神様のポイント稼ぎに利用された3~過保護な神々と溺愛家族に囲われています~

ゆめ

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第四章 新たな使命は特にない

第1102話

 僕が何かしたいと思うこと自体がフラグなのかもしれない。
 今日こそはもふもふ天国に行こうと思っていたのに、気が付けば白く光る祭壇の上に立っていた。

 いやいや、僕はイネスや涼玉じゃないのだから、祭壇の上はダメだと思う。
 子供の教育に悪いし、お腹の末っ子坊やが将来真似したらどうしてくれるんだ。

 後ろには女性の像、正面には祭壇を背に立つ聖職者。
 着ているものが豪華だから、かなり身分が高いのだろう。
 ただ頭のてっぺんがツルツルで眩しい、正装ついでに帽子もかぶった方がいいんじゃない?

 そんな特徴的な頭部を持つ男性の前には、目をまん丸くした少年。
 なんというか、すごく普通の村の子って感じだなぁ。

「この聖剣を引き抜きし者こそ、真の勇者なり──」

 宣誓してるのはこのツルツル頭だろうか。
 えっ、これ聖剣を抜くっていう、あの王道イベントなの!?

 場の空気は重いけれど、どうも僕の存在が全てを台無しにしている感。
 席で見守る偉い人たちの、戸惑った顔がよく見える。

「では一人目、前へ」

 呼ばれておずおずと近付いて来たのは未成年の少年で、アー君よりずっと年下に見える。
 聖剣と僕、どちらを見ていいか迷っているのがよくわかるね。

「ぬ、抜けない」
「では次」

 頭部が淡々と儀式を進めている。
 これ、絶対に笑ってはいけないやつだよね?
 見てる人たち、顔が引きつってて可哀想。

 何となくクリスタル林檎を取り出し、正面にいるツルツル頭にそっと近付けてみた。

「ぶっふぉ!!」

 誰かが我慢できずに腹筋を崩壊させた気配がする。

「……? 次」

 会場の異変に気付かないまま、儀式は進んでいく。
 それにしても、さっきから呼ばれるのが全員ショタなのはどうしてだろう。

 大丈夫かな、ショタを保護する楽園を手に入れた今、子供を大事にしないとショタ守護神にさらわれちゃうよ?
 もし聖剣を抜いた子をどう扱うかという返答次第では、シヴァさん召喚することになるかもしれない。

「本当に、これを抜けば故郷に帰れるんだな」
「ええ、嘘はつきません」

 最後に前に出てきたのは、どこか暗い表情をした――あれ、この子、日本人じゃない?

「さぁ前へ」
「わかっ……」

 言われるがまま前に進み出た少年が、ようやく顔を上げた瞬間、僕に気付いてあんぐり口を開けた。

「さっきから、何ですか?」

 訝しげに頭頂ツルツルが振り向き、ようやくここで僕に気付きました。
 こんにちは。神子です。
 ちなみに、あちらの席で笑いを堪えすぎて過呼吸起こしかけている人がいるのは、恐らく僕のせいです。
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