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貴族になろう
第161話
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鞄の件はあっさり解決しました。
皆さんは覚えていらっしゃるでしょうか、シャムスの加護を受けた裁縫スキルを持つドリアードの『ジェイド』を、僕は忘れていました。
彼とタイガの共同制作で兄弟分+ベル君、マシュー君、翡翠くん、周防くんの鞄が作られたんだ……うん、かなりの大量発注だね、お疲れ様でしたー。
「これダンジョン産のドラゴンの皮だね」
「ええ、神薙殿が数種類狩ってくれたおかげで、豊富な種類を作る事が出来ました」
そう胸を張るのは本日のヒーローの座を射止めたタイガ、周防くんの鞄はすでにラセンの手に渡してあり、とても喜ばれてご褒美を貰ったそうな。ラブラブで何より。
「肉もう全部食べ終わったっけ?」
「まだ残ってますよ、リクエストはありますか?」
「カツ、カツがいい」
「分かりました」
僕の力では加工できないけれどドリちゃんなら余裕です。
本日の夕食は揚げたてのカツと、串カツ、カツ丼、カツ重、ソースカツ丼、カツカレー、カツサンド、あとキャベツとお味噌汁ってところか。
胸焼け起こしそうだけど神薙さんにそれはない、さすが邪神、胃が強い。
よぉし、下拵え頑張るぞ。
「え、えぇぇ俺もいいの!?」
「マシューも僕らの家族のようなものだしね」
「光栄過ぎて倒れそう……ありがとうございます」
「マシューのはこれだ」
そう言ってタイガが渡したのは、他の鞄よりポケットが多かった。
いや、あれは鞄と言うよりリュックサック?
「おお、これ凄くいい、シャムス様のお世話セット入れるのに便利だ、こっちはハンカチ、おお隠しポケットもある、ここにはオムツを入れておこう。背負えるから両手も空くのがいいです」
「ちょっと待った。学園で使う鞄だよね? なんで主にシャムスのお世話セット入れようとしてるの?」
「……あ、つい癖で、でもこれ……普段使いも出来るレベルです……むしろ使います」
マシュー君、まだ子供なのにおかんスキルが僕より高い。
アイテムボックスは刀国の人間だけが持つ特殊スキル、孤児院出身の子だと持っていない可能性があると気付いてしまって持っていないのか聞くに聞けない。
「ブラン、これにしよう、色違いのお揃いなのである」
「ブラン、ついでにこの鈴も付けるといいよ、神薙さんの祝福付き」
『ブランこれ筆箱なの、僕の手作りよ! ……タイガに手伝ってもらったけど』
『ブラン、ブラン、このペンは私の手作りだ! ドリちゃんに加工して貰って永久に使える優れモノだ!』
「ブラン僕からはハンカチあげます、ベルすぐ号泣しますからね、厚めの生地です」
「ブラン、俺からはこれだ、ベルとお揃いの登校用の靴だ、小さくなったら言うがいい調節する」
愛されておるのぉ、ブランがひたすら頷いているけど、その隣でベル君が微妙な顔をしている。お揃い発言が小姑達に流されちゃったからねー。
「……ふぇ」
「ブラン!」
『に、にーにーーーーー!!』
『ブランが泣いたぁぁぁ!』
「母様タオル!」
「タオルならここにあります!」
直後、シャムスが呼んだのか庭で遊んでいた三匹がすっ飛んできて、ぽろぽろ涙を流すブランの顔を舐め倒した。
パニックを起こしたシャムスとイネスもそれに参加、嫉妬したベル君が参加しようとしてタイガが首根っこを押さえて阻止するなど中々カオスだった。
「こらベル! どさくさに紛れてブランの服の中に手を入れない!」
「っち、アカーシャのケチ!」
「ひぁぁぁぁ」
アカーシャが一緒に登校してくれる決意をして本当に良かった。じゃないと初日でブランの純潔が失われそうな勢いだ。
マシュー君も今以上に頑張ってもらおう、って、哺乳瓶は学校に持って行かなくていいんだよ、シャムスは登校しないから!
