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三食昼寝、家族付き

第926話

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 妊娠が騎士様にバレた。
 いや、妊娠するように仕向けたのあの人だし、バレるもなにもないか。

 家族になったからか過保護に拍車がかかって自宅に軟禁状態。
 ん? 前から外出ほぼしないで敷地内に引きこもってたから一昔前に戻っただけ?

 えっちゃんと出会ったことでどこにでも移動できるし、身の安全が確保されているから行動範囲が広がった気がしていただけだった。
 元々僕って異世界ライフを楽しんでなかったね!
 すみません、騎士様冤罪でした!

「ママ力加減はどうだ?」
「むにむにが気持ちよくて極楽です」
『弟ちゃんもご機嫌ね』
「姉妹も生まれてるはずだけど、家族の実感ないよな!」

 今日は双子の突撃訪問もないので久々にのんびり中。
 どこかに遊びに行くにも刀雲が夜勤だから久しぶりに独占出来ると張り切った騎士様により、本日は足腰が死んでいます。
 えっちゃんに座敷のクッションコーナーまで転移してもらい、大人しく日向ぼっこしていたら幼児が労わってマッサージを申し出てくれたんだ。
 可愛い、天使。
 ふふふ、騎士様羨ましがるだろうなぁ。

「パパはどーだ? マールス強すぎないか?」
「すごく、ちょうどいい」

 隣には夜勤明けの刀雲、こちらは下にウォーターベッドならぬスライムベッドを敷き、マールスによって力強い指圧を受けている。
 献身の鏡は涼玉が成長痛に苦しまないよう、マッサージまで習得していました。

 あのスライムベッド、下を向いてもスライムが呼吸させてくれるから苦しくないんだよ。
 硬さも自由自在だし一家に一台ぐらいの便利さ。

 はぁアー君の肉球マッサージ最高。

「アー君!!」
「助けてお兄ちゃん!」

 のんびりしてたんだけどなぁ。

 静寂を破って現れたのはトラブル発見機と化している双子。
 今日はいつもと違って本当に困ってる?

 アー君に抱き着いて早口で説明しているけど、早口過ぎて僕は聞き取りを諦めた。

「イツキおいで」

 マッサージが終わった刀雲に手招きされ、近付いたら引き寄せられて一緒にスライムベッドに転がった。
 おお、ひんやり感が気持ちいい。

「くくく、この上でやってみるか?」
「まだ昼間! 子供達がいるんですけど!」

 それに僕は本日休養中です!

「ママ、ママ、船乗りがなる病気ってなんだっけ? ラノベで見かけたことあるけど忘れた」
『血がどろどろってなるの』
「体崩れるとか外の世界こえー」

 ラノベで見かけて船乗りがなる病気といえばあれかなぁ。

「壊血病かな、ビタミン不足が原因だったっけ」

 知識が曖昧です。

「それそれ」
『刀国の船乗りはならない病気よね』
「港はギレンの領分だし、あいつ地球の知識あるもんなー」

 しかも刀国民はアイテムボックス持ちなので、傷みやすいものだろうが何だろうが持ち込み放題、好みの調味料も持ち歩いているらしいです。

「で、知識の対価は?」
「え!?」
「取るの!?」
「刀羅と鬼羅からは取らないけど、知識を渡す人間からは取るよ。相手次第だけど」
『だーれ?』
「知り合いなら割引もあるぜ!」

 うちの幼児ががめつい。

「白豚――じゃなくて黒豚君だよ」
「偉業達成したから領地もらったんだけど、そこが港街だったみたい」

 ああ見た目ぷよぷよに対し、身体能力が僕より高かったあの子かぁ。

「こんがり焼けた具合がずきゅんと来たらしい」
「お姫様抱っこで婚姻を認めろと王城に殴り込みに行ったんだよ、ラミアが」

 相変わらずツッコミどころが多過ぎますね!
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