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権力とは使う為にある

第255話

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 闇龍とは竜族の故郷である天上界を支える一柱。
 彼の暮らす洞窟には壁一面に黒水晶が生えており、一欠片でも莫大な魔力を秘めている。
 秘宝を手に入れる為に起きた争いは数知れず、だが過去に秘宝を手にした者はごく少数。

「前世それで剣作った事あるぞ、凄い斬れる」

 ごく少数の一人がまさかの身内アー君
 いや別にまさかでも何でもないか。

「込める力で色々使えて本当便利」
「でもかぐやは力放棄してるよ?」
「はははは、お母様何を言ってらっしゃるのやら、私達は力を共有している、兄弟の力を引き出せば無双し放題! 引き出し方分からなくてもこれなら掲げるだけで大抵の魔物は逃げる!」

 護身用にはこれ以上ない逸品だね。

「その二」
「氷龍の吐息で作った食器各種!」
「それ、人間が扱えるの?」

 クリスタルみたいにキラキラ光って綺麗だけどね、え、聖属性付き、そりゃ凄い。
 でも触ったら手が凍り付きそうで怖い。

「その三」
「神炎龍の加護付きブレスレット!」

 素人の僕が見ても繊細で芸術的な仕上がり、「すげーすげー」ぐらいしか感想言えないけど、これはタイガの作品ですね。

「その四!」
「黄龍の鱗で作った扇子!」

 騎士様がなかなか帰って来ない理由って、素材を集めるために奔走してたからなのかな?
 もうこの時点で防御力カンストしてる気がします。
 権力もカンストしてる。

 何言ってるか自分でもよく分からなくなってきた。

「その五はねー」
「御付きとしてラビ!」

 コサックダンスをしながら登場したのはラビ、熟練のダンスですねー、足の関節どうなってるのか気にしたら負けな気がする。
 でも僕の意見取り入れてくれてありがとうね。

「その六はちょっと現実的でーす」
「お米貿易許可証! どやぁ」
「兄様方ありがとうございます!」
「いいよー」
「利益になるしねー」
「これでドラグーン王国での私の立場は盤石!」

 高笑いしそうな勢いで部屋に飛び込んできたかぐやの手には上質な書類の束、どうやら衣装の最終確認から逃亡してきたようだ。

「かぐやが日に日にお転婆になっている気がする」

 最初はもっとこう、静々とした子だったような。
 気のせいだったのかな?

「これで最後!」
「その七は――父様の力が込められた笛! 吹くとランダムで父様が駆け付けます!」

 一見クリスタルの筒にしか見えないそれが一番物騒とはこれ如何に。

「ん? ランダム?」
「春日の冒険者セットをヒントに作ったの」
「困った時に吹くと僕ら家族の誰かか、もふもふズまたは父様の知り合いから誰かが召喚されるんだよ。誰が召喚されるかは僕らも分かんない」

 誰が召喚されても武力解決一択な気がする!
 スタンピード用って事で自己解決しておこう。
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