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第四章 新たな使命は特にない
第1206話
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セティの子供に会うため、宮殿の廊下を歩いていたら、突然建物が揺れた。
「風そんなに強かったっけ?」
「これ、魔力じゃないか?」
「甥っ子がギャン泣きしてるのかもです」
『せんちゃんも一緒に行くの?』
「ぷ!」
悪魔に先導され、孫に会いに来たら風ではなく魔力で建物が揺れていました。
え、そんなこと出来るの?
「邪神兄弟が夜泣きするとこんな感じだよな」
「夢の世界じゃなかったら、世界が割れてます」
『マンドラゴラの子守りがプロ級なのよ』
僕の知らないうちに、夢の世界では何やらトラブルが起きていたらしい。
もっとも、謎能力に包まれた世界なので、トラブルもふわっとした感じにすぐ落ち着いてしまうんだって。
さすが謎能力、ご都合主義の権現である。
「こちらです、物が飛んでくる時があるのでお気をつけて」
そう言って、案内役の悪魔が扉を開けた。
「抱き替えます!」
「歌、次いけ!」
「抑制具、割れた!」
「補充完了!」
悪魔と魔人たちが総出で、何やら切迫したやり取りをしていた。
動きは無駄がなく、声も鋭い。
一見すると、最前線の戦闘指揮である。
「んぎゃぁぁぁ!!」
「音痴か!」
「誰か代われ!」
「ハレルヤ イネース!!」
――まぁ違うんだけどね。
そこで繰り広げられていたのは、育児という名の戦いでした。
全員真剣な顔をしているのに、やっていることは抱っこと子守歌のローテーション。
しかも悪魔がアカペラで歌っているのは、キラキラ王子の歌。
それ、クリスマス聖歌なんだけど。
悪魔が聖歌を歌って、ダメージとか受けないんだろうか?
赤ん坊の泣き声が響くたび、空気が波打つ。
柱が軋み、壁の装飾がガタガタ揺れる。
「あーだめだー!」
「誰かー、新曲くれーー!」
「任せろ!」
シュバッと飛び出したのは涼玉とイネス。
同時にマールスが音楽魔道具を起動させた。
「イ・ネ・ス! イ・ネ・ス!」
「みゃんみゃん!」
ノリノリで歌いだす涼玉。
合の手を入れるイネス。
ぽかんと手を止める悪魔たち。
赤ん坊もぴたりと泣き止み、涼玉をじっと見つめている。
「聖なる名を 今ここに!」
「あだだだだ!」
小さな手で拍手してる。可愛い。
涼玉が熱唱している間に、近くにいた悪魔に頼み、土の入った鉢植えを持ってきてもらった。
それから、その鉢にひよこ豆を植える。
涼玉が歌っている最中なのだから、秒で成長するのはお約束だ。
「これ、あの子の枕元に置いて」
「え、えぇ?」
みょんみょん踊るひよこ豆入りの鉢を、戸惑いながらもベビーベッドの頭側に置いてくれた。
置かれた途端、カラフルな花が咲き、歌に合わせて激しく踊り始めた。
悪魔たちがドン引きしているけど、大丈夫。仕様です。
「きゃっー!」
「すげ、ご機嫌だ」
「魔力の渦が止まった?」
「もしかしてあの花、魔力を吸収してる?」
「あの花は、なんだ?」
すみません、ただのひよこ豆です。
歌って踊って移動もするけど、疲労回復にも使えるし、食べられます。
魔力吸収うんぬんはよく分からないけど、ひよこ豆だし。
そういう事もある。
「風そんなに強かったっけ?」
「これ、魔力じゃないか?」
「甥っ子がギャン泣きしてるのかもです」
『せんちゃんも一緒に行くの?』
「ぷ!」
悪魔に先導され、孫に会いに来たら風ではなく魔力で建物が揺れていました。
え、そんなこと出来るの?
「邪神兄弟が夜泣きするとこんな感じだよな」
「夢の世界じゃなかったら、世界が割れてます」
『マンドラゴラの子守りがプロ級なのよ』
僕の知らないうちに、夢の世界では何やらトラブルが起きていたらしい。
もっとも、謎能力に包まれた世界なので、トラブルもふわっとした感じにすぐ落ち着いてしまうんだって。
さすが謎能力、ご都合主義の権現である。
「こちらです、物が飛んでくる時があるのでお気をつけて」
そう言って、案内役の悪魔が扉を開けた。
「抱き替えます!」
「歌、次いけ!」
「抑制具、割れた!」
「補充完了!」
悪魔と魔人たちが総出で、何やら切迫したやり取りをしていた。
動きは無駄がなく、声も鋭い。
一見すると、最前線の戦闘指揮である。
「んぎゃぁぁぁ!!」
「音痴か!」
「誰か代われ!」
「ハレルヤ イネース!!」
――まぁ違うんだけどね。
そこで繰り広げられていたのは、育児という名の戦いでした。
全員真剣な顔をしているのに、やっていることは抱っこと子守歌のローテーション。
しかも悪魔がアカペラで歌っているのは、キラキラ王子の歌。
それ、クリスマス聖歌なんだけど。
悪魔が聖歌を歌って、ダメージとか受けないんだろうか?
赤ん坊の泣き声が響くたび、空気が波打つ。
柱が軋み、壁の装飾がガタガタ揺れる。
「あーだめだー!」
「誰かー、新曲くれーー!」
「任せろ!」
シュバッと飛び出したのは涼玉とイネス。
同時にマールスが音楽魔道具を起動させた。
「イ・ネ・ス! イ・ネ・ス!」
「みゃんみゃん!」
ノリノリで歌いだす涼玉。
合の手を入れるイネス。
ぽかんと手を止める悪魔たち。
赤ん坊もぴたりと泣き止み、涼玉をじっと見つめている。
「聖なる名を 今ここに!」
「あだだだだ!」
小さな手で拍手してる。可愛い。
涼玉が熱唱している間に、近くにいた悪魔に頼み、土の入った鉢植えを持ってきてもらった。
それから、その鉢にひよこ豆を植える。
涼玉が歌っている最中なのだから、秒で成長するのはお約束だ。
「これ、あの子の枕元に置いて」
「え、えぇ?」
みょんみょん踊るひよこ豆入りの鉢を、戸惑いながらもベビーベッドの頭側に置いてくれた。
置かれた途端、カラフルな花が咲き、歌に合わせて激しく踊り始めた。
悪魔たちがドン引きしているけど、大丈夫。仕様です。
「きゃっー!」
「すげ、ご機嫌だ」
「魔力の渦が止まった?」
「もしかしてあの花、魔力を吸収してる?」
「あの花は、なんだ?」
すみません、ただのひよこ豆です。
歌って踊って移動もするけど、疲労回復にも使えるし、食べられます。
魔力吸収うんぬんはよく分からないけど、ひよこ豆だし。
そういう事もある。
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