神様のポイント稼ぎに利用された2

ゆめ

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女神の呪い

第824話

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 ネリちゃんが会長から聞き出した話を自分の持っている情報とすり合わせ、導き出した現状と砂漠の民に待つ未来に遠い目をしている。

「会長」
「なんだ」
「どうか、来世は穏やかな人生を」

 ネリちゃんそれ、今生の別れの挨拶じゃない?

「まだ生きている」
「ええ、今は」

 阿修羅が引っ込みとても穏やかな表情のネリちゃん、それが逆に怖いです。

「この国はもう駄目です。王族を始めとし、支配者階級は根こそぎ絶えるでしょう。せめてイツキ様を召喚した時に対応を間違えていなければ、せめて無辜の民は巻き込まれずに済んだかもしれません」
「でもネリちゃん、おまけが不遇な境遇にさらされるのはテンプレだし、ワンチャないかな?」
「その流れだと女神ヴィシュタルの御身が心配です」
「一年間の禁酒で済むように僕が騎士様に掛け合うよ」

 趣味を自由に楽しめない環境に追いやる方が危険です、今回のように反動が酷い。
 妄想力で世界を管理しているだけあって、妄想がどこまでも追ってくるとか悪夢。

 旅先まで婚約破棄劇場が追いかけてきた事にアー君が辟易してたし、僕が今回召喚に巻き込まれておまけ扱いされたのも、結局は女神様の妄想に巻き込まれたっぽいんだよなぁ。
 便乗してスローライフ満喫したことを素直に反省するから、女神様には僕と一緒に皆に怒られてもらおう。

「女神ヴィシュタルは異教の女神、我らの神ではない」

 正座やだなーとか思っていたら会長が不意に口を開いた。

「会長達が信仰する神様の名前ってなに?」
「我らが神に名前はない、血の池から生まれし神が我らの神。この身に流れる血の一滴すら神に捧げている」

 うわぁあの女装神を本気で信仰してるのかぁ、多分小間切れになったよあの神様。
 神を熱く語る会長にドン引きするのを押し殺していたら、黒ちゃんがネリちゃんに話しかけた。

「ネリ」
「はい」
「会長の言う神、シャムスを泣かせた罰で粛清済みだぞ、金から聞いた」
「金ちゃんと会ったの?」
「ふふん、俺ら兄弟も夢の世界で会えるようになったんだぜ」

 詳しく話を聞いたところ、ヨムちゃんが兄弟に加わったことで邪神一家の魂の繋がりが強化。
 僕の血を引くヨムちゃんがいるし、もしかしてアー君が日頃自慢しているあの夢の世界を自分達も使えるんじゃないかとある日思いついたらしく、試行錯誤の末、ヨムちゃんを通せば出入り出来るようになったみたいです。

 知らない間に夢の世界の利用者が増えていました。
 今あの空間どうなってるんだろう?

 しかも自分達独自の空間を作るのではなく、僕らの空間と繋げたのか……。
 チート空間が知らない所で邪神の憩いの場として利用されているようです。

「あの世界いいよなー、シャムスの父ちゃんが住み着くのも分かる。俺も奥さんと出会ってなかったら住み着いてたかも」
「なら出会えたことにより感謝しないといけませんね」
「ひょーー!!」

 しっとりとした上品な声で黒ちゃんに話しかけたのは、黒いワンピースを着た淑女。
 えっ、もしかして黒ちゃんのお嫁さん?
 少し前に見た時はネリちゃんと同い年と分かる少女だったのに、いきなり一人前の女性に成長してない?
 大人しくて自己主張が薄い感じだったのが、今はしっかり自立しているのが僕にも分かる。

「おかえりー、寂しかったー」
「ふふ、私も寂しかったです、旦那様」
「きゃー!」

 お嫁さんの手のひらの上で恥ずかしそうにくねくねする黒ちゃん、ラブラブ度合いも倍増しています。

 ちょっと放置してしまった会長に視線を向けたら、黒ちゃんの言葉が聞こえてしまったのか、隣の席の護衛さんと一緒になって顔色が死んでいた。
 戯言と一笑できればいいけれど、相手は邪神として名高い神薙さんの御子、神様情報に関して嘘を言う理由もない。

「この国もうダメだって、帰国しよー」
「もう黒様ったら、そんな簡単に人間を見捨ててはいけませんよ」
「俺邪神だもーん」

 夫婦の会話が確実に会長にダメージを与えている気がします、あとお昼を食べに食堂に来た子達にも流れ弾がビシバシと。
 食事を中断して逃げたいだろうに、うちの邪神の前で食事を残すのは厳禁だと周知されているようで、青い顔をしながら食事を続けている。きっと味しないんだろうなぁ。

「百歩譲ってイツキを召喚したのは見逃してもらえるけど、そのあとの対応がだめー」
「召喚は良いのですか?」
「イツキだからなぁ」

 すみません、何度もやらかしていて。
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