39 / 83
3巻
3-3
しおりを挟む「なんだよ」
「お前みたいな雑魚だと、ハク様が怪我するから引っ込んでろ」
「ふざけんなバカ野郎。訓練試合だと1001勝999敗で、俺が勝ち越してるだろ」
「お前は間抜けか? 戦績は1001勝999敗で俺の勝ちだ」
なんで騎士団内で仲間割れしてるんだよ。
「1000勝1000敗で引き分けでしょ。ハク様の前で見っともないことしないで」
キイちゃんが二人の間に入って止めた。
でも、ダイ君とエメ君は昔からのライバルだからか、勝手に盛り上がる。
「今ここで決着つけてやろうか?」
「望むところだ!」
二人ともキイちゃん越しに一触即発、サーベルに手をかけた。
キイちゃんも巻き込むつもりか?
二人とも魔王たちと同じように、マナー教育しなきゃならないな……。
「こら!」
俺が怒ろうとした時、ハクちゃんが俺に代わって、パチンとダイ君の頭を叩いた。
「喧嘩しないの! 仲良くしないとダメ!」
「ハ、ハク様……」
ダイ君は気まずそうにサーベルから手を離す。
「はっはっはっはっはっはっは! 怒られてやんの」
エメ君は自分のことを棚に上げて、ダイ君を指さして笑う。
「エメ君もだよ!」
ハクちゃんは、ダイ君の肩からエメ君の肩に飛び移ると、同じように頭を叩いた。
「仲良くしないとダメ! 喧嘩したら怒るよ!」
「う……」
プンプンとハクちゃんが腰に手を当てて怒るので、エメ君も黙った。
ハクちゃんに敵うのは、もうギンちゃんだけだな。
「ねえねえ! 皆もダイ君たちみたいに喧嘩して!」
すると突如、マリアちゃんがガイの頬っぺたを叩く。
「なんで俺たちが喧嘩しないといけないんだ?」
「良いから早く!」
ガイは眉をひそめるが、マリアちゃんは構わず駄々をこねた。
皆に一目置かれるハクちゃんに嫉妬したのか。
ガイたちに喧嘩してもらって、自分もハクちゃんみたいに叱ろうとしてるんだろう。
「うるせえな。叩き落とすぞ」
「も~、意地悪!」
マリアちゃんはガイに首根っこを掴まれると、ぶうぶうと文句を言った。
「それにしても……始まらないね」
グダグダな雰囲気に、思わずため息が出る。やるなら早くやればいいのに。
「こら! ハク!」
さらにグダグダになる気配。ギンちゃんが走ってやって来た。
「げ! お母さん!」
ハクちゃんはエメ君の背中に身を隠すが、銀狼のギンちゃんの鼻から逃げることなどできない。
「このバカ娘が! 朝飯を放り出して、やっと帰ってきたと思ったら、今度は狩りじゃと!」
案の定、ハクちゃんはギンちゃんに首根っこを掴まれた。
「お母さん! 私って銀狼だよ」
「そんなの知っとる」
「でも、私は狩りしたことない」
「そらそうじゃ。する必要ないからの」
「だからこれは勉強なの!」
「口ばかり達者になりおって」
グルルルルとギンちゃんが唸ると、傍に居たダイ君たちが震えた。ガイたちも震えている。お母さんには誰も勝てない。
「仕方ない。特別に許してやる」
ギンちゃんはエプロンを外してポケットに詰めながら言った。意外なことに、ハクちゃんが狩りに行くことを許可するらしい。
「ほんと! お母さん大好き!」
「ただし! 私も一緒だ」
「ええ! お母さんも!」
ハクちゃんの耳がしおしおっと萎れていく。
「私たちは銀狼じゃ。だから狩りをするのは当然。じゃが、遊び半分でやっていいことではない。この機会に命の尊さを教えてやる」
「そんなぁ!」
「我儘言うな!」
ギンちゃんは説教モードだ。誰も口を挟めない。グダグダな雰囲気が加速する。
「それにしても、どうしてギンちゃんはここに来たんだ?」
「ティアが呼んできたんだよ」
俺が聞くと、ぴょこんと横にティアが登場した。
「どうして呼んできたの?」
「お目付け役が必要かなって思って」
俺と同じ考えだったか。
確かにギンちゃんなら、最強のお目付け役だ。ハクちゃんも遊び半分で命を奪うなんてできない。
「ハクちゃんには、良い社会勉強になりそうだ」
ギンちゃんのお説教はまだ続いており、両手で耳を塞ぐハクちゃん。
……それにしても、いつになったら始まるんだ? 眠くなってきたぞ。
「ギンちゃん。そろそろお説教はやめてあげよ」
あまりにも長いので口を挟む。
「お主たちはハクに甘すぎる」
ギンちゃんは言い足りないのか、拳を腰に当ててため息をついた。
俺たちが甘いんじゃなくて、ギンちゃんのお説教が長いんだよ。怒るから言わないけど。
「そろそろ始めるか?」
ガイが口火を切る。ようやく始まりそうだ。
「しかし……そっちはハク様とギン様が居るのか」
ガイは不服そうな顔でこっちを見た。
「麗夜様とティア様は、俺たちに付いてきてくだせえ」
ええ……ややこしくなるようなことを。
「なぜお前たちと麗夜様が!」
予想通り、ダイ君が食ってかかった。
「そっちにハク様とギン様が居るんだから良いだろ」
「ダメだ。麗夜様は俺たちの物だ」
いやいやダイ君、俺は物じゃないぞ。
「麗夜様は俺たちの大将だ。お前たちの物じゃない」
その通りだけど、ダイ君だって俺の騎士団、つまり君たちは全員、仲間なんだよ?
