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第四章 新たな使命は特にない
第1270話
その後の処理はアー君がパパッとやってくれたらしい。
さすがアー君、頼りになる。
僕は冒険者ギルドで美味しくお昼をいただき、獣人さんたちに囲まれてちやほやされていた。
もふもふに囲まれたお昼。
至福である。
「神子様、ここのパンケーキ、美味しいのよ」
そう言ってメニューを前に出してくるのは、狐の獣人のお姉さん。
これは僕におすすめしているわけではなく、注文して欲しいというおねだり。
いいとも。好きなものを頼みたまえ。支払いはアー君がしてくれるからね。
僕がちやほやされているのはメンタルケアみたいなもの。
要は接待である。
アー君が迎えに来るまで僕を甘やかすのがお仕事で、それまでに注文された食事はアー君持ちなんだって。
ただし、獣人専用クエスト。
飲食無料で特別手当が出て、ステータス大幅アップするボーナスクエストです。
熊みたいな体格のおっさんが「俺だって参加したい!」と、何を血迷ったのか、うさ耳付けて参加しようとした時はどうしようかと思った。
受付さんに飛び蹴り食らってたけど。
「私は黄金パフェを食べてみたいのだけど……」
恥じらいながらも、特別お高いのをおねだりしてくる猫さん。
黄金パフェは高い分、味もいいし、ステータスも上がる。
さらに――女性に嬉しい特典、お肌や毛並みが良くなるらしい。
何せ黄金パフェの食材は我が家で採れる食材だからね。
黄金シリーズはイネスの大好物で、あれを食べてぺかぺかするのもお気に入り。
イネスの黄金シリーズへの愛と、涼玉の豊穣がたっぷりと詰まっている。
ひよこ豆なみにチートな食材です。
一方その頃。
「どこかの誰かがママを意図的に召喚した。そして、スタンピードに巻き込んで殺そうとしていた」
アルジュナの言葉に、向かい側に座っていたカイの視線の温度が下がる。
「へぇ、私の母様を……当然、それが誰か突き止めているんだよね?」
顔に「殺す殺す殺す」と書いてある弟を、どうやって止めるべきか。
本音を言えば止めたくはない。
だが止めないと、国家単位で滅ぼしに行ってしまうので、今回は止めないといけない。
なぜなら――
「パーティーの招待状がきているんだ。イネスを激推ししている国の王から」
「……」
それと今の話に何の関係があるのか、と語る目線。
あるから困る。
関係なかったら、黒幕の情報だけ渡してカイを解き放っている。
「今回の黒幕、そのパーティーの主催側にいるんだよ」
国王は完全なる善意、という訳でもない。
スタンピードを収めたのが、イネスの母である神子様だと知り、お礼の宴を理由に「イネス様に会うチャンス!」と張り切ったらしい。
善意というか、ファン心理の暴走と権力の乱用である。
国王のファン心理を悪用する連中。
その中心にいるのが今回の召喚の黒幕。
「ええ、いいでしょう。一度ならず二度までも母様を狙うならば、その性根ごと、魂の一欠けらまで塵に返してあげましょう」
ふ、ふふふ……と、暗く笑うカイ。
アルジュナはそっと目を逸らした。
さすがアー君、頼りになる。
僕は冒険者ギルドで美味しくお昼をいただき、獣人さんたちに囲まれてちやほやされていた。
もふもふに囲まれたお昼。
至福である。
「神子様、ここのパンケーキ、美味しいのよ」
そう言ってメニューを前に出してくるのは、狐の獣人のお姉さん。
これは僕におすすめしているわけではなく、注文して欲しいというおねだり。
いいとも。好きなものを頼みたまえ。支払いはアー君がしてくれるからね。
僕がちやほやされているのはメンタルケアみたいなもの。
要は接待である。
アー君が迎えに来るまで僕を甘やかすのがお仕事で、それまでに注文された食事はアー君持ちなんだって。
ただし、獣人専用クエスト。
飲食無料で特別手当が出て、ステータス大幅アップするボーナスクエストです。
熊みたいな体格のおっさんが「俺だって参加したい!」と、何を血迷ったのか、うさ耳付けて参加しようとした時はどうしようかと思った。
受付さんに飛び蹴り食らってたけど。
「私は黄金パフェを食べてみたいのだけど……」
恥じらいながらも、特別お高いのをおねだりしてくる猫さん。
黄金パフェは高い分、味もいいし、ステータスも上がる。
さらに――女性に嬉しい特典、お肌や毛並みが良くなるらしい。
何せ黄金パフェの食材は我が家で採れる食材だからね。
黄金シリーズはイネスの大好物で、あれを食べてぺかぺかするのもお気に入り。
イネスの黄金シリーズへの愛と、涼玉の豊穣がたっぷりと詰まっている。
ひよこ豆なみにチートな食材です。
一方その頃。
「どこかの誰かがママを意図的に召喚した。そして、スタンピードに巻き込んで殺そうとしていた」
アルジュナの言葉に、向かい側に座っていたカイの視線の温度が下がる。
「へぇ、私の母様を……当然、それが誰か突き止めているんだよね?」
顔に「殺す殺す殺す」と書いてある弟を、どうやって止めるべきか。
本音を言えば止めたくはない。
だが止めないと、国家単位で滅ぼしに行ってしまうので、今回は止めないといけない。
なぜなら――
「パーティーの招待状がきているんだ。イネスを激推ししている国の王から」
「……」
それと今の話に何の関係があるのか、と語る目線。
あるから困る。
関係なかったら、黒幕の情報だけ渡してカイを解き放っている。
「今回の黒幕、そのパーティーの主催側にいるんだよ」
国王は完全なる善意、という訳でもない。
スタンピードを収めたのが、イネスの母である神子様だと知り、お礼の宴を理由に「イネス様に会うチャンス!」と張り切ったらしい。
善意というか、ファン心理の暴走と権力の乱用である。
国王のファン心理を悪用する連中。
その中心にいるのが今回の召喚の黒幕。
「ええ、いいでしょう。一度ならず二度までも母様を狙うならば、その性根ごと、魂の一欠けらまで塵に返してあげましょう」
ふ、ふふふ……と、暗く笑うカイ。
アルジュナはそっと目を逸らした。
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