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第三章 世界に降りかかる受難
第915話
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子供たちは目を輝かせながら、ケーキにそっと手を伸ばした。
甘い香りがふんわりと鼻先をくすぐり、小さな指先がそっとケーキに触れる。
それはまるで、幸せの一片をすくい取るような瞬間だった。
まさかの理由で敗退したレイアさん率いる傭兵団チーム、他のどのチームより進みが早かったのもあり他の誰も戻って来ていません。
うちの子たちと彼らの愚痴を聞きつつ、よしよしと慰めていたらそこにヘラ母さんが戻ってきました。
「大変だったようだね、ケーキを焼いてきたから食べて英気を養うといい」
菩薩のような微笑みを浮かべたヘラ母さんが差し出したのは、生クリームたっぷりのカップケーキ。
ほわぁぁ美味しい、絶対あれ美味しい!
「女神様!!」
「菩薩!」
「聖母!」
「マジかよヘラありがとう!」
「群がるんじゃないよ、数はあるから並びな。あと食べる前に手にクリーンを掛けるのを忘れるんじゃないよ」
「分かってますって!」
「ひょー!」
「ダンジョンで何も口にしなかったから嬉しいぜ!」
いそいそと列を作る傭兵たちを前にヘラ母さんに手招きで呼ばれた。
「日差しが強いから、イツキは日陰で兎とお食べ」
「あーい!」
カップケーキが入ったカゴごと渡されたので素直に移動します。
木陰コーナーを占領している角兎の群れの中に潜り込み、角兎たちにふんふんされながら貰ったケーキを頬張ると、人参のほんのりした甘さと香ばしい風味が口いっぱいに広がった。
えっ、人参ってこんなに甘くなるの!? キャロットケーキうまーー!
頬っぺたを押さえて美味しさを味わっていたら、顔の真横に巨大兎の顔が迫っていました。
近い近い、鼻息がケーキにかかってる!
「おいちぃからね、味わって食べるのよ」
自分の分を死守しつつ、カゴを置いた瞬間に角兎がカゴに群がった。
ふぅこれでゆっくり食べれる。
このキャロットケーキなら、野菜嫌いなうちの子たちも美味しく食べれそうね。
「んん??」
視線をシャムスたちに向けたら、レイアさんから傭兵団、うちの子に至るまで全員地面に倒れて涙目で苦しんでるんだけど……??
食中毒、な訳ないか。
うちの子は状態異常無効持ってるし。
立っているのはヘラ母さんと、隣にいる姑獲鳥になりたてのあの人とカイちゃんだけだった。
新人姑獲鳥さんは顔色を真っ青にしてオロオロしているけど、ヘラ母さんとカイちゃんはいい笑顔です。本当になにがあったの!?
あとカイちゃんが最近、ネヴォラなみに神出鬼没ですね!
とりあえずその場にいた全員に配り終えた三人が日陰に移動してきた。
笑顔が怖い。
新人姑獲鳥も同じ思いなのか、角兎に守られていた我が子を抱くと「貴方はいい子に育つのよ」と震えながら言い聞かせていました。
うちの子だっていい子ですよ??
「カイちゃん? 何を配ったの??」
「ピーマンマシマシ青汁ケーキです」
「生クリームはドリちゃんのミルクを使った特製クリームだから、魔力が回復する特製ケーキだよ」
生クリームの美味しさに頬っぺたがきゅーってなった後に、苦みが襲ってくる恐怖のカップケーキだった。
「ドリちゃんもノリノリで手伝ってくれましたよ」
「大丈夫、全員分作ってきたからね」
その後、帰ってきた全員が同じ目にあってました。
甘い香りがふんわりと鼻先をくすぐり、小さな指先がそっとケーキに触れる。
それはまるで、幸せの一片をすくい取るような瞬間だった。
まさかの理由で敗退したレイアさん率いる傭兵団チーム、他のどのチームより進みが早かったのもあり他の誰も戻って来ていません。
うちの子たちと彼らの愚痴を聞きつつ、よしよしと慰めていたらそこにヘラ母さんが戻ってきました。
「大変だったようだね、ケーキを焼いてきたから食べて英気を養うといい」
菩薩のような微笑みを浮かべたヘラ母さんが差し出したのは、生クリームたっぷりのカップケーキ。
ほわぁぁ美味しい、絶対あれ美味しい!
「女神様!!」
「菩薩!」
「聖母!」
「マジかよヘラありがとう!」
「群がるんじゃないよ、数はあるから並びな。あと食べる前に手にクリーンを掛けるのを忘れるんじゃないよ」
「分かってますって!」
「ひょー!」
「ダンジョンで何も口にしなかったから嬉しいぜ!」
いそいそと列を作る傭兵たちを前にヘラ母さんに手招きで呼ばれた。
「日差しが強いから、イツキは日陰で兎とお食べ」
「あーい!」
カップケーキが入ったカゴごと渡されたので素直に移動します。
木陰コーナーを占領している角兎の群れの中に潜り込み、角兎たちにふんふんされながら貰ったケーキを頬張ると、人参のほんのりした甘さと香ばしい風味が口いっぱいに広がった。
えっ、人参ってこんなに甘くなるの!? キャロットケーキうまーー!
頬っぺたを押さえて美味しさを味わっていたら、顔の真横に巨大兎の顔が迫っていました。
近い近い、鼻息がケーキにかかってる!
「おいちぃからね、味わって食べるのよ」
自分の分を死守しつつ、カゴを置いた瞬間に角兎がカゴに群がった。
ふぅこれでゆっくり食べれる。
このキャロットケーキなら、野菜嫌いなうちの子たちも美味しく食べれそうね。
「んん??」
視線をシャムスたちに向けたら、レイアさんから傭兵団、うちの子に至るまで全員地面に倒れて涙目で苦しんでるんだけど……??
食中毒、な訳ないか。
うちの子は状態異常無効持ってるし。
立っているのはヘラ母さんと、隣にいる姑獲鳥になりたてのあの人とカイちゃんだけだった。
新人姑獲鳥さんは顔色を真っ青にしてオロオロしているけど、ヘラ母さんとカイちゃんはいい笑顔です。本当になにがあったの!?
あとカイちゃんが最近、ネヴォラなみに神出鬼没ですね!
とりあえずその場にいた全員に配り終えた三人が日陰に移動してきた。
笑顔が怖い。
新人姑獲鳥も同じ思いなのか、角兎に守られていた我が子を抱くと「貴方はいい子に育つのよ」と震えながら言い聞かせていました。
うちの子だっていい子ですよ??
「カイちゃん? 何を配ったの??」
「ピーマンマシマシ青汁ケーキです」
「生クリームはドリちゃんのミルクを使った特製クリームだから、魔力が回復する特製ケーキだよ」
生クリームの美味しさに頬っぺたがきゅーってなった後に、苦みが襲ってくる恐怖のカップケーキだった。
「ドリちゃんもノリノリで手伝ってくれましたよ」
「大丈夫、全員分作ってきたからね」
その後、帰ってきた全員が同じ目にあってました。
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