神様のポイント稼ぎに利用された3~過保護な神々と溺愛家族に囲われています~

ゆめ

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第二章 聖杯にまつわるお話

第261話

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 おやつを食べ終わり、木陰に転がる子供達。
 すぴょすぴょと響く寝息が可愛い。

 それでですね、イネスとネヴォラが女神様からお願いされて森の中に向かい、人命救助をしたことまでは聞いたけれど、さらに詳しく聞いたら穴から救出した時点で帰ってきたらしいです。
 つまり、森の中に放置。

 それは大丈夫なのだろうか。
 せっかく助かった命も魔物の前に露と消えそう。

「っは! 森の方からカレーの香りが! かあちゃ連れてって!」
「え、カレー!? なんで!?」

 お昼寝していたはずの涼玉が飛び起きて、突然そんな事を叫んだ。
 僕は何の匂いも感じないけど、種族としての嗅覚の差だろうか。

「俺は今、猛烈にカツカレーが食べたい!」

 主張する涼玉の熱気に押され、分身したマールスを一体護衛に残してえっちゃんの転移で向かうことになりました。
 あまりにカレー推ししたせいなのか、一部のトレントの枝にカレールーが成っていたのはきっと気のせい。

 えっちゃんに転移してもらい、着いた先で涼玉に向かう方角を聞こうとしたらカレーパンを夢中で食べていてこたえられる状態じゃなかった。
 いつの間に。

「……カレールーとは別のトレントにこれが実っておりまして、つい」

 どうやらマールスが甘やかした結果のようです、涼玉がカレーを熱望するとこうなるのね。
 ただカツの再現は出来なかったようで、カレーパンで妥協したみたいです。もうどこからツッコミを入れれば良いのやら。
 今日の前半、ふわふわしてて正解だったのかな。反動が酷いけど。

 それにしても涼玉がこの状態だと道案内出来ないよね、一応マールスにカレーの匂いを聞いたけど「涼玉様から香っています」と真顔で返答がありました。
 幼児に対してこの執着、成長したらどうなるんだろう。

 我が子の将来に若干の不安を覚えていたら、えっちゃんが触手を伸ばして獣道を示していた。
 涼玉の匂いを一心不乱に嗅いでいるマールスに声をかけ、示された方角へと足を進める。

 たまにはこうやって森の中を散策するのもいいなぁ、キノコ採りとか山菜採りとかそういうのやりたい。
 問題は僕の体力の無さか。

 採取クエストへの憧れを馳せていたら目的地に着いたようです。
 目的地の一歩手前で案内を終了する。カーナビかな?

「えっちゃんこっちに何かあるの?」

 獣道を進み、景色が開けた先で見たのは、川辺で野営料理を作るひょろ長い男性、結界の隅で身を寄せ合うむさ苦しいおじさん数人、結界をぶん殴るオークの群れだった。
 結界を張る鍋……あの救援セットを持っているって事はひょろ長い人は間違いなく刀国の人だろう、おじさん達のポジションは巻き込まれ系のヒロインだろうか。

「……オーク……あっ、涼玉、カツだよカツ!」
「カツ、カレェェエエエエ!!」

 カツへの愛が溢れて「ドラゴンブレス」が「カツカレー」に変換されたようです、しかもいつものブレスより威力が強かった気がする。
 そしてブレスに焼かれたオークは肉をドロップして消滅しました。
 ダンジョン外でもアイテムってドロップするんだね、この場合は涼玉のカツカレーへの愛を謎能力が忖度したと考える方が自然かな?

 魔物が消えると同時に結界も消えた。
 ガクブルするおじさん達を放置してひょろ長い人がドロップした肉を回収、懐から出したスライムにそれを渡すとモグモグした後、揚げたてのカツになって取り出された。
 あのスライム、シャムスのスライムだっ!
 スライムがモグモグしている間に、ひょろ長い人はカレー皿を取り出したり米を温めたりと一つも無駄なく動いている。
 うちの子の対応に慣れている気がするんだけど……学園の授業かギルドで講習会でもやってるのかな?

 ちなみに涼玉は肉が回収されている時点で鍋の前に座り、マールスがその手前に小さなテーブルを設置、涼玉用のスプーンと飲み物を置いたりと甲斐甲斐しく世話を焼いています。

「オークジェネラルの肉を使用したスペシャルカツカレーになります」
「いっただきまぁぁす!!」

 ひょろ長い人が完成したカツカレーを執事のような洗礼された動きで涼玉に差し出すと、待っていましたと言わんばかりに涼玉が大きな口を開いて食べだした。
 えっ、ただのオークじゃなくてジェネラルオークだったの!?

 僕と同じことを思ったらしく、おじさん達が悲鳴を上げ、涼玉の食事の邪魔をするなとマールスに睨まれて声にならない悲鳴を上げていました。
 涼玉の食事が終わったら安全な所まで連れて行くので少々お待ちください。
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