神様のポイント稼ぎに利用された3~過保護な神々と溺愛家族に囲われています~

ゆめ

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第三章 世界に降りかかる受難

第962話

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 転移したら雲より高い場所だった。
 気絶したい。
 気絶したいけど、今は助けを待っている人たちを助けるのが優先なのである。

 いつもならスルー推奨だけど、沈没の元凶が女神様なので、その神子である僕が動かねばっ……!!
 こんな事ならBLカップルを脳内で描いてくれている方が平和でいいと思う!

 震える手でヨムちゃんの服を掴み、下を見ないようにヨムちゃんの肩にむぎゅっと顔を押し付ける。
 当のヨムちゃんはテンション高く叫びながら落下中、ジェットコースターとか全力で楽しむタイプなんだろうなぁ。おっかないぃぃぃ!

「母ちゃん、沈みかけてる船見つけたぞー!」
「急いでぇぇぇ」

 そしてさっさと終わらせて陸に帰ろう!
 僕、これが終わったらタケノコ尽くし食べるんだ!

「いっくぜぇぇぇ!」

 ――どーん!!

 ヨムちゃんが豪快に着水した瞬間、巨大な岩を投げ込んだような大波が起きました。
 沈没寸前の船の間近でそんな衝撃を起こしたらどうなるか、うむ、僕でも分かる。

「……あ、ああああああっ!」

 ただでさえ傾いていた船が衝撃の追い波でぐらり、ぐらりと揺れる。
 僕の周りだけ何もないのは、ヨムちゃんのおかげとポンチョのおかげ、どっち!?

「ヨムちゃん、ここどこ!!」
「呪われた雪山近く」
「どうしてそこを海路に選んだのぉ!?」

 そりゃ船も沈むよ! 気候を変えるほどの呪いだよ!?

「土地が違えば呪いが起こした現象も正確に伝わらないし、何より昔の話すぎて危機感が薄れてるとかそう言う感じだと思うぞ」
「実際は現役だけどね!」

 イネスの力でも浄化出来ない強力な呪いの塊ですよ??
 本人は呪いを振りまきながらバカンス楽しんでいるけどね!
 あと雪山で生きる魔物は呪い耐性が進化しているみたいで、王様の呪いも平気みたいです。

 でもあの雪山が近いなら使える手段がある。
 ヨムちゃんは人間の生死に対して興味を持たない、死んだら死んだで魂を回収しておやつに食べようかなって程度の認識だと思う。
 海神である前に邪神一家の子なので。

「クラーケーーーン!」

 ざっぱぁぁん、と海に白い波が立つ。
 沈みゆく船を持ち上げ「参上!」と言わんばかりにポーズをとったのは、雪山で恋人とイチャイチャライフを送るクラーケンだった。
 え、結婚して子供も生まれたから恋人じゃなくて夫婦? ごめんね? あとおめでとう。

 そこに急接近してくる巨大な氷の板、先頭に立つのはクラーケンの運命の恋人である青年A。
 どうやら嫁を追いかけるために氷でサーフィンしてきたらしい、ツッコミはしない、絶対に。

 船を氷の板の上に乗せてもらい、クラーケンに押してもらってそのままザブザブと移動。
 さすがに雪山に寄せるわけには行かないので、セティの所が妥当だろうなぁ、港もあるし。

「ハニー、クラーケンの君もやっぱり美しいね」
「ぽぽ」

 そう言えば忘れていたけど、この青年A、クラーケンに一目惚れした変態だった。
 変態を進化させないためにクラーケンに人間になってもらったはずが、違う方向で進化してました。
 さすが変態である。僕でも動きが読めなかったや。
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