神様のポイント稼ぎに利用された3~過保護な神々と溺愛家族に囲われています~

ゆめ

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第三章 世界に降りかかる受難

第609話

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 山脈に遊びに来たら崖だらけ。
 山羊も羊もドラゴンもいたけど、それ以上に刀雲よりも大きな岩がゴロゴロで見通しが悪いです。

「ひょえぇぇ」

 山羊さんが背中に乗せてくれると言うのでお言葉に甘えて乗ったらさぁ大変、命綱なしで崖を登り始めたのである。
 えっちゃんが居なかったら確実に落ちてた。

「こわわわわ」

 ぐるりと大きく巻かれた角を握りしめても、今の僕の手では握力がたかが知れているので、えっちゃんが補助してくれています。
 じゃなかったら背中から転げ落ちてた。ころーんって落ちてた。

 しかも異世界の山羊、それも魔物の血も混ざったタイプなので、ジャンプ力が半端ない。
 ぴょぴょーんと二段ジャンプとかしてた。
 さらにメルヘンな事にそんな僕らの後ろを羊さんもぽぽーんとジャンプで追いかけてきてた。僕あっちが良かったかもしれない。

『もふもふに埋もれて前見えないの』
「私とシャムスのサイズだと、羊の毛に埋もれちゃうんですねー」
「マールス行けっ! 今こそ邪神の力で物理の法則を無視しろ!」

 僕は山羊さん、シャムスとイネスはもこもこ羊さん、涼玉は大蛇になったマールスの背に乗って崖を登っています。
 なぜ登っているかは分からない、目的地があるのか歓迎のアトラクションなのか判断が付かないの。

 ネヴォラのいる初級ダンジョンで暮らす森の主、あの子は動きがまったりだからこの崖は登れないだろう。
 登れたとしてもジャンプの衝撃で全身の山菜がダメになりそう、そんな事になったら数多の冒険者が泣く。

「着きました!」
『山頂よ』
「ジェットコースターみたいで面白かったな、ここから反対側に下っていいかな」
『涼ちゃん待て』
「ママ生きてますかー?」

 ダメかもしれない、三半規管がキーンってしてる気がします。

「あっ、ママ、ママ、山神が現れました!」
『山羊さん』
「ほあー貫禄すげぇ」
「?」

 草がふさぁっとしている大地に寝転がり、コロコロしていたら何かに引っかかって体が止まりました。
 岩かなぁと思って目を開けたらそこにいたのは巨大山羊。
 二本の角がぐるんぐるんと巻いていて、長毛種なのか毛も長い、お手入れしてなかった森の主ぐらい長い。
 そして涼玉が近くにいる影響なのか、体に芽吹ている緑がガンガン成長してちょっと邪魔そう。

「山脈一帯を守護する番人です、山羊や羊の獣人を害そうとするとおじいちゃんが出てきて妨害するので、最近は強欲な人間に命を狙われているんです!」
『ギルティ』
「信仰集めて山神に進化したじいちゃん狩ったら、この山脈の資源も枯渇するだろ」
『じいちゃんじゃなく、まだ若いって苦情言ってるよ』

 あっ、角の先端にお花が咲いた。小さいけどラフレシアに見える。きっと気のせい。
 涼玉との相性が良すぎて全身満開になっちゃったね。
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