屋の聖女が差し出したのは、うちの子供たちの顔をデフォルメして作られたキャラクターパン。
もちろんイネスの顔バージョンもあり、そちらはド派手な聖女が全財産を押し付ける勢いで買い占めていた。
……家宝とかにしないで、ちゃんと食べてね?
「ちょっと! なんで誰も私を見ないのよ!?」
さっきも聞いた気がするセリフが、また響いた。
振り向くと、顔を真っ赤にした少女が仁王立ちしている。
白い衣装を着ているし……もしや件の聖女?
でもパンドラちゃんが隣にいるせいで、完全にただの子供にしか見えない。
「お嬢ちゃん、今日は現人神を拝める貴重な機会なんだ。邪魔をしないでおくれ」
敬虔な信者のおじいちゃんに退けと言われている。
少女はカッとなり、怒鳴り返そうと息を吸った――その瞬間。
「オーホッホッホッホ!! 聖なる力が一定値たまりましたわ! 行きますわよぉぉ!!」
「声がでかい、あと何する気だよ!」
「人類よ跪きなさい! そぉれっ!」
「ぺっかぁぁ!」
ド派手な聖女がキラキラ扇子を高く掲げると、聖なる光をまとったイネスがド派手に降臨した。
……なんか今日のイベント、教会に入る前に全部終わっちゃいそう。
場所は帝都の大聖堂前です。
帝国としても、他国から来る聖女をどこで出迎えるか悩んだらしい。
向こうの主張は「セレモニー付きで歓迎せよ」。
まぁ聖女だし、たまには派手な催しをして、経済を動かすのも悪くない、という意見もあったそうです。
そこにストップを掛けたのが宰相の奥方であり、大臣たちの相談役であるお兄さん。
「たかが聖女一人にセレモニーは不要です。ただの人間にセレモニーをするなら、神子様や神々が遊びに来るたびに、もっとド派手な歓迎をする羽目になりますよ」
確かに。特にイネスやその信者あたりが羨ましがって、月一くらいでイベントを強要してきそうだ。
皆がそう納得し、セレモニー案は満場一致で却下されたそうです。
では出迎えの場所はどうするか。
そこでもお兄さんがにっこりと一言。
「聖女なら、まず神々に挨拶すべきでしょう」
――その一言が採用された。
そうして僕は、知り合いの聖女たちと一緒に大聖堂前で待機することになったわけです。
聖女に選ばれるくらいあって、全員顔がいい。
一人……というか一体だけ顔がわからない子もいるけれど、その子以外は顔がいい。
ここに立つにあたって、注意されたことが一つだけ。
「絶対に頭を下げない」
これを相談役のお兄さんに、何度も何度も言い聞かされました。
元日本人には難しいけれど、頑張ります。
顔がいいメンバーがずらりと並び、その中でも「いかにも聖女」な雰囲気のパンドラちゃんと、派手さで有名な聖女がひときわ目立っている。
幸運にも聖地巡礼に訪れた信者が地面に膝をつき、涙を流しながら僕らを拝んでいる。
「オイオイこんな所で泣くなよ、私たちはただの神の使いだぜ? 本命の参拝先は中にあるんだからさ」
「う……うぅ……!」
パンドラちゃんが慰めても、感無量と言わんばかりに嗚咽は止まらない。
言動は大ざっぱだけど、聖女として一番格が高いのはパンドラちゃんなんだって。前にカイちゃんが言ってた。
「あの、パン食べます? 冒険者に大人気の売れ筋No.1、神々のご利益があると噂のパンですよ」
パン屋の聖女が差し出したのは、うちの子供たちの顔をデフォルメして作られたキャラクターパン。
もちろんイネスの顔バージョンもあり、そちらはド派手な聖女が全財産を押し付ける勢いで買い占めていた。
……家宝とかにしないで、ちゃんと食べてね?
「ちょっと! なんで誰も私を見ないのよ!?」
さっきも聞いた気がするセリフが、また響いた。
振り向くと、顔を真っ赤にした少女が仁王立ちしている。
白い衣装を着ているし……もしや件の聖女?
でもパンドラちゃんが隣にいるせいで、完全にただの子供にしか見えない。
「お嬢ちゃん、今日は現人神を拝める貴重な機会なんだ。邪魔をしないでおくれ」
敬虔な信者のおじいちゃんに退けと言われている。
少女はカッとなり、怒鳴り返そうと息を吸った――その瞬間。
「オーホッホッホッホ!! 聖なる力が一定値たまりましたわ! 行きますわよぉぉ!!」
「声がでかい、あと何する気だよ!」
「人類よ跪きなさい! そぉれっ!」
「ぺっかぁぁ!」
ド派手な聖女がキラキラ扇子を高く掲げると、聖なる光をまとったイネスがド派手に降臨した。
……なんか今日のイベント、教会に入る前に全部終わっちゃいそう。
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