神様のポイント稼ぎに利用された2

ゆめ

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女神の呪い

第823話

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 再会した後、中庭でぎゃーぎゃー騒ぐ二組を放置して僕らは食堂へ移動した。
 うわー国風を丸っと無視した王道食堂だー、うっわぁ。

 二階に特別席がある所がもうね、女神様の介入を疑いようもないっていうか。
 アー君も腐女神の強制力には勝てなかったのか、それとも妥協することで手間を省いたのかどっちだろう。

「……」
「……」

 僕を抱っこしたまま座る護衛、隣の席にはネリちゃんと黒ちゃん、向かいの席に会長と護衛さんが座って……黒ちゃん?

「ネリちゃん、ネリちゃん」
「はい」
「何か注文してもいい?」

 とりあえずお昼食べたいな。

「ここメニュー少ない、俺ふまん」
「申し訳ありません」

 文句を言う黒ちゃんに会長が深々と頭を下げた。

「イツキ、俺オススメは奥さんも大好きのクレープ」
「小麦粉と水、砂糖だけで作っているらしいですわ、イツキ様がいつもお食べになられているものに比べると味はどうしても劣ってしまいますが、ここで出る唯一のデザートです」
「……アイテムボックスに大量に在庫がある気がする」

 レシピ考案したドリちゃんが改良のために作った試作品が放り込んであるんだよね。

「では、飲み物だけ注文しましょう」

 少し間があったものの、にこりと微笑んだネリちゃんが全員分のミントティーを注文した。
 注文が来るまでの間、女神のような微笑みを浮かべるネリちゃん、顔色悪くやや俯き気味の会長、無理矢理座らされた護衛さんは完全に気配を殺している。

 ミントティーが人数分揃った所でネリちゃんの会長への尋問が始まった。

 僕はアイテムボックスから砂漠クレープを取り出し、それぞれの前へ置い、と、届かない!! ちょっと背後の護衛さん、腕緩めて!
 苦戦していたら向かい側に座り、気配を殺していた会長の護衛さんが受け取ってくれた。ありがとう!

「んまー」
「黒ちゃんはどうしてここに?」

 ネリちゃんが真面目なお話をしているけど、何か内容が難しいので小声で黒ちゃんに話しかけた。

「俺の奥さん、刀国の教育を受けて教員免許しゅとくした! ネリと一緒にりっこーほ!」
「すっごいね」

 背後に阿修羅を降臨させたネリちゃんが笑顔で会長から話を聞いているので黒ちゃんも小声、こういう時の女の人に逆らっちゃいけないのはお互いヘラ母さんで学習してます。

 女神様が黒の才女と称えている黒ちゃんのお嫁さん、刀国で才能が花開き、このたびネリちゃんと一緒に教員としてこの学校に派遣されたらしい。
 黒ちゃんは一緒にいるチャンスとばかりに荷物に隠れてついてきたんだって、それ猫がやるやつ。

「才色兼備、容姿端麗、俺の奥さんカッコイイ」
「うんカッコイイね」
「おまけに文武両道で俺のこと守るって宣言されちゃった!」

 ……さっきから黒ちゃんが四文字熟語を連発してくる。
 あれか、覚えたての単語を使いたいタイプなんだね、自慢内容は全部お嫁さんのことだけど。

「俺も負けないよーに勉強頑張ってる!」
「うんうん」
「でもなここ、国がまずしーから食い物ショボい、涼玉植えたい」
「涼玉を植えても大地は豊かにならないよ」

 マールスが引っこ抜いちゃうから意味もないと思う。
 
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