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第四章 新たな使命は特にない
第1093話
観光気分で魅了持ちの聖女がいた国に来たら、首都丸ごと魅了漬けになっていました。
一番酷いのはお城だった。
えっちゃんに認識阻害を全員にかけてもらって、正面から団体で門をすり抜ける。
それでいいのかって?
まともな相手には駄目ですよ、首都丸ごとこれなら、まぁいいかなーって。
城壁にドピンクの旗ってどんな趣味?
門番の鎧もピンク、中に進んだらお城まで続く石畳の道もピンク。
パッションピンク多め、派手好きだったんだろうか?
他にも2mおきに聖女の美化像が並んでいる。
城までの道はまるで悪趣味な祭壇の参道みたいで――何というか、全体的に趣味が悪い。
さすがにお城はピンクに塗れなかったみたいで無事だけど……。
「アー君、偉い人に時間をかけて会う必要あるかなぁ?」
「無駄足だと分かっていてやり取りするの、確かに嫌だよな」
「では、どうなさいますか?」
「爺ちゃんに選んでもらうか」
お城に乗り込んできたはいいけれど、働く人間は誰もが生気を失っていた。
目はうつろ、口にするのは「聖女様」という称賛ばかり。
人形みたいで、これなら魔王城で働くスケルトンの方がよっぽど元気がいいと思う。
「まず前提として、放っておけば聖女の魅了は解除される。いつになるかは神薙様次第になるけど、その場合は正気に戻った瞬間に廃人になる可能性が高い」
「なるほど」
「つまり、放置しておけば労せずこの国の領土は手に入る」
「それも一興ですなぁ」
「別のプランは、イネスかな」
「一番平和だねー」
誰も犠牲にならない、世界に優しいプランです。
対価もないしね。
「他にはそうだなぁ、この国がいらないっていうなら神薙様たちを呼ぶとか」
「外交に来た意味がなくなりますぞ」
邪神一家に捧げるのはダメらしい、放置からの領土侵略は否定しない。
つまり、この国の領土を帝国に吸収するのは問題ないということか。
「帝国に都合よく、か?」
「ほほほほほ」
にこにこと笑いながら、否定はしない。
「じゃあやっぱりイネスかな」
「イネスならもういるよ」
「はい!!」
ずぼっとポンチョから顔を出したのは、我が家のイネスちゃんである。
実は「イネスが特大ぺかぁを」と話題に上げた時に来ちゃったんだよね、何か我慢できなかったみたいで。
フライングに気付いて、アー君に見つかる前にサッとポンチョの中に隠れたのだ。
今まで気付かれなかったのは、えっちゃんが認識阻害をかけてくれていたおかげだろう。
最初からやる気満々で、ポンチョの中が淡く光りかけていた時はハラハラした。
えっちゃんが認識阻害を強化してくれたおかげで今の今まで気付かれなかったので、アー君を驚かせたかったイネス的には満足だろう。
ネタばらしした今は堂々と輝いている。
胸元でぺっかぺっか光られて、とても眩しいです。
「じゃあ行ってきますね!」
「いや、まだ爺ちゃんの了承取ってな――」
アー君の叫びを背に、イネスが風に乗って空に舞い上がる。
どうやら孫バカな珱さんが手助けしているようです。相変わらず孫に激甘。
「いっきますよー!」
「爺ちゃん、なんかごめん」
「イネス様ですからなぁ」
アー君が謝り、おじいちゃんと外交官の人たちも諦めたように苦笑い。
イネスを見ていると、光った瞬間に視力やられるよ?
「ぺっかぁぁ!」
空高く響くイネスの掛け声。
今日はいつもより輝いているなぁ。
一番酷いのはお城だった。
えっちゃんに認識阻害を全員にかけてもらって、正面から団体で門をすり抜ける。
それでいいのかって?
まともな相手には駄目ですよ、首都丸ごとこれなら、まぁいいかなーって。
城壁にドピンクの旗ってどんな趣味?
門番の鎧もピンク、中に進んだらお城まで続く石畳の道もピンク。
パッションピンク多め、派手好きだったんだろうか?
他にも2mおきに聖女の美化像が並んでいる。
城までの道はまるで悪趣味な祭壇の参道みたいで――何というか、全体的に趣味が悪い。
さすがにお城はピンクに塗れなかったみたいで無事だけど……。
「アー君、偉い人に時間をかけて会う必要あるかなぁ?」
「無駄足だと分かっていてやり取りするの、確かに嫌だよな」
「では、どうなさいますか?」
「爺ちゃんに選んでもらうか」
お城に乗り込んできたはいいけれど、働く人間は誰もが生気を失っていた。
目はうつろ、口にするのは「聖女様」という称賛ばかり。
人形みたいで、これなら魔王城で働くスケルトンの方がよっぽど元気がいいと思う。
「まず前提として、放っておけば聖女の魅了は解除される。いつになるかは神薙様次第になるけど、その場合は正気に戻った瞬間に廃人になる可能性が高い」
「なるほど」
「つまり、放置しておけば労せずこの国の領土は手に入る」
「それも一興ですなぁ」
「別のプランは、イネスかな」
「一番平和だねー」
誰も犠牲にならない、世界に優しいプランです。
対価もないしね。
「他にはそうだなぁ、この国がいらないっていうなら神薙様たちを呼ぶとか」
「外交に来た意味がなくなりますぞ」
邪神一家に捧げるのはダメらしい、放置からの領土侵略は否定しない。
つまり、この国の領土を帝国に吸収するのは問題ないということか。
「帝国に都合よく、か?」
「ほほほほほ」
にこにこと笑いながら、否定はしない。
「じゃあやっぱりイネスかな」
「イネスならもういるよ」
「はい!!」
ずぼっとポンチョから顔を出したのは、我が家のイネスちゃんである。
実は「イネスが特大ぺかぁを」と話題に上げた時に来ちゃったんだよね、何か我慢できなかったみたいで。
フライングに気付いて、アー君に見つかる前にサッとポンチョの中に隠れたのだ。
今まで気付かれなかったのは、えっちゃんが認識阻害をかけてくれていたおかげだろう。
最初からやる気満々で、ポンチョの中が淡く光りかけていた時はハラハラした。
えっちゃんが認識阻害を強化してくれたおかげで今の今まで気付かれなかったので、アー君を驚かせたかったイネス的には満足だろう。
ネタばらしした今は堂々と輝いている。
胸元でぺっかぺっか光られて、とても眩しいです。
「じゃあ行ってきますね!」
「いや、まだ爺ちゃんの了承取ってな――」
アー君の叫びを背に、イネスが風に乗って空に舞い上がる。
どうやら孫バカな珱さんが手助けしているようです。相変わらず孫に激甘。
「いっきますよー!」
「爺ちゃん、なんかごめん」
「イネス様ですからなぁ」
アー君が謝り、おじいちゃんと外交官の人たちも諦めたように苦笑い。
イネスを見ていると、光った瞬間に視力やられるよ?
「ぺっかぁぁ!」
空高く響くイネスの掛け声。
今日はいつもより輝いているなぁ。
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