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祭事

第140話

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 王子様の護衛を引き連れ帰宅したレイアさんは、屋台巡りをして帰って来たのか手に色々な食べ物をぶら下げていた。
 帰宅が遅いわけだ。

「帰ったぞー、イツキこれ今晩の酒の肴に出して」
「……レイアさん、禁酒中でしょう?」
「だーいじょうぶだって、バレなきゃ」
「お邪魔するっす」
「うおー美味そうな料理!!」
「すげー食ってみていい!?」
「やめろこの馬鹿! イツキ怒らせたら私ら全員夕食抜きになるぞ!」
「「ひぇぇ」」

 否定はしない。
 神薙さんにも許してないつまみ食いを他人に許すわけないですよね。

「屋台料理はお皿に盛り付けますのでドリアンに渡してください、レイアさんはノンアルコールで妥協してくださいね」
「へーい」
「姉さんが素直に従ってるだと」
「すげぇっす」
「一口だけでも」
「はいはい、全員部屋から出る。客間でくつろぐのも良し、お風呂に入って旅の疲れを癒すのも良し、とにかく部屋から出る!!」
「撤収!!」
「「イーー!」」

 どこぞの悪役集団か……もう夕食まで立ち入り禁止にしようかな。

『かあしゃまー、お肉いっぱいなのよー!』

 駄目かー、帰宅時間だもんね~。

「シャムスはなーに?」
『ワニっぽい魔物だったの』
『こっちは鶏だ、イネスはどうだ』
「狼の群れでしたね、タイガの咆哮で痺れさせてから狩りつくしました」
『タイガは?』
「生け捕りにした魚を池に放流しに行きました。鮮度を保つです」
『にーに達はドラゴン? 大丈夫だった?』
「「わふわふ」」

 お喋りしながらこちらへ来る子供達を部屋に入る前に台所へ誘導、次々出される肉はドリアンが受け取り選別してくれた。
 山のような肉、でも多分余らないだろうなぁ、今日は邪神一家揃うし。

「まったく、逃げ足の速い」
「!! ラウルさん!」

 スラちゃんに魔物ごと渡し、解体作業をしてもらっている所に現れたのは、いつの間にか仕事で騎士様の傍を離れたラウルさんだった。
 懐かしー!
 参謀さん以上に懐かしー!

「イツキ、久しぶりですね、我が君に無体な事されていませんか?」

 されてます。
 双子とアー君は僕と騎士様の御子です。

 もしかして、知らない?
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