7 / 1,238
第一章 紡がれる日常
第6話
しおりを挟む
紹介しようか迷っていた事案が一個ありまして。
それは……
「おお神子様!! どうぞ我が国をお救いください!」
「救いませんし、王子と結婚もしなければ相手もいらないので、さっさと元の場所に返してください。あと本気で国が困ってるならまずそこの肥え太った国王ダイエットさせなさい!!」
そう、強制召喚。
おまけの場合やおまけと思ったら本物だったパターンとか、毎回多少違いはするけどブームが去らないらしく年に数回巻き込まれる。
ここは謁見の間かな、偉そうな王様の横にはインテリ眼鏡、鎧を着ているのは将軍かな剣持ってるし、王様から少し離れた所に立っているのは王子とかその辺りだろう。
何度も召喚されたので何となく分かるようになりました!
えっちゃんも面白がってすぐには帰宅させてくれないのである程度付き合わなきゃならないのがなぁ、異世界から来たというのにえっちゃんもだいぶこの世界に染まっているよね。
たまにラスボス戦で切り札として召喚され、魔物側に保護してもらうこともある。その時、僕を召喚した人間サイドはもちろん全滅ですよ。
戦闘力ないのになぜ僕が召喚されちゃうのか、本当に不思議で仕方がない。
BLと同じく、強制召喚も地球からラノベというジャンルが無くならない限り対処しようがないんだって。
でもアー君が言ってた「もし地球を消失させることができても、女神がこの世界で広めちゃってるし、どっちにしろジャンル消失は無理だな」って。夢も希望もないですね。
「明後日は家族でキノコ狩りの予定があるんです、そこの王子も『っふ、面白れぇ奴』とかキザっぽいセリフ吐いてないで自分の国の危機は自分達で何とかしてください」
人数分のお昼作るの本当に大変なんですからね!
デザートや飲み物も用意しなきゃだし、行った先で調理もするだろうからそっちの準備もあるんです!
もしこの召喚のせいで予定が崩れたら……シャムスが泣いてアー君が乗り込んでくるまでがお約束かな。
「し、しかしこの国は今、魔王が率いる魔族に襲撃を受けていて、民が犠牲に……」
それ、どっちも僕の身内なんですけど。
あと僕を召喚しちゃったことで火に油を注ぐどころか、ダイナマイトに火をつけたようなものです。
「分かりました。魔族との戦争を回避すればいいんですね、それなら何とかなります、ただし用意するものがありますけど」
「な、なんでも用意します、国を守るためなら!」
王様の隣で必死に懇願するこの人は宰相さんかな、って王様は偉そうにふんぞり返っているだけか、アー君が一番嫌いなタイプだなぁ。
「王様の首、です」
「え?」
「いやもう本当にそれが一番早いですよ、スパーンと切り落として魔族に土下座すればギリギリかなぁ」
いやに静かだなと思いながら王様を見たら、顔面だけでなく体中を黒いもやに拘束され、瀕死になっていました。
ギリギリと締め上げているのはシャムス命の俺様邪神、迎えが速いなシャムスにお願いされたのかな。
「あ、ホラホラ早くしないと邪神の手柄になっちゃいますよ、自分達の国は自分達で守らないと!」
「――っ将軍!」
「っは!」
土気色になったっぽい王様の首が一閃された。
太ったおっさんの苦しむ顔はモザイク案件だったようで、途中から何も見えていません。
「俺の料理から椎茸は抜け!」
助けに来たというより、恩を売りに来たのかこの俺様邪神は。
まぁ椎茸ぐらいなら抜いてあげてもいいかな、出汁に使っても抜けばいいよね?