皆さんは覚えていらっしゃるでしょうか、シャムスの加護を受けた裁縫スキルを持つドリアードの『ジェイド』を、僕は忘れていました。
彼とタイガの共同制作で兄弟分+ベル君、マシュー君、翡翠くん、周防くんの鞄が作られたんだ……うん、かなりの大量発注だね、お疲れ様でしたー。
「これダンジョン産のドラゴンの皮だね」
「ええ、神薙殿が数種類狩ってくれたおかげで、豊富な種類を作る事が出来ました」
そう胸を張るのは本日のヒーローの座を射止めたタイガ、周防くんの鞄はすでにラセンの手に渡してあり、とても喜ばれてご褒美を貰ったそうな。ラブラブで何より。
「肉もう全部食べ終わったっけ?」
「まだ残ってますよ、リクエストはありますか?」
「カツ、カツがいい」
「分かりました」
僕の力では加工できないけれどドリちゃんなら余裕です。
本日の夕食は揚げたてのカツと、串カツ、カツ丼、カツ重、ソースカツ丼、カツカレー、カツサンド、あとキャベツとお味噌汁ってところか。
胸焼け起こしそうだけど神薙さんにそれはない、さすが邪神、胃が強い。
よぉし、下拵え頑張るぞ。
「え、えぇぇ俺もいいの!?」
「マシューも僕らの家族のようなものだしね」
「光栄過ぎて倒れそう……ありがとうございます」
「マシューのはこれだ」
そう言ってタイガが渡したのは、他の鞄よりポケットが多かった。
いや、あれは鞄と言うよりリュックサック?
「おお、これ凄くいい、シャムス様のお世話セット入れるのに便利だ、こっちはハンカチ、おお隠しポケットもある、ここにはオムツを入れておこう。背負えるから両手も空くのがいいです」
「ちょっと待った。学園で使う鞄だよね? なんで主にシャムスのお世話セット入れようとしてるの?」
「……あ、つい癖で、でもこれ……普段使いも出来るレベルです……むしろ使います」
マシュー君、まだ子供なのにおかんスキルが僕より高い。
アイテムボックスは刀国の人間だけが持つ特殊スキル、孤児院出身の子だと持っていない可能性があると気付いてしまって持っていないのか聞くに聞けない。
「ブラン、これにしよう、色違いのお揃いなのである」
「ブラン、ついでにこの鈴も付けるといいよ、神薙さんの祝福付き」
『ブランこれ筆箱なの、僕の手作りよ! ……タイガに手伝ってもらったけど』
『ブラン、ブラン、このペンは私の手作りだ! ドリちゃんに加工して貰って永久に使える優れモノだ!』
「ブラン僕からはハンカチあげます、ベルすぐ号泣しますからね、厚めの生地です」
「ブラン、俺からはこれだ、ベルとお揃いの登校用の靴だ、小さくなったら言うがいい調節する」
愛されておるのぉ、ブランがひたすら頷いているけど、その隣でベル君が微妙な顔をしている。お揃い発言が小姑達に流されちゃったからねー。
「……ふぇ」
「ブラン!」
『に、にーにーーーーー!!』
『ブランが泣いたぁぁぁ!』
「母様タオル!」
「タオルならここにあります!」
直後、シャムスが呼んだのか庭で遊んでいた三匹がすっ飛んできて、ぽろぽろ涙を流すブランの顔を舐め倒した。
パニックを起こしたシャムスとイネスもそれに参加、嫉妬したベル君が参加しようとしてタイガが首根っこを押さえて阻止するなど中々カオスだった。
「こらベル! どさくさに紛れてブランの服の中に手を入れない!」
「っち、アカーシャのケチ!」
「ひぁぁぁぁ」
アカーシャが一緒に登校してくれる決意をして本当に良かった。じゃないと初日でブランの純潔が失われそうな勢いだ。
マシュー君も今以上に頑張ってもらおう、って、哺乳瓶は学校に持って行かなくていいんだよ、シャムスは登校しないから!
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