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第二章 聖杯にまつわるお話
第339話
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朝起きたら久々にアー君の足が鳩尾にヒットしていた。
ポンチョのままで寝て良かった。本当に。
そっとアー君の足をどかして起き上がり、ぼんやりと周囲を見回す。
天井付近に浮遊しているあれはシャムスを乗せた霧だろうか、楽しそう。
帝国兄弟はさすがと言うか、皆同じ寝相でちょっと微笑ましい。
刀雲の右腕には僕、左腕にはネヴォラ、お腹の上にイネス。
騎士様はさらに上を行って、左右とお腹にもふもふを侍らすだけでは飽き足らず、ホワイトタイガーのお腹を枕にし、両足には邪神兄弟が巻き付いていた。
モテモテですねぇ。
朝食どうしようかなと思いながら部屋を出たら、音を立てずに吸血鬼の皆さんが朝から働いていた。
きっと夜型なのだろう、若干フラフラしている。
近くを通った顔色が悪すぎる青年を捕まえ、お話を聞いてみた。
「おはよう、ございます」
「おはようお疲れ様、太陽は平気?」
「正直なところ、分かりません。私たちが暮らしていた場所は呪いの影響もあり、昼間でも分厚い雲が太陽を覆い隠しておりました」
なるほど、直射日光を浴びたらどうなるかちょっと分からないんだね。
「シャムスとイネスは平気だった?」
「はい、この地の近くに来た時は魂が吹っ飛びかけましたが、すぐにふわっとした感じで魂が保護されたように感じます」
そのふわっとした時に誰かの加護を受けたんだろうな、誰だろう、えっちゃんか謎能力か……まぁどちらにしろ直射日光浴びてもきっと大丈夫だろう。
つまりこの人たちの顔色が悪いのは単純に栄養不足?
「朝食が一品決まった。手伝って」
「はい」
幽霊のようにフラフラしている青年を引き連れ調理場に向かおうとしたけど、はい、僕は場所を知りませんでした!
素直に案内を頼んでいかにも異世界な調理場に到着。
なんにもないですねー。
食材どころかお皿も鍋も何もないです!
そうだよね、この建物自体、マンドラゴラが数時間で建てただけで、キッチンまで手が回るわけないよね。
でも僕には必殺技がある。
「えっちゃん、お願いします!!」
「キ!」
こんなことだろうと思ったよ。という声がえっちゃんを通して聞こえてきそうでした。
ササーと流れるようにキッチンに入ってくるドリアード部隊、謎能力の力を利用してドリちゃんが掌握でもしたのだろうか、動きが我が家のドリアンのようだ。
僕の疑問に答えてくれたのはえっちゃん。
どうやらこのドリアード達は夜の間に我が家に研修に行き、ドリちゃんとドリアンらからあれこれ指導を受けて今戻ってきたらしい。
チラッと視線をずらせば触手を伸ばしてはお皿やコップ、鍋を作っていくドリアード、わぁ一晩で教育が済んでるー。ドリちゃんさすがぁ。
とりあえずドリちゃん特製ひよこ豆スープが入った寸胴鍋を取り出し、火にかける。
「火は使える?」
「はい、弱いですが」
「弱いほうが助かる」
一応炎耐性はある鍋だから火力強くても大丈夫だけど、ぐつぐつ煮込まれたら熱くてすぐに食べれないからね。
中火ぐらいの火力だったのでそのまま温めてもらい、その間にドリちゃんから送られてきた豆パンを受け取る。さすが僕が何をしようとしているか正確に理解している!!
「温めました」
「うん、じゃあ君たちの朝食にしようか、誰か吸血鬼の皆さんを食堂に集めて、来た人からスープとパン配って」
「ハイ」
手伝ってくれたお兄さんには特別にひよこ豆で作った炒り豆をプレゼント、ご飯の後に食べてください、一眠りしたら強制労働が待ってますよ。
ポンチョのままで寝て良かった。本当に。
そっとアー君の足をどかして起き上がり、ぼんやりと周囲を見回す。
天井付近に浮遊しているあれはシャムスを乗せた霧だろうか、楽しそう。
帝国兄弟はさすがと言うか、皆同じ寝相でちょっと微笑ましい。
刀雲の右腕には僕、左腕にはネヴォラ、お腹の上にイネス。
騎士様はさらに上を行って、左右とお腹にもふもふを侍らすだけでは飽き足らず、ホワイトタイガーのお腹を枕にし、両足には邪神兄弟が巻き付いていた。
モテモテですねぇ。
朝食どうしようかなと思いながら部屋を出たら、音を立てずに吸血鬼の皆さんが朝から働いていた。
きっと夜型なのだろう、若干フラフラしている。
近くを通った顔色が悪すぎる青年を捕まえ、お話を聞いてみた。
「おはよう、ございます」
「おはようお疲れ様、太陽は平気?」
「正直なところ、分かりません。私たちが暮らしていた場所は呪いの影響もあり、昼間でも分厚い雲が太陽を覆い隠しておりました」
なるほど、直射日光を浴びたらどうなるかちょっと分からないんだね。
「シャムスとイネスは平気だった?」
「はい、この地の近くに来た時は魂が吹っ飛びかけましたが、すぐにふわっとした感じで魂が保護されたように感じます」
そのふわっとした時に誰かの加護を受けたんだろうな、誰だろう、えっちゃんか謎能力か……まぁどちらにしろ直射日光浴びてもきっと大丈夫だろう。
つまりこの人たちの顔色が悪いのは単純に栄養不足?
「朝食が一品決まった。手伝って」
「はい」
幽霊のようにフラフラしている青年を引き連れ調理場に向かおうとしたけど、はい、僕は場所を知りませんでした!
素直に案内を頼んでいかにも異世界な調理場に到着。
なんにもないですねー。
食材どころかお皿も鍋も何もないです!
そうだよね、この建物自体、マンドラゴラが数時間で建てただけで、キッチンまで手が回るわけないよね。
でも僕には必殺技がある。
「えっちゃん、お願いします!!」
「キ!」
こんなことだろうと思ったよ。という声がえっちゃんを通して聞こえてきそうでした。
ササーと流れるようにキッチンに入ってくるドリアード部隊、謎能力の力を利用してドリちゃんが掌握でもしたのだろうか、動きが我が家のドリアンのようだ。
僕の疑問に答えてくれたのはえっちゃん。
どうやらこのドリアード達は夜の間に我が家に研修に行き、ドリちゃんとドリアンらからあれこれ指導を受けて今戻ってきたらしい。
チラッと視線をずらせば触手を伸ばしてはお皿やコップ、鍋を作っていくドリアード、わぁ一晩で教育が済んでるー。ドリちゃんさすがぁ。
とりあえずドリちゃん特製ひよこ豆スープが入った寸胴鍋を取り出し、火にかける。
「火は使える?」
「はい、弱いですが」
「弱いほうが助かる」
一応炎耐性はある鍋だから火力強くても大丈夫だけど、ぐつぐつ煮込まれたら熱くてすぐに食べれないからね。
中火ぐらいの火力だったのでそのまま温めてもらい、その間にドリちゃんから送られてきた豆パンを受け取る。さすが僕が何をしようとしているか正確に理解している!!
「温めました」
「うん、じゃあ君たちの朝食にしようか、誰か吸血鬼の皆さんを食堂に集めて、来た人からスープとパン配って」
「ハイ」
手伝ってくれたお兄さんには特別にひよこ豆で作った炒り豆をプレゼント、ご飯の後に食べてください、一眠りしたら強制労働が待ってますよ。
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