「あと鶏肉のおにぎりも食べたい」
「はいはい」
隣に来て僕の手を取ると、あれが食べたい、これが食べたいと要望をあげている。
シャムスのいるところでは格好つけて我儘言わないからねぇ、基本的にこの子って実は甘えん坊さんです。あー可愛い。
「にゃごむな! おれしゃまがちっさくなっちまぅだりょ!」
「死ぬほど可愛い」
「むきぃ!」
いつでも偉そうなこの俺様邪神の秘密、それは――僕が和むとちびっ子になっちゃうんです。
大体一歳とかそのぐらいかなぁ、オムツ姿が本当に可愛い、ぷりぷりしてる姿がもうたまらん。
「国王はどこだ」
和んでいたら地の底から這うようなおどろおどろしい声がその場に響いた。
「禁忌に手を触れたあの男を出せ」
「っ!!」
恐怖にその場にいた人達が一斉に腰を抜かしてしまった。
「ちびった」
「はいはい」
自己申告した俺様邪神にクリーンをかけ、抱っこしたら謁見の間が闇に包まれてカイちゃんが登場。
「……かあさま?」
「カイちゃん久しぶりー」
手を振った次の瞬間、謁見の間の天井が消失した。
「貴様ら人間に来世は無いと思え!!」
「ひょぇ」
ブチ切れたカイちゃんに俺様邪神がぎゅっとしがみついてきた、はぁー可愛い、いつもこんなだったら良いのになぁ。
ここから先は見学禁止らしく、えっちゃんによって転移、帰宅しましたー。
「ねぇえっちゃん、僕がいたことで被害拡大してない?」
「……」
どうやら黙秘権を使うようだ。
うーん、まぁ今更かぁ。
キノコ狩りはカイちゃんも来る予定だし、そんなに長くはかからないだろう。
「ままぁ」
「シャムスただいまー」
「いちゅきを迎えにいってきちゃぞ!」
「あい!」
シャムスの前なのに降りようとしないあたり、もしかしたらこの子……腰を抜かしているかもしれない。
それは……
「おお神子様!! どうぞ我が国をお救いください!」
「救いませんし、王子と結婚もしなければ相手もいらないので、さっさと元の場所に返してください。あと本気で国が困ってるならまずそこの肥え太った国王ダイエットさせなさい!!」
そう、強制召喚。
おまけの場合やおまけと思ったら本物だったパターンとか、毎回多少違いはするけどブームが去らないらしく年に数回巻き込まれる。
ここは謁見の間かな、偉そうな王様の横にはインテリ眼鏡、鎧を着ているのは将軍かな剣持ってるし、王様から少し離れた所に立っているのは王子とかその辺りだろう。
何度も召喚されたので何となく分かるようになりました!
えっちゃんも面白がってすぐには帰宅させてくれないのである程度付き合わなきゃならないのがなぁ、異世界から来たというのにえっちゃんもだいぶこの世界に染まっているよね。
たまにラスボス戦で切り札として召喚され、魔物側に保護してもらうこともある。その時、僕を召喚した人間サイドはもちろん全滅ですよ。
戦闘力ないのになぜ僕が召喚されちゃうのか、本当に不思議で仕方がない。
BLと同じく、強制召喚も地球からラノベというジャンルが無くならない限り対処しようがないんだって。
でもアー君が言ってた「もし地球を消失させることができても、女神がこの世界で広めちゃってるし、どっちにしろジャンル消失は無理だな」って。夢も希望もないですね。
「明後日は家族でキノコ狩りの予定があるんです、そこの王子も『っふ、面白れぇ奴』とかキザっぽいセリフ吐いてないで自分の国の危機は自分達で何とかしてください」
人数分のお昼作るの本当に大変なんですからね!
デザートや飲み物も用意しなきゃだし、行った先で調理もするだろうからそっちの準備もあるんです!
もしこの召喚のせいで予定が崩れたら……シャムスが泣いてアー君が乗り込んでくるまでがお約束かな。
「し、しかしこの国は今、魔王が率いる魔族に襲撃を受けていて、民が犠牲に……」
それ、どっちも僕の身内なんですけど。
あと僕を召喚しちゃったことで火に油を注ぐどころか、ダイナマイトに火をつけたようなものです。
「分かりました。魔族との戦争を回避すればいいんですね、それなら何とかなります、ただし用意するものがありますけど」
「な、なんでも用意します、国を守るためなら!」
王様の隣で必死に懇願するこの人は宰相さんかな、って王様は偉そうにふんぞり返っているだけか、アー君が一番嫌いなタイプだなぁ。
「王様の首、です」
「え?」
「いやもう本当にそれが一番早いですよ、スパーンと切り落として魔族に土下座すればギリギリかなぁ」
いやに静かだなと思いながら王様を見たら、顔面だけでなく体中を黒いもやに拘束され、瀕死になっていました。
ギリギリと締め上げているのはシャムス命の俺様邪神、迎えが速いなシャムスにお願いされたのかな。
「あ、ホラホラ早くしないと邪神の手柄になっちゃいますよ、自分達の国は自分達で守らないと!」
「――っ将軍!」
「っは!」
土気色になったっぽい王様の首が一閃された。
太ったおっさんの苦しむ顔はモザイク案件だったようで、途中から何も見えていません。
「俺の料理から椎茸は抜け!」
助けに来たというより、恩を売りに来たのかこの俺様邪神は。
まぁ椎茸ぐらいなら抜いてあげてもいいかな、出汁に使っても抜けばいいよね?
