【番外企画】AIと書く異世界転生のススメ

ゆめ

文字の大きさ
13 / 90

君を愛することはない系 1-1

しおりを挟む
 「君を愛することはない! なぜなら、もうすでに愛しているから!」

 ドヤァ!!

「馬鹿なこと言っている暇があったら仕事しなさい」
「はい」
「……あの、お兄ちゃん。私もお姉ちゃんのこと好きだよ?」
「同志よ!!」
「はいはい。シスコンシスコン」

 ため息交じりの呆れた声に顔を上げると、書類が山のように追加された。
 解せぬ……。

◆ ◆ ◆

「ふぅ~。ようやく終わったなぁ」
「アンタがあほなことを言わなきゃもっと早く終わってたわよ」
「はい、すみません!」

 あれから一週間。俺は溜まりに溜まった書類を必死こいて処理した。
 捌いても捌いても終わらない書類地獄、正真正銘の悪夢だった。
 でもそのおかげで、婚約者と一日中一緒にいれたのだからよしとしよう。でへへ。
 俺ってば超頑張ったんだから褒めて!

 …………なんて言おうものならまた怒られるだろうから黙っとこう。
 それにしても、転生したことに気付いてから約二年。
 あっという間だったような気もするけど、やっぱり長かった気がする。
 最初は言葉すら分からなくなって混乱したよなぁ。
 今はこうして普通に会話できているし、文字も書けるようになった。
 全てツンデレ婚約者のおかげである。うんうん。ほんと感謝してるよ。

「……何ニヤついてんのよ気持ち悪い」

 おっといけない。
 思わず頬が緩んでしまったようだ。
 これは失敬。

「何でもありませんことよ」
「まったく。そろそろ行かないと遅刻するわよ」
「あー待ってくれよー」

 スタスタと歩き出す婚約者の後を追う。
 いつも通りのやり取りだ。

「いよいよね」
「ああ、そうだな」

 俺たちは今、王都にある学園に向かう馬車の中にいる。
 今日は入学式が行われるのだ。

「ついにこの時が来たか……」
「まぁ私は去年から通ってたんだけどね」

 俺は記憶喪失扱いで入学遅れたからなぁ~、ツンツンしながらも付きっ切りで勉強教えてくれた二年。
 思い出すだけでも笑みが浮かびそうになるな!頑張れ表情筋!
 
「知っているか、入学式の日に現れるピンク髪は高確率で危険人物だ!」
「え? そうなの?」
「俺調べでは90%以上だ!」

 特に男爵に引き取られたばかりとかは要注意さ!
 俺はラノベを嗜んでいたから詳しいぜぇ!

「まぁいいわ。どうせすぐに分かることだし」
「それもそうだな」

 そんな話をしているうちに目的地に着いたらしい。
 馬車の外には立派な校舎が建っている。
 ここが今日から俺たちの通う場所――王立魔法学園である。

「んじゃ行きますかね」
「はいはい」

 こうして俺たちの学園生活が始まった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

捨てた騎士と拾った魔術師

吉野屋
恋愛
 貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。

ねえ、今どんな気持ち?

かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた 彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。 でも、あなたは真実を知らないみたいね ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!

nineyu
ファンタジー
 男は絶望していた。  使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。  しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!  リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、  そんな不幸な男の転機はそこから20年。  累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!

【完結】婚約者なんて眼中にありません

らんか
恋愛
 あー、気が抜ける。  婚約者とのお茶会なのにときめかない……  私は若いお子様には興味ないんだってば。  やだ、あの騎士団長様、素敵! 確か、お子さんはもう成人してるし、奥様が亡くなってからずっと、独り身だったような?    大人の哀愁が滲み出ているわぁ。  それに強くて守ってもらえそう。  男はやっぱり包容力よね!  私も守ってもらいたいわぁ!    これは、そんな事を考えているおじ様好きの婚約者と、その婚約者を何とか振り向かせたい王子が奮闘する物語…… 短めのお話です。 サクッと、読み終えてしまえます。

処理中です...