想い、結び、繋ぐ(仮)

本郷むつみ

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God’s Eye(3)

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「ふむふむ、なかなかの雰囲気じゃのう」

 神と呼ばれる老人が満足そうに呟いた。近くには天使と呼ばれる若い女性が肩膝を着き、頭を下げている。

「試練の道へと1歩ずつ確実に進んでおりますが、このままでよろしいのでしょうか?」
「そうじゃの」

 頭を下げたままの天使の問いに神が答える。

「とりあえず、男の才能の覚醒が先じゃ。まあ、覚醒したとしても、その先はあの男の努力次第じゃがの」
「才能があっても努力しなければ才能の扉は開かないと」
「その通りじゃ。わしは皆平等に人間たちに色んな才能を与えておる。運動能力だったり、物作りやコミュニケーション能力だったりとな。しかし、その才能の扉を開くのは人間たちじゃ。努力と言う鍵を使うかどうかじゃ。わしが唯一、人間に与えられない才能。それは努力し続けるという才能なのじゃ」

 神と呼ばれる老人は天使と呼ばれる人物と話しながらも、鳳斗と遥香から視線を切らない。

「努力し続ける才能ですか」
「うむ、ほとんどの人間が努力から逃げ、途中で挫折し、現状で満足してしまう。あの2人がそうはならない事をわしは願うだけじゃ」
「私の任は当面の間、見守るだけでよろしいのでしょうか?」
「今は見守るだけでよい。試練はまだ当分先じゃ」
「御意」

 神がそう言うと天使がその場から姿を消した。

「さて、あの男は本当に自分を変える努力が出来るかの」

 顎髭に手をやりながら、神はそう呟いた
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