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優しい人生を

第14話

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 お昼のお弁当は好評でした。
 頑張ったかいがあった。
 作り始めたらドリちゃんがどんどんアレンジしていって、お手本みたいなお弁当が出来た時は感動したなぁ。
 次は洋風お弁当にチャレンジしてみようかな。

『このおにぎり俵型!』
「わふわふ」
『中身は梅なの、すっぱいの!』
「わぅん」
『食べれるよ、大丈夫』
「がぅがぅ」
『兄様はお肉はいってたの? 僕も次それ食べるの、え……もう……おわ、った?』
「きゅぅん」

 肉多めにしたおかげで子供達も大喜び、唐揚げを仕込んだおにぎりは三匹が独占状態だった。どうやって取っているかって? ドリアンがそれぞれ付いてお願いされたものを取っては食べさせてあげてるんだ。お陰で肉類の減るスピードが大変な事に。
 アスパラと人参をベーコンで巻いて揚げ物にしたやつは、人参いらないから抜いてと言われたけどスルーした、お野菜も大事だからね。
 重箱から好きなものを選んで食べるから、野菜が残りそう……対策を考えねば。

 稲荷寿司も作ったのだけど、そっちは神薙さんが次から次へと食べてあっと言う間に終わった。
 曲芸のような食べっぷりだったよ、今は特大肉団子を流し込むように食べている。ちなみに二皿目で、あと五皿は山盛りに用意してあるけど足りるかな。

「おにぎりは携帯にいいね」
「売れそうだね、民に広めよう」

 双子の発言がすでに一般市民ではなくなっている。
 ……いや、これはクロードさんの影響かもしれないな。

「鬼羅、鬼羅」
「?」
「ぼいん」

 爆弾おにぎりを二つ手に取り、胸に当ててそう呟いた刀羅に鬼羅が噴き出した。

「……刀羅?」
「ごめんなさい」

 僕が注意するより先にアカーシャの笑顔が早かった。
 三匹も注意されてもそもそと野菜を食べている、おかしい……僕よりも効果がある。

「まま、お肉!」
「はいはい」

 僕はイネスにご飯を食べさせている所です。
 本来ならラーシャのお仕事だけど腰を痛めて動けないそうです、原因はもちろんイネス、後でお弁当を持たせてあげよう。

「このお肉ぷりぷりしてますね」
「海老フライっていうんだよ」

 お肉じゃないけど知識がなければバレはすまい、美味しかったのかもう一本と催促された。
 まぁもちろん海老じゃないんだよね、伊勢海老より大きな海老っぽい『ブラックタイガー』という魔物らしい…………教えられた時は「それ海老の種類」とツッコミそうになったよ。
 それを丸々使った海老フライは神薙さんがうっとりしながら食べてた。

 殻が栄養あるらしいんだよね、副官さんに頼んだら養殖してくれないかなぁ、ラーシャなら多分いけるだろうからお弁当に詰めておこう。
 あとはスタミナ回復にドリちゃんミルクと、ドリちゃんの実を使ったおにぎりも詰めて~、食べたらまた攻められるだろうから回復薬も添えてあげよう。

「けっぷ」

 イネスはゲップも可愛いね。
 ラーシャへの攻め具合は容赦ないけど。
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