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ダンジョン
第335話
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ダンジョンの暴走、その最大の原因は――
「誠に申し訳ございません」
こちらの女神様でしたー。
なんでも現在、女神様が一番はまっているのが迷宮系の小説で、数か月に一度、多い時には一ヶ月毎にスタンピードが起こるお話。
添え物的に乙女ゲーム要素が入っていて、婚約破棄がどうのこうの。
もちろんヒーローもヒロインも男の人。
「断罪の場で責められるものの、その時はスタンピードで領地にいたっていう切り返したりしてさ、調べもしない婚約者の愚かさが浮き彫りに――」
「女神様」
これ、あまり反省してないな。
そもそも簡単に反省するような女神だったら、ここまで世界観改変しませんね。
「悪気はないんだ」
あったら困る。
「それで、今回のダンジョンは誰のですか?」
「雷様です」
「雷かー」
「我かー」
「あちゃー」
それ、この世界の人間じゃ歯が立たないフラグじゃないですかぁ。
「ばーばにバレたらお叱り受けちゃうな」
「早くなんとかしたほうがいーぞ」
『雷ちゃんめっ!』
「雷ちゃんのせいだけじゃないからね、暴走設定は鈴の影響だし、治めるのはこっちで何とかする」
「主えらい」
「ぱぱのかがみだな」
騎士様が動く宣言をした事で、アー君と雷ちゃんは丸投げを決めたのか「おやつにするか」と言いながら調理場に向かおうとした。
「こら、食後のデザート食べたばかりでしょう、ぽんぽん痛くなっちゃうよ」
「ちぇー」
「だめか、しぜんな流れだとおもったのにな」
『ざんねーん』
色々言いながら今度は庭に向かった。
どうやら釣りをするようだ。自由ですね。
「主様ぁぁ」
「鈴はちょっと暴走癖なんとかしようか」
「もしかして、暴走頻度って女神様と共鳴しているとかいうオチですか?」
「多分。鈴が妄想を暴発させると世界のどこかでスタンピード起こっているんだよね」
「不治の病じゃないですか、対処療法もないですよそれ」
下手に治そうとしてもそこから妄想を広げていくのが女神様ですし。
「でもね、聞いてよイツキちゃん、最近は『ブロマンス』っていうジャンルもあってね、男同士の友情より熱く恋人未満な関係が妄想をかきたててね!」
「騎士様、これ付ける薬がないあれだと思います」
「そっかー」
「でも私的には性的関係があったほうが嬉しいから、やっぱりブロマンスが何らかの要因で一歩踏み出してげへへってなるのが一番美味しくてですね――」
うん、ダメだねこれ。
延々と語り続ける女神様を僕に任せ、騎士様は対処するために出掛けて行った。
え、これ放置するんですか?
相手するよりお昼の用意と夕食の献立考えたいのですけどーー!
「誠に申し訳ございません」
こちらの女神様でしたー。
なんでも現在、女神様が一番はまっているのが迷宮系の小説で、数か月に一度、多い時には一ヶ月毎にスタンピードが起こるお話。
添え物的に乙女ゲーム要素が入っていて、婚約破棄がどうのこうの。
もちろんヒーローもヒロインも男の人。
「断罪の場で責められるものの、その時はスタンピードで領地にいたっていう切り返したりしてさ、調べもしない婚約者の愚かさが浮き彫りに――」
「女神様」
これ、あまり反省してないな。
そもそも簡単に反省するような女神だったら、ここまで世界観改変しませんね。
「悪気はないんだ」
あったら困る。
「それで、今回のダンジョンは誰のですか?」
「雷様です」
「雷かー」
「我かー」
「あちゃー」
それ、この世界の人間じゃ歯が立たないフラグじゃないですかぁ。
「ばーばにバレたらお叱り受けちゃうな」
「早くなんとかしたほうがいーぞ」
『雷ちゃんめっ!』
「雷ちゃんのせいだけじゃないからね、暴走設定は鈴の影響だし、治めるのはこっちで何とかする」
「主えらい」
「ぱぱのかがみだな」
騎士様が動く宣言をした事で、アー君と雷ちゃんは丸投げを決めたのか「おやつにするか」と言いながら調理場に向かおうとした。
「こら、食後のデザート食べたばかりでしょう、ぽんぽん痛くなっちゃうよ」
「ちぇー」
「だめか、しぜんな流れだとおもったのにな」
『ざんねーん』
色々言いながら今度は庭に向かった。
どうやら釣りをするようだ。自由ですね。
「主様ぁぁ」
「鈴はちょっと暴走癖なんとかしようか」
「もしかして、暴走頻度って女神様と共鳴しているとかいうオチですか?」
「多分。鈴が妄想を暴発させると世界のどこかでスタンピード起こっているんだよね」
「不治の病じゃないですか、対処療法もないですよそれ」
下手に治そうとしてもそこから妄想を広げていくのが女神様ですし。
「でもね、聞いてよイツキちゃん、最近は『ブロマンス』っていうジャンルもあってね、男同士の友情より熱く恋人未満な関係が妄想をかきたててね!」
「騎士様、これ付ける薬がないあれだと思います」
「そっかー」
「でも私的には性的関係があったほうが嬉しいから、やっぱりブロマンスが何らかの要因で一歩踏み出してげへへってなるのが一番美味しくてですね――」
うん、ダメだねこれ。
延々と語り続ける女神様を僕に任せ、騎士様は対処するために出掛けて行った。
え、これ放置するんですか?
相手するよりお昼の用意と夕食の献立考えたいのですけどーー!
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