23 / 26
第23話.野音に向けて
しおりを挟む
いよいよ今日からスタジオライフだ!
そんな朝に限ってお気に入りのキャップが見つからないって夢を見た。
今日は曲の確認、新曲のアレンジあたりを集中的にやるんだろうと思っているとヒロヤから電話だ!
電話に出るとヒロヤが「おはRollバイ」って電話越しにテンションの高い声。
俺が用件を聞くと!
あのバンドがツアーファイナルを地元でやるらしい。
そう俺達の憧れ「VIVA☆P」がツアーファイナルで帰ってくる。
でも、今はメジャーだし大人気。
数年前AGAを組んでる頃は同じ事務所のレーベルメイトだったが、今は立場も何もかもが違い過ぎてた。
俺は「チケットあるの?」って聞くとヒロヤが意外な事を言い出した!
「俺、あそこのスタッフ慶乃ちゃんと知り合いバイ」
俺は耳を疑ったよ、だからもう一度聞き直したんだよ。
「誰と知り合いだって?」ってね。
そしたらやっぱり慶乃ちゃんって言いやがる!
なんで知り合いなのか聞くと、昔家の前に住んでたらしい。
偶然にしては出来過ぎだろう!
って、思いながら話を続けたんだ。
チケットは間違いなく取れるから行こうって事になったので、スタジオでアニキ、ヒロシに確認することに。
俺はシャワー浴びてスタジオに向かった。
スタジオに着くと俺以外の3人とエリが既にいる。
俺はライブの話をする前にエリに振込用紙とお金を渡した!
エリが不思議そうな顔で俺を見るので、「コンビニで払ってきて」と、電話料金の支払いを頼んだ。
ちょっと嫌な顔をしたのはエリじゃなく、ヒロシだった。
ん?
「あれ?ヒロシ怒ってんの?」って聞くと「おおお怒ってないよ」って。
2人の秘密を知っているのは俺だけ。
今俺は楽しい。
エリがコンビニに行っている間にVIVA☆Pのライブの件を話した。
ライブは2週間後、5/30だ!
その日はみんなで行く事を決めて俺達はスタジオに入り曲を固めた。
何度も何度も同じ事の繰り返し、この頃スタジオの空気も悪く俺とヒロヤは常にぶつかっていた。
「Rollmanちゃんとドラム聞いとっと?」って言うから俺も「聴きたくないけど聴いてるよ!」って返す。
リズム隊だから、確認する事が沢山あるし、内容も細かい。
そんな毎日を過ごし、俺達は一歩一歩ほんと少しずつ確実なグルーヴ感を作りあげた。
スタジオ帰りにいよいよ明日だね、VIVA☆Pのツアーファイナルって話をして帰っている途中で、西鉄財閥の御曹司テツヤとチャーシューと偶然会った。
以前会った時は会話すらしなかったのに今回はチャーシューから「野音決まったらしいね、おめでとう」って言って来た。
俺も「ありがとう」って答えた。
テツヤが「後からハマケツも来るよ」って言ってきた。
なんだよ、俺以外みんな揃って呑むつもりだったのかと思うと少しイラついてきた。
俺は「3人でバンドでも組むのか?」って嫌味っぽく言うと、チャーシューが笑いながら「Rollmanヤキモチか?」って言ってきたので、「ヤキモチ妬かねーよ、俺が居ない3人じゃ売れねーし」って言ってやった。
チャーシューは笑いながら「まあ否定はしねーけど」って今日はやけに素直だ。
テツヤが野音決まった記念にゴチってくれるって言うから、皆んなで呑むことに。
折角なんで佳乃も呼ぶことにした。
居酒屋リッケンで俺達は朝まで語り、そして記憶をなくすほど飲んだ。
AGAではなぜか縁が無かった日比谷野音、何故か終始、与論島に一度は行った方がいいと勧める佳乃。
楽しい飲み会も終わり、テツヤにお礼を言って別れた。
そして俺達はまた夜にVIVA☆Pのライブで会う。
VIVA☆Pのライブはもちろんソールドアウト!
客の熱気も半端じゃない!
俺達はビールを買い、VIVA☆Pの出て来るのを待っているとメンバーが出て来た。
いよいよ始まる!
やっぱり一曲目は「解放」からだ!
会場のボルテージが一気に上がる。
俺達は終始圧倒され、そして最後の曲は「LIAR」
俺が好きな曲だ。
ライブが終わり、帰ろうとしているとヒロヤが「楽屋行こうバイ」って言ってきた。
いやいや、そりゃあんた無理だろうと思っていると、ヒロヤが楽屋に向かい、入り口のセキュリティの人と話してる。
そして、俺達にこっちに来いって手招きをする。
俺達は冗談だろう?
って、思って行くと中に入れた。
なんなんだこいつは?
そして楽屋をノックしてドアを開けると、そこにはさっきまでライブをしていたVIVA☆Pのメンバーがいる。
ボーカルのトミさんと目があうと、トミさんが「野音おめでとう」って言ってくれた。
そして「ユー達、自腹で野音借りたんだってね、すげーじゃん」って笑いながら話し掛けてきた。
なんて優しい人なんだ!
感動していると、スタッフの慶乃さんがそろそろいいかな?って言って来たので俺達はVIVA☆Pメンバーに挨拶をして、会場をあとにした。
俺達の野音も、あと2ヶ月後!
気合いが入った。
俺達は興奮してたんだろう、コンビニの前で朝まで語った。
そして、またスタジオに籠る日が続く。
あっという間に時間は過ぎ、いよいよ明日が野音!
