神様のポイント稼ぎに利用された3~過保護な神々と溺愛家族に囲われています~

ゆめ

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第二章 聖杯にまつわるお話

第188話

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 最近、騎士様の帰りが遅い。と思ったら、仕事帰りに城下町に寄って、子供達にめんこの相手をしてもらっていました。
 一言言ってくれればいいのにコソコソするのが悪い、夕食のおかず減らしてやろうか。

「ごめんなさい、減らさないで」
「むぅ」
「パパ、家でやれば?」
「だってアー君は手加減してくれないよね?」
「うん」
「城下の子達は生ぬるい笑顔で手加減してくれる!」
「うわぁ接待」

 でも最近は興味がめんこからけん玉やこま、お手玉に興味が移りつつある上に、技術が爆上がりして曲芸レベルにまで上達しているそうです。

「めんこも絵柄でシリーズを揃える方向に行きつつあるし、刀国の子供たちにめんこは遅すぎた」
「けん玉なら付き合うぞ?」
「アー君……両手で出来るって知ってるからね」
「っふ、最近は尻尾も使ってる」

 じっとりとアー君を見つめる騎士様、ふふーんと言わんばかりにけん玉を構えるアー君。
 仲良し親子だなぁ。
 あとアー君。イネスがけん玉狙ってる。

「さらに言えば俺が経営するパン屋ではお買い上げごとにパン屋カードをつけている!!」
「俺はそれを毎日通って集めている!!」

 どどーんと仁王立ちで現れたのは春日さんとエンラだった。

「春日が原因、だったのか!」
「悪い、悪い、商機だと思ってつい」
「ランダムだからコンプリートが遠い、シャムスカード欲しいのにレアすぎて!!」
『僕?』
「本当に存在してるのか怪しいレベルだって聞いたぞ」
「わたしもってる!!」

 ぬははは!と高笑いしながら登場したネヴォラ、声だけは聞こえるけど姿は見えず、どこかなーと思ったら騎士様の肩の上だった。

「こらネヴォラ、騎士様はお仕事から帰ってきた所……いや、城下で遊んできたから別に気遣わなくていい?」
「ごめんなさい気遣って! 明日から出来るだけ真っすぐ帰るから気遣ってぇぇ!」
「パパ弱い」
「イツキ強い」

 ぴょんと騎士様の肩から降りたネヴォラが高々と掲げたカードは二枚、月餅を食べているシャムスが一枚、もう一枚はサンドイッチを作ろうと悪戦苦闘しているシャムスだった。
 なんだこの可愛らしさ、凶悪、僕も欲しい、これは欲しい、確かに欲しい。

「ダブりではなく違う絵柄で二枚、だと!?」
「わたし日頃の行いいいからね!」

 悔しがるエンラにどや顔で自慢するネヴォラ。
 ネヴォラの日頃の行い? 僕が知る限りでは……冒険者の脛を狙って折る、身包みはいでダンジョンから放り出す、たまにゴブリン屋台のお手伝い、ゴブリンと一緒に襲撃する、森の主と一緒に森を散策して遭難しかけている冒険者に食料を提供して高額請求、友達と遊ぶ、賄賂を受け取って冒険者を見逃す、たまに山小屋でお勉強。
 初級ダンジョンの巡回ボスだけあってなかなかの悪逆非道ぶりだと思う。

「こっちの月餅食べてるシャムスは冒険者から奪い取った、戦利品」
「ひでぇ」
「泣いてた」
「だろうよ!」
「その一件についてギルドに泣きついてきたが、ダンジョンでの落し物はダンジョン側に優先権があるからな」
「そうそう、だからこれは私の!」

 サンドイッチを作っている絵はパン屋で引き当てたものらしい。

「ちなみにわたしのカードもある。とうちゃんが引き当てた」
「引きが強い」
『激運』
「愛の力すげぇ」
「俺には、俺には運が足りないのか!!」

 エンラが畳の上に広げたカードはパンの絵ばかりだった。
 うちの子の絵だけでなく、もふもふズが描かれたカードもあるのに、引き当てるのはパンの絵ばかりらしい、それはそれである意味引き運が強いとも言えるんじゃないかな?

「クロワッサン二枚ある、エンラ、クロワッサン好きか」
「普通だな。十枚ぐらい引いたけど孤児院に行ってダブっているの交換してもらったんだよ」
『クロワッサンの愛が重いの』
「一方通行みたいだけどなー」
「ママ、明日の朝食にクロワッサン食べたい」
「はいはい」

 後日、エンラのカードを引いたネヴォラが自慢に来たのだけど、イラストのエンラはクロワッサンを食べていました。
 どうやらうちのエンラはクロワッサンに呪われているみたいです。
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