神様のポイント稼ぎに利用された3~過保護な神々と溺愛家族に囲われています~

ゆめ

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第四章 新たな使命は特にない

第1215話

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 ワームに乗って移動したら、別のオアシスに辿り着いた。
 水がキラキラしていて、なんだか気持ちよさそう。

 あれです、涼玉が踊ってジャングルにしたあのオアシスに似ている。
 それか小動物の憩いの場から、森になった僕の領地。

「風が涼しくて、砂漠の熱を忘れさせてくれますねー」
「移動楽しかった! にいちゃに相談して、ワームを強化してもらおうかな」
『砂漠が熱帯林になっちゃう』

 ワームから降りると、小さな後ろ姿がオアシスに向かう。
 シャムスは子犬姿でイネスと一緒に駆けていき、涼玉は卵状態になってゴロゴロゴロと転がっていった。
 あれ、酔わないのかな。

 オアシスの周りには砂漠の生き物が集い、争うことなく水を飲んでいる。
 これはあれです、涼玉たちがカイちゃんの結婚祝いに作ったオアシスだ。

 人間は近寄らない場所。
 きっと最初から、そう定めてあるんだろう。

 ただ僕の領地みたいに「絶対に人間は入れない」ほど強力な拒絶ではないから、その分、ワームの群れがここを守っているんだろう。
 さすがシャムスに主として指名されただけのことはある。

 野生動物と魔物が入り混じって休むオアシスの縁に、僕もお邪魔します。
 グリフォンがどっかりと座り、その影で休む子たちもいる。
 その中に年老いた砂漠ゴブリンがいた。

 珍しいなぁ、と思って視線をそらした――その瞬間。
 おもむろに座っていた石を持ち上げ、僕の横まで運んできて、普通に座った。

 ……距離、近くない?

 座った場所が真横。
 布をローブのように羽織っているせいか、占い師めいた雰囲気があって、余計に圧が強い。
 凄いこっち見てる気がする。横を向けない。

 視線が合わない僕に焦れたのか、おばばが一方的にぽつりぽつりと語り出す。

「大地がまだ名を持たぬ頃、空が色を選ぶ前から、わしは知っていた」

 人の言葉、上手ですね。
 ……って、そうじゃない。

「シャムス、イベントが追いかけて来た!」
『追っかけ』
「ストーカーです」
「こえぇぇ」

 撒いたと思ったのに!
 イベントだけ付いてくるとかあり??

 おばばの声は子守歌みたいに抑揚がなくて、内容もふわふわしている。
 光の道だとか、名も知らぬ何かだとか。

「ああでも、前にイベントが追っかけてきたことがあるなぁ」

 夢の中で語りかけてきて、スルーしても追いすがってきて。
 遊びに行った先でとうとう姿を現して……イエティカップルにフルボッコにされて消滅したね。

「ところで……かあちゃ」
「改まって呼ばれると嫌な予感しかしない」
「俺、過去の世界で砂漠を森に変えただろ」
「うん、あれは凄かったね」

 トレントやらひよこ豆も巻き込んでのお祭り騒ぎ。
 魔力が渦を巻き、次元が歪むレベルの大騒動だった。

「あれが忘れられなくてな、もう一回やりたい。兄弟で集まってやれば、もっと面白いことになると思うんだ!」
「力を全解放するのは夢の中でやろうね」

 砂漠という環境をなくしていいかは、一応、カイちゃんとセティに聞いてからにしてほしい。
 ほらあの二人、気軽に砂漠に人間を追放するから。

「祈らずとも感じるだろう」

 ……おばば、まだ語ってた!
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