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権力とは使う為にある
第210話
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レイアさんがまだこの世界に居て娘さんが帰った理由が判明したのは、シャムスのお遣い成功を祝う夕食の席でのことだった。
本日限定で謹慎を解除された冷えたエールを片手に飲み始めている女神様はともかくとして、この後にあるシャムスの初めてのお遣いの映像を鑑賞するイベント目当てに獅皇さんも来てるからシャムスが最初からテンションマックスなんだよね。
夕食終わるまで体力持つかな?
「いやぁ、もう呪いレベルだわ」
乾いた笑いでレイアさんが語ったのは、お腹の子供が普通と違う速度で育っているという事。
お酒に手を伸ばしかけたので、ドリアンが素早くノンアルコールにすり替えていた。
「今までの子供達は問題なく十月十日で生まれて来た、でもこの子はさ……もうじき生まれそうなんだ」
「え」
「この世界は何なんだろうな」
遠い目をされた。
女神様、女神様、レイアさんに呆れられてるよ!
目が合った「かんぱーい」って違う、そうじゃないよ女神様、ああもう、久々の宴会参加で自制心がゼロになってる。
「それでさイツキ」
「はい?」
「この子のナニーやってくれねぇか? 私の加護やるからさ」
これまた気軽に加護をもらう機会がやってきた。
「でも僕、レイアさんの加護貰っても使い道がないです、それにアー君がすでに加護貰っていた気がします」
「分かってねぇなイツキ」
にやりと笑ったレイアさんはなかなか様になっている。
「私は戦女神、加護が真に力を発揮するのは戦場だ」
「僕、戦わないです」
「何言ってるんだよ、主婦にとって台所も戦場の一つだろ」
「たしかに!」
「私の加護で上がるのは主に攻撃力だ、つまり」
「つまり?」
「ドラゴンも捌けるようになる!」
「わぁ欲しいかも!」
今はドリちゃんに任せっきりの作業も手伝う事が出来るって事だよね!
「じゃあ決まりな、はい、契約したー」
「待ってください『欲しいかも』って言っただけで、欲しいとは言ってないです」
「悪いな、契約解除の仕方知らないんだわ~、いやー困った困った。一応、攻撃力が上がるのは武器を持った時限定にしておいたから」
「それは便利」
僕が常に攻撃力高い状態ってのも困るもんね。
「私はこの世界に残るわけだし、故郷に戻ってもいいってパーシヴァルに言ったんだけどよ、笑顔で拒否された」
「今も孤児院に入り浸りの日々ですしね」
あと学園。
アカーシャが言うには子供達と遊んだり、勉強を教えて欲しいと囲まれたりと充実した日々を送っているらしい。
子供に性的興奮を覚える人じゃなくて良かったと思う、僕はちょっと危ないけど。
「母様、シャムス寝たよ」
「よし」
ここで一番揉めたのは誰が寝たシャムスに添うかだった。
シャムスに添い寝してあげたいのは山々だけど、誰もが映像を見たくて珍しく譲らなかったんだ。
僕が……とも思ったけど、僕も見たい、だってアー君とお留守番だったから。
平和な解決案として、獅皇さんが懐にシャムスを入れる案で落ち着きました。
起きないように防音の術を服に縫い付ける周到さ、みんな気合が入っています。
『ぷぴー』
「朝まで起きないと思う、さぁ観ようか」
獅皇さんの言葉を合図に春日さんが魔道具っぽい何かを操作すると、庭に映像が浮かび上がった。
アー君は騎士様と白熊さんを振り切り、一番前で鑑賞するようだ。
楽しみだね!
本日限定で謹慎を解除された冷えたエールを片手に飲み始めている女神様はともかくとして、この後にあるシャムスの初めてのお遣いの映像を鑑賞するイベント目当てに獅皇さんも来てるからシャムスが最初からテンションマックスなんだよね。
夕食終わるまで体力持つかな?
「いやぁ、もう呪いレベルだわ」
乾いた笑いでレイアさんが語ったのは、お腹の子供が普通と違う速度で育っているという事。
お酒に手を伸ばしかけたので、ドリアンが素早くノンアルコールにすり替えていた。
「今までの子供達は問題なく十月十日で生まれて来た、でもこの子はさ……もうじき生まれそうなんだ」
「え」
「この世界は何なんだろうな」
遠い目をされた。
女神様、女神様、レイアさんに呆れられてるよ!
目が合った「かんぱーい」って違う、そうじゃないよ女神様、ああもう、久々の宴会参加で自制心がゼロになってる。
「それでさイツキ」
「はい?」
「この子のナニーやってくれねぇか? 私の加護やるからさ」
これまた気軽に加護をもらう機会がやってきた。
「でも僕、レイアさんの加護貰っても使い道がないです、それにアー君がすでに加護貰っていた気がします」
「分かってねぇなイツキ」
にやりと笑ったレイアさんはなかなか様になっている。
「私は戦女神、加護が真に力を発揮するのは戦場だ」
「僕、戦わないです」
「何言ってるんだよ、主婦にとって台所も戦場の一つだろ」
「たしかに!」
「私の加護で上がるのは主に攻撃力だ、つまり」
「つまり?」
「ドラゴンも捌けるようになる!」
「わぁ欲しいかも!」
今はドリちゃんに任せっきりの作業も手伝う事が出来るって事だよね!
「じゃあ決まりな、はい、契約したー」
「待ってください『欲しいかも』って言っただけで、欲しいとは言ってないです」
「悪いな、契約解除の仕方知らないんだわ~、いやー困った困った。一応、攻撃力が上がるのは武器を持った時限定にしておいたから」
「それは便利」
僕が常に攻撃力高い状態ってのも困るもんね。
「私はこの世界に残るわけだし、故郷に戻ってもいいってパーシヴァルに言ったんだけどよ、笑顔で拒否された」
「今も孤児院に入り浸りの日々ですしね」
あと学園。
アカーシャが言うには子供達と遊んだり、勉強を教えて欲しいと囲まれたりと充実した日々を送っているらしい。
子供に性的興奮を覚える人じゃなくて良かったと思う、僕はちょっと危ないけど。
「母様、シャムス寝たよ」
「よし」
ここで一番揉めたのは誰が寝たシャムスに添うかだった。
シャムスに添い寝してあげたいのは山々だけど、誰もが映像を見たくて珍しく譲らなかったんだ。
僕が……とも思ったけど、僕も見たい、だってアー君とお留守番だったから。
平和な解決案として、獅皇さんが懐にシャムスを入れる案で落ち着きました。
起きないように防音の術を服に縫い付ける周到さ、みんな気合が入っています。
『ぷぴー』
「朝まで起きないと思う、さぁ観ようか」
獅皇さんの言葉を合図に春日さんが魔道具っぽい何かを操作すると、庭に映像が浮かび上がった。
アー君は騎士様と白熊さんを振り切り、一番前で鑑賞するようだ。
楽しみだね!
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