「お前たちみたいなアホなど、麗夜様に必要ない」
「麗夜様の前だから我慢してたが、どうやら体に分からせねえと、理解できねえようだな」
ダイ君とガイが武器を抜いた。
目は充血して殺気満々。木漏れ日の温かさも、大地の柔らかさも吹っ飛んでしまう。
「ティアがガイのチームに入る。俺はここで待ってる」
手が付けられなくなる前に、妥協案を出す俺。
「ティアがガイに付いていくの?」
キョトンとするティアに、ごにゅごにゅと内緒話をする。
「ティアがガイに付いていけばとりあえず平等だ。お互い納得するはず……」
「本音はどうですか?」
ティアに聞き返されたので、俺は正直に答える。
「めんどくさくて仕方ない。殴り合いでもなんでも良いから、早く決着して仲直りしてくれ」
「ティアもそう思う」
そう言いながら、ティアがぴょんとガイの肩に座った。
「こっちはティア、あっちはギンちゃんとハクちゃんで平等だね」
「ティア様だけですか……」
ガイたちが恨めしそうに俺を見た。
「我儘言わないの!」
ティアはパシンと手を叩いて、皆を注目させる。
「もう始めよ! 待ちくたびれちゃった」
「す、すみません」
ティアがキツイ口調で言うので、ガイとダイ君は慌てて前を向く。
「お昼までに、たくさん狩れたチームが勝ち。良いね」
ティアがルールを説明すると、皆は納得したように頷いた。
「あと、虫は取っちゃダメ。熊とか猪とか、お肉限定だよ」
ん? なぜ動物限定なんだ?
「ハーブとお魚も取って来てね」
狩りをお使いと間違えてないか?
「――じゃあ出発!」
ティアの号令でようやく始まった。
「行くぜぇえええええ!」
ドン!
ガイは足に力を溜めると、いの一番に走り出す。
「行くぞ!」
ダイ君も負けじと、全身に力を入れて走り出した。
「ごほ! ごほ!」
大人数が一斉に駆けていき、残された俺は土埃で咳き込んだ。
「なんだか大変になったな」
やれやれと地べたに座り込んで休憩する。
「そして、一気に暇になった」
見上げれば、雑草や木々の枝がさわさわと揺れていた。
ぶんぶんと巨大な蜂が蜜を吸っている。
遠方で猪が走ると、ドシドシと地震が起きたかのように地面が揺れる。
「……なんで誰も、この光景を疑問に思わねえんだよ」
大きなため息が出る。
皆は全く気にしてないが、どう考えても異常だ。
雑草が天高くそびえるのはおかしいだろ? 熊や猪なんて怪獣みたいだぞ。
生態系が崩れているとかそういうレベルではない。明らかに別の存在になっている。
「まさか……動植物が魔王化してる?」
ハッと、俺の脳裏に嫌な予感が走った。
ダイ君やエメ君も、魔王になったら体が巨大化してしまった。それを考えると、この風景も納得できる。
「ちょっと待って、もしかして目につく物、全部魔王なの?」
背筋が寒くなる。
ブンブンブンブン。
俺がフリーズしていると、耳が痛くなるほどうるさい羽音が近づく。続いて空が真っ黒になった。
巨大蜂の大群だ。
大きさ相応に、羽ばたきも強い。数十メートル上空なのに竜巻の中に居るような風圧だ。
俺の髪やフードが、巻き上がる土煙で土まみれになった。
「ゴハン」
どうやら餌を探しているらしい。大きな複眼が忙しなく動いている。
「ゴハン」
一匹と目が合うと、その他大勢もこっちに目を向けた。
巨大な複眼がギラギラと光る。
まるでモンスターパニック映画だ。巨大な虫ってのはそれだけで怖い。
巨大蜂は獲物を見つけたとばかりに、お尻から針を出して、猛スピードで旋回を始めた。