そんな日に俺は佳乃の部屋に呼ばれた。
つづく
そんな朝に限ってお気に入りのキャップが見つからないって夢を見た。
今日は曲の確認、新曲のアレンジあたりを集中的にやるんだろうと思っているとヒロヤから電話だ!
電話に出るとヒロヤが「おはRollバイ」って電話越しにテンションの高い声。
俺が用件を聞くと!
あのバンドがツアーファイナルを地元でやるらしい。
そう俺達の憧れ「VIVA☆P」がツアーファイナルで帰ってくる。
でも、今はメジャーだし大人気。
数年前AGAを組んでる頃は同じ事務所のレーベルメイトだったが、今は立場も何もかもが違い過ぎてた。
俺は「チケットあるの?」って聞くとヒロヤが意外な事を言い出した!
「俺、あそこのスタッフ慶乃ちゃんと知り合いバイ」
俺は耳を疑ったよ、だからもう一度聞き直したんだよ。
「誰と知り合いだって?」ってね。
そしたらやっぱり慶乃ちゃんって言いやがる!
なんで知り合いなのか聞くと、昔家の前に住んでたらしい。
偶然にしては出来過ぎだろう!
って、思いながら話を続けたんだ。
チケットは間違いなく取れるから行こうって事になったので、スタジオでアニキ、ヒロシに確認することに。
俺はシャワー浴びてスタジオに向かった。
スタジオに着くと俺以外の3人とエリが既にいる。
俺はライブの話をする前にエリに振込用紙とお金を渡した!
エリが不思議そうな顔で俺を見るので、「コンビニで払ってきて」と、電話料金の支払いを頼んだ。
ちょっと嫌な顔をしたのはエリじゃなく、ヒロシだった。
ん?
「あれ?ヒロシ怒ってんの?」って聞くと「おおお怒ってないよ」って。
2人の秘密を知っているのは俺だけ。
今俺は楽しい。
エリがコンビニに行っている間にVIVA☆Pのライブの件を話した。
ライブは2週間後、5/30だ!
その日はみんなで行く事を決めて俺達はスタジオに入り曲を固めた。
何度も何度も同じ事の繰り返し、この頃スタジオの空気も悪く俺とヒロヤは常にぶつかっていた。
「Rollmanちゃんとドラム聞いとっと?」って言うから俺も「聴きたくないけど聴いてるよ!」って返す。
リズム隊だから、確認する事が沢山あるし、内容も細かい。
そんな毎日を過ごし、俺達は一歩一歩ほんと少しずつ確実なグルーヴ感を作りあげた。
スタジオ帰りにいよいよ明日だね、VIVA☆Pのツアーファイナルって話をして帰っている途中で、西鉄財閥の御曹司テツヤとチャーシューと偶然会った。
以前会った時は会話すらしなかったのに今回はチャーシューから「野音決まったらしいね、おめでとう」って言って来た。
俺も「ありがとう」って答えた。
テツヤが「後からハマケツも来るよ」って言ってきた。
なんだよ、俺以外みんな揃って呑むつもりだったのかと思うと少しイラついてきた。
俺は「3人でバンドでも組むのか?」って嫌味っぽく言うと、チャーシューが笑いながら「Rollmanヤキモチか?」って言ってきたので、「ヤキモチ妬かねーよ、俺が居ない3人じゃ売れねーし」って言ってやった。
チャーシューは笑いながら「まあ否定はしねーけど」って今日はやけに素直だ。
テツヤが野音決まった記念にゴチってくれるって言うから、皆んなで呑むことに。
折角なんで佳乃も呼ぶことにした。
居酒屋リッケンで俺達は朝まで語り、そして記憶をなくすほど飲んだ。
AGAではなぜか縁が無かった日比谷野音、何故か終始、与論島に一度は行った方がいいと勧める佳乃。
楽しい飲み会も終わり、テツヤにお礼を言って別れた。
そして俺達はまた夜にVIVA☆Pのライブで会う。
VIVA☆Pのライブはもちろんソールドアウト!
客の熱気も半端じゃない!
俺達はビールを買い、VIVA☆Pの出て来るのを待っているとメンバーが出て来た。
いよいよ始まる!
やっぱり一曲目は「解放」からだ!
会場のボルテージが一気に上がる。
俺達は終始圧倒され、そして最後の曲は「LIAR」
俺が好きな曲だ。
ライブが終わり、帰ろうとしているとヒロヤが「楽屋行こうバイ」って言ってきた。
いやいや、そりゃあんた無理だろうと思っていると、ヒロヤが楽屋に向かい、入り口のセキュリティの人と話してる。
そして、俺達にこっちに来いって手招きをする。
俺達は冗談だろう?
って、思って行くと中に入れた。
なんなんだこいつは?
そして楽屋をノックしてドアを開けると、そこにはさっきまでライブをしていたVIVA☆Pのメンバーがいる。
ボーカルのトミさんと目があうと、トミさんが「野音おめでとう」って言ってくれた。
そして「ユー達、自腹で野音借りたんだってね、すげーじゃん」って笑いながら話し掛けてきた。
なんて優しい人なんだ!
感動していると、スタッフの慶乃さんがそろそろいいかな?って言って来たので俺達はVIVA☆Pメンバーに挨拶をして、会場をあとにした。
俺達の野音も、あと2ヶ月後!
気合いが入った。
俺達は興奮してたんだろう、コンビニの前で朝まで語った。
そして、またスタジオに籠る日が続く。
あっという間に時間は過ぎ、いよいよ明日が野音!
そんな日に俺は佳乃の部屋に呼ばれた。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる