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第三章 世界に降りかかる受難

第506話

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 ヘラ母さんと夕食のハンバーグを作って、皆で美味しいねーって言いながら食べました。
 僕が作ったのはもふもふズの間で争奪戦が起こり、一個も残らなかった。モテる男は辛いね。

「俺も食べたかったっ!!」
「ざんねーん」
『美味しかったのよ』
「ばーばの策にはまったぜ」
「野菜ぎっちりハンバーグでした。お肉もエビもなく、でもママが作ったから食べないと泣かれて……」
「あれはずるい」

 全体的にお肉が足りない夕食だったけど、大豆はたっぷり使われているから問題ないってヘラ母さんが言ってたから問題ないの。
 刀雲はお疲れのようで、腹筋の弾力に張りがない。

「という訳で、元に戻るまで私が預かる!!」
「嫌だっ、俺の癒し!!」
「成人になったら返すから」
「それ何年後!? ダメダメ、刀雲も反対だよね!?」

 ヘラ母さんと騎士様が熱い戦いを繰り広げている。
 でも騎士様がヘラ母さんに勝てたことってあるっけ?

「イツキ」
「あい」
「ヘラの所だと美容に良いと野菜と素麺、薬膳料理料理が中心だ。我が家がいいだろう?」
「むむむ」
「寝る時間もお肌のためと9時就寝と聞いている」
「いつもとほぼ同じ?」
「刀雲ファイト!」
『パパガンバー』

 ヘラ母さんと騎士様のバトルをBGMに刀雲が僕を説得しようとしている。
 どうしようかなー?

「イツキ、ヘラの所には筋肉タイプの魔物はいない」
「!!」
「っふ、甘いね。今日からはこの子がいる!」
「ぐお!」
「熊さん、ヘラ母さんの所に行くの?」
「ぐぉおぅ!」
「っく」
「ふふん」

 悔しそうにする刀雲にヘラ母さんが得意げに笑う。悪そうな顔もカッコイイなぁ。

「仕方がない、俺が出よう」
「アー君!!」

 刀雲の形勢不利を察して立ち上がったのはアー君だった。
 
「ママ、俺らと一緒に寝よう」
「一緒に寝る!」

 もふもふ幼児に囲まれて寝る!!
 ヘラ母さんごめんね、今日は子供達と一緒に寝るからお泊りはなしです。

「でも明日の朝はふんわり玉子焼きが食べたいなぁ」
「分かったよ。作りにくるから寝坊しないようにね」
「あーい」

 ヘラ母さんの玉子焼き、隠し味の出汁が美味しいのよね。

「……あれ、それだと結局俺が樹と一緒に寝れないね!?」
「アー君、俺もそっちの部屋に行っていいか?」
「シャムスどうする?」
『パパがいなくても寝れるのよ』
「俺らの部屋、子供部屋だからな。よし、俺もしばらくこっちで寝泊まりする! マールスはとうちゃ達と寝てくれ!」
「……えぇ」
「寝る配置はクジ引きにしましょう、ドリアン、クジ作ってー」

 明日の約束を交わすと、ヘラ母さんは帰っていった。
 くふふ。明日の朝食は和食かな、楽しみ!

 今日はたくさん遊んだので寝ます!
 えっと、えっと、アー君抱っこ!
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