さらには威嚇なのか、羽音を激しくさせる。
俺を食べる気だ。
パニック映画なら、連れの一人が逃げ出して、連れ去られる展開だ。もしくは目の前で襲われ、肉団子にされて食われる。
「君たち、もしかして俺の言葉分かる?」
だが俺は今、別の意味で恐怖していた。
「シャベッタ」
「ナカマ?」
蜂たちはお尻の針を引っ込め、羽ばたきを緩める。
「ナカマ?」
偵察なのか、一匹が俺のところに来ると、触覚で顔や腕を撫で回す。
「ジョオウサマ」
どうやら俺は女王蜂だったらしい。
……って、なんでだよ? 俺は男だぞ。
「ジョオウサマ」
蜂たちは雑草や地面に着地すると、俺の周りをうろつき始める。
「ゴハン」
一匹の蜂が、抱きかかえていた巨大芋虫を目の前に置いた。
これを食えってか?
「ジョオウサマ」
蜂たちは俺の機嫌を窺うようにうろつく。
ガサガサ、ザリザリと、周囲から虫が這う音がする。
蜂が居るから当然なのだが、問題は足音の大きさだ。
まるで車が行き交う大通りに居るみたいだ。
「ジョオウサマ」
近づきもせず、離れもせず、一定の距離を保つ。
俺にどうしろってんだ? そんなお手上げ状態の時、上空から炎が近づいてきた。
今度はなんだ?
「何してんだ?」
朱雀がやって来た!
「朱雀! 会いたかったぞ!」
混乱の極み! 俺は思わず朱雀に抱き付いた!
「おいおい! そんな! 昼間っから! だけど良いぜ。ついに俺の想いが通じたんだからな」
朱雀がギュッと抱きしめてこようとしたので、我に返った俺は離れる。
「ありがとう。お前のおかげで、自分が混乱していると自覚できた」
「そりゃないだろ……」
朱雀は残念そうに肩を落とすが、気にしない。
「それはそれとして、こいつらはいったい何なんだ?」
朱雀は、ガチガチと歯を鳴らしながら取り囲む巨大蜂に目を向けた。
「なぜか俺のことを女王蜂と勘違いしている」
「さすがマイハニー。虫すらも虜にしたか」
嬉しくもなんともない。
「麗夜はこいつらが何してんのか、分かるのか?」
「俺のことを女王様って言って取り囲んでる。何がしたいのやら」
朱雀はキセルを咥えて、巨大芋虫の死骸を見つめた。
「麗夜の命令を待ってるんじゃないか?」
「俺の?」
「試しに、蜜でも集めてこいって言ってみたらどうだ」
それでどうにかなるのか?
「じゃあ、君たちは蜜を集めに行って」
「ショウチ」
巨大蜂はヘリコプターが離陸するような突風を巻き起こしながら、森の中へ消えた。
「命令聞いちゃったよ……」
どうしてこうなるんだ? まるで分からんぞ!
「麗夜、顔が真っ青だぞ」
項垂れていると、朱雀に心配された。
そりゃ真っ青にもなるよ。
「朱雀に聞きたいんだけど、この光景、変だと思わない?」
「巨大な虫に、木に草、熊のことか?」
「そうそう」
「おかしいに決まってるだろ」
良かった。俺の常識は間違っていなかった。
「なんでこうなったか分かる?」
「なんでって? そりゃ動植物が魔王化してるからだろ」
はっはっはっはっはっはっは!
「魔王化! なんで!」
「魔界はゼラの瘴気、つまりゼラの強大な力で満ちていた。昔はそれで嵐を起こしていたが、今はなぜか生命を育む力に変質している。だから、ここで暮らしてりゃ嫌でも強くなるさ」
なんてこったい。いくらなんでも、森が魔王になるなんて思わなかった。
「……どうしよ」
「なるようになるさ」
朱雀が一通の手紙を差し出した。
「何これ?」
「魔王フランからの手紙。そろそろ約束の一月が経つから、会ってくれってさ」
魔王フラン? 誰だっけ?