「あと鶏肉のおにぎりも食べたい」
「はいはい」
隣に来て僕の手を取ると、あれが食べたい、これが食べたいと要望をあげている。
シャムスのいるところでは格好つけて我儘言わないからねぇ、基本的にこの子って実は甘えん坊さんです。あー可愛い。
「にゃごむな! おれしゃまがちっさくなっちまぅだりょ!」
「死ぬほど可愛い」
「むきぃ!」
いつでも偉そうなこの俺様邪神の秘密、それは――僕が和むとちびっ子になっちゃうんです。
大体一歳とかそのぐらいかなぁ、オムツ姿が本当に可愛い、ぷりぷりしてる姿がもうたまらん。
「国王はどこだ」
和んでいたら地の底から這うようなおどろおどろしい声がその場に響いた。
「禁忌に手を触れたあの男を出せ」
「っ!!」
恐怖にその場にいた人達が一斉に腰を抜かしてしまった。
「ちびった」
「はいはい」
自己申告した俺様邪神にクリーンをかけ、抱っこしたら謁見の間が闇に包まれてカイちゃんが登場。
「……かあさま?」
「カイちゃん久しぶりー」
手を振った次の瞬間、謁見の間の天井が消失した。
「貴様ら人間に来世は無いと思え!!」
「ひょぇ」
ブチ切れたカイちゃんに俺様邪神がぎゅっとしがみついてきた、はぁー可愛い、いつもこんなだったら良いのになぁ。
ここから先は見学禁止らしく、えっちゃんによって転移、帰宅しましたー。
「ねぇえっちゃん、僕がいたことで被害拡大してない?」
「……」
どうやら黙秘権を使うようだ。
うーん、まぁ今更かぁ。
キノコ狩りはカイちゃんも来る予定だし、そんなに長くはかからないだろう。
「ままぁ」
「シャムスただいまー」
「いちゅきを迎えにいってきちゃぞ!」
「あい!」
シャムスの前なのに降りようとしないあたり、もしかしたらこの子……腰を抜かしているかもしれない。
33
あなたにおすすめの小説
【完結】ルガルの星―冷徹な社長は、僕の運命を知っていた―
綾波絢斗
BL
この世界には、二つの特別な称号を持つ者たちが存在する。
一つは、絶対的な権力を持つ王の称号――ルガル(lugal)。
もう一つは、ルガルと対をなし、その力を補う「番」――ムル(mul)。
ルガルは生まれながらに選ばれし存在。
国家からエリート教育と地位を与えられ、能力に応じて厳格なランク分けが行われる。
最上位のルガルは、政治さえも動かす絶対者だ。
一方で、ムルは生まれた瞬間にはその正体がわからない。
遺伝子検査や学力テストを経て候補が絞られるが、
最終的に「真のムル」かどうかを見極められるのは――ルガルだけ。
ムルが覚醒したとき、同じ場所に「紋章」が現れ、その瞬間から、ルガルとムルの力は共鳴し始める。
ムルの能力はルガルの力を最大限に引き出す。
ゆえにルガルたちは、自らのムルを求め、時には他人のムル候補を奪い合う。
そして、すべての出生データと遺伝情報を管理するのは、
巨大企業イルジオン――国家をも超える存在。
その頂点に立つ社長、一条レイ。
冷徹なルガルの頂点に君臨する彼が「自分のムル」と出会った。
【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。
N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間
ファンタジーしてます。
攻めが出てくるのは中盤から。
結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。
表紙絵
⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101)
挿絵『0 琥』
⇨からさね 様 X (@karasane03)
挿絵『34 森』
⇨くすなし 様 X(@cuth_masi)
◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。
不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
異世界で孵化したので全力で推しを守ります
のぶしげ
BL
ある日、聞いていたシチュエーションCDの世界に転生してしまった主人公。推しの幼少期に出会い、魔王化へのルートを回避して健やかな成長をサポートしよう!と奮闘していく異世界転生BL 執着最強×人外美人BL
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
もふもふ獣人転生
* ゆるゆ
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
もふもふ獣人リトと、攻略対象の凛々しいジゼの両片思い? なお話です。
本編、完結済です。
魔法学校編、はじめました!
リクエストのお話や舞踏会編を読まなくても、本編→魔法学校編、でお話がつながるように書いています。
リトとジゼの動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントなくてもどなたでもご覧になれます
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
第12回BL大賞さまで奨励賞をいただきました。
読んでくださった方、応援してくださった皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる