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第二章 聖杯にまつわるお話

第311話

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 今日のメアは泳ぎたい気分らしい、下半身がお魚さんです。
 池は深いところがあるので、クラーケン一家の暮らす池にお邪魔することも考えたけど、あっちはあっちで海藻があって危険なので、室内プールで遊びます。

 ドリちゃんにお願いしてジャングル温泉のお湯を水に変えてもらい、監視役としてクラーケン夫婦を雇い、ついでにミニクラーケンも誘いました。
 これで何があっても大丈夫。

 いやぁそれにしても驚いた。
 僕が転生したばかりの頃は、部屋の切り替えとかはタブレット端末みたいなのでやっていたのに、今やドリちゃんの意思一つで出来るようになったんだよ。
 もはや神薙邸と一体化してるんだろうなぁ。

「はいはい皆さん水着を選んでねー」
『僕いらなーい!』

 シャムスが水着を拒否した、子犬になってお兄ちゃんワンコ達と猛ダッシュで水に飛び込んだ。

「俺はもともと裸、水着よりスライムボードが欲しい」
「涼玉様、用意してありますぞ」

 涼玉は水着を拒否した。
 涼ちゃん、それを言ったら僕の子、誰も水着着てくれなくなっちゃう。

「私はこれ!」
「おそろい!」

 本日のイネス、久しぶりに人化しております。
 白い肌に生えるフリル水着、などではなく、ネヴォラとお揃いの競技用水着です。
 本気で泳ぐ気だ。

「メアはどれにしますかー?」
「んー」

 チラッとお兄ちゃんたちを見たけど、全員バラバラだから何の参考にもならなかったようだ。
 僕が並べた水着を前に唸り、うんうん言いながら体を傾け、倒れたのをスラちゃんに支えてもらっている。

 いや待てよ、そもそもすでに下半身がお魚状態だから、二本足系は履けない?
 水着、いるかな?

 そういう訳で水着は諦め、スラちゃん浮き輪だけ装着して水に解き放ちました。
 水に潜りたい?
 それはまた今度にしてください。

 子供たちが遊んでいる間に僕は木陰を演出した木の下でおやつと水分の用意です、マールスはいるけど霧ちゃんはいません、霧に姿を変えて天井付近に漂い、シャムスを見守っております。
 レベルの高いストーカーですね。

 マールスはテキパキと焚火台と金網を設置、いつ涼玉がおやつを食べにきてもいい態勢だね。
 てっきり涼玉の補助で泳ぐかと思いきや、水に近付こうともしない、もしや泳げない?

「ばしゃばしゃ」
『メアちゃんおじょーず』
「わふわふ」

 とても平和な風景です。
 無駄にハイテンションになることもなく、シャムスやワンコ兄弟とキャッキャと泳ぐ姿は眼福の一言。
 これなら海のダンジョンに一緒に遊びに行けるかな?
 女神様から面倒が片付いたから今度こそ海に遊びに行くぞと誘いがあったんだよね、僕の方もお弁当のストックたくさん出来たのでいつでも大丈夫。

 メアの変化も大体安定したので、まぁきっと大丈夫だろう。
 次の刀雲と騎士様のお休みいつかなー、海楽しみだなぁ。
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