「このフランって魔王は、なんで俺に会いたいの?」
「フランと平和条約を結ぶんだろ。約束しただろ、忘れたのか」
「そうだそうだ。魔軍は穏健派と戦争中だった」
「覚えておいてやれよ。相手は今か今かと楽しみにしてたんだぜ」
魔軍のことで精いっぱいだったから忘れていたが、悪いことをしてしまった。
「平和条約は結びたいんだけど……」
俺は、巨大蜂に代わって雑草の陰から現れた巨大蜘蛛に目を移す。
「色々問題が起きてるんだよなぁ」
頭痛と眩暈がするぞ。
「そう言えば、森全体が魔王化してるなら、ガイたちは大丈夫かな?」
「大丈夫ってのは?」
「狩りに行っちゃったんだ」
「大丈夫だろ。昨日も一昨日も、そこら辺の熊とかムカデとか狩ってたし」
ん、ちょっと待ってくれ。
「ガイたちは毎日毎日、巨大化した熊と戦ってたの?」
「そうだぜ。知らなかったのか」
知らなかったです。
「もしかしてガイたちも強くなってる?」
以前までのガイの力では、巨大化した熊に勝てるとは思えなかった。
「なってるぜ。レベルは数十億、超えてるんじゃねえか」
サラッと何言ってんのお前?
「……それで、いったいいつフランに会うんだ」
朱雀はそう言いながら、噛みついてきた巨大蜘蛛の頭を押さえた。
事も無げにやってるけど、朱雀も凄まじい勢いでレベルアップしているな。
「まずは水飲んで、頭冷やしてくる」
目を閉じると、「常識」が三途の川の向こうで手を振っていた。
「そろそろ慣れたらどうだ?」
朱雀の言葉に、俺は首を横に振った。
「慣れたら人間じゃなくなる気がする」
俺はとりあえず、地面から現れた巨大蟻の頭を撫でた。
「ジョオウサマ」
「だからなんでだよ」
まさか蟻まで……他の虫も続々と集まってるし。
「オカアサン」
巨大蜘蛛は母親と間違えるし、どうしたら良いんだ?
第二章 フラン連邦へ
魔界の森が魔王化してしまった。
万が一、こんなところに人間が迷い込んだら大変だ。
エンカウントする敵はすべて魔王。クソゲーとしか言えない。
「おまけに魔軍全体が、予想より強くなりすぎてる」
ステータスは怖くて見ていないが、魔軍たちは魔王化した森で平然と狩りを続けているのだ。
それに、「昔なら巨大化した熊に勝てた?」と聞いたら、「昔なら無理だ。でも麗夜様のおかげで強くなれましたよ!」と、シャレにならないことを言われた。
人間と平和条約を結ぼう。そうしないと人間が死滅する。
俺は、俺を虐めたクラスメイトと決着をつけたいだけ。悪役になるつもりは全くない! ましてや人間を皆殺しにするなんて!
そんなこんなで色々と頭が痛いが、休んでいる暇はない。
現在魔軍は、人間との戦争に反対する穏健派と戦争状態にある。つまり魔界は内乱状態だ。
人間と和平を結ぶとか言う前に、内乱を終わらせないとどうにもならない。
幸い交渉の場は整った。
場所は、魔王フランが支配するフラン領だ。
明日、フラン領の入り口でフランさんと待ち合わせて、フラン領を見物したあと、和平交渉という流れになる。
自室の机で予定の確認を行っていると、ティアが後ろから抱き付いてきた。大きい胸が後頭部に当たって気持ちいい。
「ティアは明日が楽しみ?」
「うん! 麗夜と一緒にお出かけするの久しぶり! 新婚旅行みたい!」
俺の頭の後ろで、ティアの胸がトクトク弾んでいる。
「新婚旅行なんて言葉、どこで知ったの?」
「この本で!」
ティアが枕元にあった本を持ってきた。
「これって、ラルク王子がくれたやつか」
「うん! 恋愛小説だって!」
どれどれ、どんな内容か見てみよう。
『彼の細い指が私の恥部を撫でる。私は湧き上がる声を抑えようと唇を噛む』
開いたページを読んだ俺は、栞を挟み直してパタンと本を閉じる。
「……ティア、これは官能小説だ。恋愛小説じゃない」
「官能小説って何?」
ティアが本に手を伸ばしたので、俺は背中に隠す。
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。